河童が覗いたヨーロッパ

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 163
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103568049

感想・レビュー・書評

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  • 高校時代から気になりながら読んでいなかった妹尾河童。やはり私の好きなテイストでした。ソ連、西ドイツの時代で、日本も随分変わっただろうが、当時の諸外国の安宿の様子は旅人気分、タイムトリップ気分でワクワクする。

  • 昔文庫で持ってましたが、単行本で読み直し。イラストの部分など、やはり大きめの絵の方が良いですね。今となっては少々情報は古いものの、やはり読んで(眺めて)面白い一冊です。ただ個人的には「ヨーロッパ」よりも「インド」の方が楽しめたかな?

  • 河童さんに出会った本。幅広く物を見るということを教えたもらった。

  • 「河童が覗いた」シリーズ第1作。ヨーロッパ編は発表を予期していなかった作りなので、以後の作品に比べてどこか隙があり(字も大きい)、何だか微笑ましいです。どのページもその天才的な観察眼と「面白がる精神」、常軌を逸したマメさ緻密さに基づいて作られていますが、特に国際列車の車掌さんたちの比較は絶品、そして永遠と続く安宿の間取り図が最高です。

    個人的には、あまりに河童さんと字体と自分の字体が似すぎていて怖いです(笑)。

  • この本で妹尾河童にはまりました。

  • とにかくスケッチが秀逸。これほど日常の細やかな目線で物を描くというのは、素晴らしいと思います。旅をする上でのバイブルです。

  • 無人島にどれか一冊持っていけるとしたら、迷わず選ぶ一冊。河童さんが宿泊したホテルの部屋の見取り図を主に、各国の鉄道の車掌さんの制服や、シャトーの精密なスケッチまで、まるで自分が本当に旅したような気持ちになれます。小さい頃から現実逃避したいときに眺めていたような気がします。時刻表で擬似旅行も好きですが、これもぜひ!

  • 観ても読んでもどっちでも楽しめる凄い本。
    「微に細にわたる」という言葉がよく似合うまでの書き込みよう。
    建築はもとより、時間の感覚や部屋の間取り、各国の家の窓にみられる各国の気候ごとの工夫など、「一括りにされやすいヨーロッパだけど、実際はここまで違うんだぞ!!」と、筆者はそう語っていないのに、それを楽しく痛感する本。


  •  「読書に縁のない小学生たちの食いつきがよかった本」。二冊目。
     やっぱり妹尾河童さんです。ちょっと時代が古い(70年代)ので、物価・世界情勢などでとまどう場所も多々あるようです。
     また、書籍出版を意図して書かれたものではないので、他と比べると絵が荒く見えてしまうのが欠点。いや、それでも素晴らしい出来なのですけれど!

     一年をかけて、ヨーロッパ22カ国をめぐった旅行記は、泊まったホテルの部屋の見取り図のみならず、車掌さんのいでたち、街角の建物の窓、人の考え方などの多岐をめぐって展開されます。
     小学生たちが受け入れる理由の一つには、「押しつけがましくない」「お説教くさくない」ということがあるようです。また、見たもの、思ったままが子どものように素直に綴られているので、余計に感情移入がしやすいよう。
    「場所が変われば、考え方も暮らし方も変わる」。そんな当たり前のことが、じわじわと心に染み込んでくる一冊でもあります。音読教材としても活用中。

  • 舞台美術屋、妹尾河童氏が覗いたヨーロッパ旅行記。手書きの文章とイラスト、細かい描写と観察眼に本当にヨーロッパ一周した気になれる本当に凄い1冊。文庫1冊で旅ができるスグレモノ。永遠の愛読書。

著者プロフィール

妹尾河童
1930年神戸生まれ。グラフィック・デザイナーを経て、1954年、独学で舞台美術家としてデビュー。以来、演劇、オペラ、ミュージカルと幅広く活躍し、「紀伊國屋演劇賞」「サントリー音楽賞」など多数受賞する。また、エッセイストとしても、『河童が覗いたヨーロッパ』『河童が覗いたインド』などの大人気シリーズで知られている。著書多数。『少年H』は、著者初の自伝的小説で、毎日出版文化賞特別賞受賞作である。

「2013年 『少年H(下巻) (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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