小林秀雄の流儀

著者 : 山本七平

• 新潮社 (1986年5月1日発売)

作品紹介・あらすじ

多くの名評論を世に問うた巨匠の真髄に迫る。小林秀雄の処世や流儀をこまかく分析しながら彼の本質を明らかにする。

感想・レビュー・書評

[tomonobumasudaさんの感想 · 2015年1月6日]

奇しくも「満州新聞」に掲載されていた文芸講演会原稿が発見された、と本日報じられた小林秀雄。

その生き方の秘伝に、空気の研究などの山本七平が「小林秀雄は死んだ。会うことは 永久にないし、この文章をよむこともな い。それでよいのであろう。」と立場を明らかにした上で迫る一冊。

本書にあった、小林秀雄の大戦時への回顧を以下に引用してみる。

---僕は政治的には無知な一国民として事変に処した。黙つて処した。それについて今は何の後悔もしていない 僕は無知だから反省なぞしない。利功な奴はたんと反省してみるがいいぢやないか

[nakaizawaさんの感想 · 2012年8月28日]

(1992.02.28読了)(1986.05.29購入)

☆山本七平さんの本(既読)
「日本人とユダヤ人」ｲｻﾞﾔ･ﾍﾞﾝﾀﾞｻﾝ著、角川文庫、1971.09.30
「比較文化論の試み」山本七平著、講談社学術文庫、1976.06.30
「勤勉の哲学」山本七平著、ＰＨＰ研究所、1979.10.31
「日本資本主義の精神」山本七平著、光文社、1979.11.05
「聖書の常識」山本七平著、講談社、1980.10.01
「一九九〇年の日本」山本七平著、福武書店、1983.06.30
「人望の研究」山本七平著、祥伝社、1983.09.25
「帝王学」山本七平著、日本経済新聞社、1983.11.25
「「色即是空」の研究」山本七平・増原良彦著、日本経済新聞社、1984.10.25
「派閥」山本七平著、南想社、1985.05.15
「指導力」山本七平著、日本経済新聞社、1986.01.24
「参謀学」山本七平著、日本経済新聞社、1986.11.20
「経営人間学」山本七平著、日本経済新聞社、1988.01.22

著者プロフィール

1921年、東京都に生まれる。1942年、青山学院高等商業学部を卒業。野砲少尉としてマニラで戦い、捕虜となる。戦後、山本書店を創設し、聖書学関係の出版に携わる。1970年、イザヤ・ベンダサン名で出版した『日本人とユダヤ人』が300万部のベストセラーに。
著書には『「空気」の研究』（文藝春秋）、『帝王学』（日本経済新聞社）、『論語の読み方』（祥伝社）、『なぜ日本は変われないのか』『日本人には何が欠けているのか』『日本はなぜ外交で負けるのか』『戦争責任と靖国問題』（以上、さくら舎）などがある。

「2020年 『日本型組織　存続の条件』 で使われていた紹介文から引用しています。」