カタストロフ・マニア

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著者 : 島田雅彦
  • 新潮社 (2017年5月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103622093

作品紹介

このまま黄昏れちゃっていいのか、人類。強靭な想像力が照らし出す、我々の未来。2036年、治験のため入っていた病院で目覚めたシマダミロクは驚愕する。何しろそこには、誰ひとりいなくなっていたのだから――。太陽プラズマの放出、感染症の蔓延、そしてAIの専制が世界を脅かすなか、彼は「大淘汰」の流れを止めることができるのか。来るべきディストピアを見据え警鐘を鳴らす、純文学×SFの到達点!

カタストロフ・マニアの感想・レビュー・書評

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  • コロナが地球にふりそそぎ文明が壊滅し、人為的なウィルスのはびこり出した東京での生き残りをかけた若者たちの高圧的な政府への反抗。しかし待っていた相手は意外なものだった。面白くサクサク読め、しかも最後には考えさせられました。何事もなくてもリアルな私たちを待っているのはそれかもしれないと。

  • 絶望すると誰もが持ってしまうカタストロフ願望だが、実際はそんなに単純ではないと戒めてくれるすばらしい物語だった。生きるとは何かを考え直させてくれる好著。

  • 自分の中でこの世の終わり的な想像が拡張し、生き長らえるなら、やはり田畑と水、無線通信を扱えること、同じく生き延びてかつ生きる希望となる仲間が必要だと思いました。

  • シマダミクロは新薬の治験で冬眠させられたが,目が覚めたら世界が一変していた.太陽のコロナ質量放出で電源は壊滅,さらにボトルネック病が蔓延していた.人が消えた東京をさまよったミクロは目黒の家にたどり着いたが両親はいなく,書置きがあって状況を何とか把握できた.父が残した旧式の無線機で情報収集をするが,短波のマドンナことエオマイアから放送を聞いて,人口を強制的に減すことを考えている輩の存在を知る.何とか以前住んでいたムジナ坂にたどり着いたが,話が大きく展開する.特異なキャラクターが次から次へと登場する.モロボシ,ジュンコ,ヒロマツ,モリ・リンタロウ(菊千代)等々.黒幕が潜むシェルターに侵入して数名を救出するが,バイオ人工知能で生き残った人たちの洗脳されている感じだ.何とも奇想天外なストーリーだが,黒幕とされる無能な政府や官僚たちの言動が出てこないのが,少し残念だったが,楽しめた.

  • 思想と娯楽の二層構造。

  • 怪しい治験・・・こういう設定好きー
    途中の自給自足的生活の描写もなかなか良いが、全体的にもう少し緊張感がある方が好み。読むのにちょっとダレた。
    人物の魅力はいまひとつ。特に女性の登場人物がなんかみんな浅い感じだった。すずへの執着は直感的なものなんだろうな。
    菊千代のことも意外とあっさり。

    で、やっぱり人類補完計画なんだなw

  • 病気や天変地異で崩壊に向かう世界に生き残った人たちが・・・というストーリー。主人公の無敵属性や、登場人物たちが淡々としすぎていて危機感が無く、定番のゾン◯も出て来ないため、話に緊張感が無い。中二病的ディストピア小説という感想。

  • 30年以上前の春。大学生協の主催する講演会なるものに行ってみた。田舎から東京にきたばかりで、金もない。家から大学までは定期があるから、余計な金はかからない。『優しいサヨクのための嬉遊曲』というなんとも持って回ったような小説で文壇デビューした島田雅彦が壇上にいた。ぼそぼそ何を喋っているのだか、わからない。色白の不健康そうで、いかにも文学でございという男前だった。上京したばかりで、東京ネイティブの喋り方は女性っぽく、それでいて早口で聞き取りにくかったからかもしれない。
    芥川賞落選6回というキャリアからもわかるように、氏は30年以上も、第一線で活躍し続けている作家だ。受賞歴ではなく、落選歴で有名な氏が現在、芥川賞の選考委員であることでもわかるように、純文学系でずっと走り続けるのは大変な事なのだ。世代の旗手などと褒めそやされ、今では文庫本もおろか図書館でもお目にかかれない消えた作家は数多くいる。
    食わず嫌いだった氏の作品で最初に手に取ったのが『傾国子女』だった。それ以来、氏のファンだ。反米だが、親中と媚びるわけでもないスタンスに共鳴する。デビュー作のタイトルではないが、氏はサヨクである(左翼ではなく)。
    右か左か真ん中か。次の衆院選挙で問われても、真ん中と左のカードは激レアで、選びたくても手に入らない。手を突っ込んで引いたカードはどれも代り映えのしない右ばかりで、絵札が男か女くらいしか違いがない。だから、左翼ではなく、サヨクなのだと自覚して、斜に構えてみるのだ。

  • どこかで見たような話も多いけど、飽きさせずに話がスイスイ流れていきます。最後伏線が回収されて、やや哲学的な考えが巡らされ、穏やかに終わります。
    話を要約してるので、気軽なのが良いところ。
    宮部みゆきさんなら細かく書いて3倍くらいの長編になるのだろうなぁ。

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