- Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103568032
感想・レビュー・書評
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20170213読了
1984年発行。前作のヨーロッパ版を楽しく読んで、それの日本版?!とさっそく手に取った。泊まったホテルの部屋をとにかくスケッチしまくっていた前作は、出版するつもりなど毛頭なく、純粋にご自身の「性癖に従って」描きためたそうだが、今作は公表を念頭において紙媒体に連載したものだそう。緻密で遠近法に忠実なスケッチ、すーごーいー。刑務所の中なんて、今となっては貴重な資料なんじゃないかな。入墨(いれずみ)と刺青(ほりもの)の違いを初めて知った。●P6 京都の地下鉄工事 ●P14 集治監・・・維新後、反政府の賊として逮捕した政治犯を収監する北海道の施設。彼らの犠牲の上に北海道の主要幹線道路はつくられた。 ●P86 オリエント急行の車両が琵琶湖でホテルになっていたなんて!と思って調べたら、すでに施設は廃業、車両は解体作業中に焼失したそうな。●P156 番外編の田中邸。なんでわざわざ個人宅?なんか有名なの?と調べたら、田中角栄だった…「田中邸」とその他の唯一の情報「目白」でもピンとこないのは世代ってことで…「目白御殿」って初めて聞いたし。 -
シリーズの中で一番好きなのは、やっぱり日本の事だからなのかなー。刺青だとか。無駄に覚えたあのころ。
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こちらもウエキさんからのおススメ。
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河童はやっぱ海外かな。
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「河童が覗いたインド」ほど感銘は受けなかったけど、やっぱり絵と興味の深さには感心しっぱなし。
絵を見るだけでも楽しい。 -
描写の緻密さ
日本人として誇らしい
何回でも見よう -
表紙の網走刑務所の独房のイラストを見ておもわず購入。普段見たことがない光景を天井から俯瞰したイラストに目を奪われてしまった。
【あらすじ】
見なれているから見落としたもの。近づけないから見ることができなかったもの。いままで多くの人々が見落としていたニッポンが、立体的に鮮やかに浮かび上がって見えてくる。独特の視点を持つ舞台美術家の著者が、「ニッポン」を北から南まで歩き回って覗いたものは?刑務所の中から、果ては皇居まで。全十四編。精密イラストによる全ページ手描きのルポ!(文庫カバーより)
京都の地下鉄工事
”集治監”
長谷川きよしの周辺
盲導犬ロボットと点字印刷
『山あげ祭』
”裁判”(傍聴のすすめ)
”鍵と錠”
『皇居』
走らないオリエント急行
入墨と刺青
CFづくりのウラ
旅するテント劇場
”刑務所”
番外編「田中邸」
【感想】
そのイラストはまるでその空間を箱庭を覗くかのような気持ちにさせる。
タイトルが「河童が見た」ではなく、「河童が覗いた」となっていることに納得。著者は当然この視点では見学していないはずで、よくここまでこのイラストを描けるものだと驚嘆。文字まで遠近法で書かれているこだわりには見ているこちらもにんまりしてしまう。
この本はイラストを眺めるだけでも価値がある。
文章も著者のことばに対する敏感さ、目の前のものに対する受け止め方や視点の鋭さが伝わってくる。
昭和55年ごろに出版されたものだが、その時代を感じさせるテーマもあれば、今も変わらないであろうテーマもある。
印象深かったテーマは明治時代の監獄を扱った”集治監”と現代の”刑務所”、『山あげ祭』、『皇居』、入墨と刺青。
体験したことがない世界を垣間見ることができた。 -
これは、日本のタブー・・・矛盾的なとこをついていて、私にとっては驚きの連続でした。
北海道の開拓史についてもこれで初めて知りました。
ですが、暗さをあまり感じさせず、河童さんならではの、文章の味付けによっておいしく読めるようになっています。 -
「河童が覗いた」シリ−ズ第2作。今回は最初から出版を意図された凝った作り。前作の倍以上字が小さくまた細かくなり、恐ろしく読むのに時間がかかります(泣)。内容は京都の地下鉄工事、北海道の集治監、入墨と刺青など、河童さん独自の観察眼(「見慣れているから見落としたもの」、「近付けないから見ることができなかったもの」)が際立っています。
ルーペを覗きながら描いたという見開きの皇居全図は、圧倒的かつ変態的にすごいです。