家裁調査官・庵原かのん

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  • 新潮社 (2022年8月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784103710165

作品紹介・あらすじ

警察でも裁判官でもない私たちには「聴く」ことしかできないけれど――。家裁調査官は「臨床の専門家」として生身の人間を扱い、罪を犯した者たちと向き合うのが職務。少年係調査官として働くかのんは家庭や学校、友人との問題等で荒んだ少年少女たちの“声なき声”に今日も耳を傾ける。更生の可能性を信じて――。ひたむきな女性調査官が奔走する姿を描く連作短編シリーズ誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 家裁調査官の仕事は、「聴く」ことが仕事。
    福岡家裁北九州支部の少年係調査官である庵原かのんは、ひたすら少年少女や親たちと面会を繰り返す。

    そして、どうして罪を犯すことになったのか、反省しているのか、などを聞き取るのである。

    生まれ育った環境や生活の様子、親の子に対する考え方、確かにさまざまである。
    何が正解で、罪を犯すのを防げるのか…
    難しいことだと思う。
    子どもの性格を把握している親がどれだけいるのか…とこれも気になった。
    ほんとうにいろんな子どもたちがいて、いろんな親がいて…でもひたすら「聴く」しかないのだなと感じた。
    ただ、ひたすら駆けつけ耳を傾ける庵原かのんを子どもたちは必要としているのかもしれない。

    • なおなおさん
      湖永さん、こんばんは。
      読まれたのですね!いいな⁰̷̴͈꒨⁰̷̴͈
      乃南アサさんが好きで読みたくて、図書館に予約して3ヶ月待っております。あ...
      湖永さん、こんばんは。
      読まれたのですね!いいな⁰̷̴͈꒨⁰̷̴͈
      乃南アサさんが好きで読みたくて、図書館に予約して3ヶ月待っております。あと50人待ちです…(買えよって^^;?)
      2023/01/15
    • 湖永さん
      なおなおさん こんばんは。

      コメントありがとうございます。

      久しぶりの乃南アサさんでしたが、難しく感じる職業にも関わらず柔らかさや優しさ...
      なおなおさん こんばんは。

      コメントありがとうございます。

      久しぶりの乃南アサさんでしたが、難しく感じる職業にも関わらず柔らかさや優しさも感じられました。
      ぜひ読んでみてください。
      また、違った思いがあるかもしれませんが、楽しみにレビューを待っています。
      2023/01/15
    • なおなおさん
      湖永さん、こんばんは。
      お返事をありがとうございます。
      恥ずかしながら家裁調査官という職業について無知なので、読むのが楽しみです(^^)
      湖永さん、こんばんは。
      お返事をありがとうございます。
      恥ずかしながら家裁調査官という職業について無知なので、読むのが楽しみです(^^)
      2023/01/16
  • いろいろなケースがありました。

    事件が起きる前に、その人を理解しようする大人が近くにいたり、受けられる支援等を知る機会があったりしたら、もう少し生きやすくなっていたのかなと思いました。

    やり直せるチャンスがある世の中であってほしいです。

  • 福岡家裁北九州支部の家庭裁判所調査官・庵原かのんが、少年たちと向き合っていく連作短編集。

    問題が完全に解決しないまま話が終わることが多く、最初は、すっきりしないものが。

    罪を犯した者は、長い時をかけて自分の罪と向き合うもの。
    短編集で描かれる、ちょっとした時間で、何もかもが解決するわけではないのが、リアルなんだろう、とだんだん思うように。

    調査官として少年たちと向き合う中で、気づきや、変化をとらえていくお話。

    かのんの誠実さは心地よいし、少年たちが前向きに変化していくのもよかった。

    新シリーズ、とのことなので、今後も続編がありそう。

  • 罪を犯してしまった少年少女の話を聞き、家庭の事情や様々な背景を読み取り、更正の道を探る家裁調査員の物語。短編連作なので読みやすかったが、話はそれなりに重い。少年少女が果たして更正していくのがどうかは描かれていないので、立ち直ってくれることを祈るばかりだ。


  • 九州を舞台に家裁調査官・庵原花音が、
    少年たちの心の声に耳を傾け、問題の根っこを
    探り出そうと全力で奔走する物語。

    登場人物たちの息遣いを感じる生き生きした
    町の描写、九州の美味しい食べ物と少年たちを
    ひたむきに支える人たちの存在が、言い表せない
    悲しみやもどかしさを抱えた少年たちに物語を
    温かみを与えてくれます。

  • 聞き馴染みのない職業ですが、裁判所に努めていて主に少年犯罪に関する聞き取りや、生活環境の調査をするようです。
    犯罪行為を犯してしまった少年たちが正しい道を進めるかを見守る話で、結構題材としては地味な感じがしますが、あえて感動のドラマみたいなものをそんなに盛り込まない辺りがやはり上手いなあと感じました。
    淡々としているので初速は冴えませんが、読み終わってみると地味というより滋味のある物語だなあと。
    少年たちが必ずしも全員いい方向に行くわけでは無いし、そもそも彼らは要所要所で話を聞いて軌道修正する人たちなので、もっと具体的に非行少年に関わる人たちの方が、ドラマは生まれやすいはず。しかも更生した後会うわけでもないので、また犯罪でもして再会しない限りは会う事も無い。結構報われない職だなとも思います。
    こういう目立たないけれど重要な仕事ってこういう本で知ること多いです。

  • 乃南アサさんの本は17冊目ですが、しばらく読んでいなかったので、7年ぶり。


    警察でも裁判官でもない私たちには「聴く」ことしかできないけれどー。
    家裁調査官は「臨床の専門家」として生身の人間を扱い、
    罪を犯した者たちと向き合うのが職務。
    少年調査官として働くかのんは
    家庭や学校、友人との問題などで荒んだ少年少女たちの声なき声に今日も耳を傾ける。
    更生の可能性を信じてー。
    ひたむきな女性調査官が奔走する姿を描く連作短編シリーズ誕生!
    (書籍紹介より引用)


    乃南アサさんご自身が、2014年から2期、東京家庭裁判所・家裁委員会の委員を務められたことがこの小説へと繋がっているそうで、取材に2年以上、執筆に7年かけられた小説。


    韓国ドラマ『未成年裁判』を視聴した後なので、ちょっと興味がわいて読んでみることに。
    ドラマ『未成年裁判』は凶悪な少年犯罪が取り上げられていたので当然、刺激的だったが、この小説では、より私たちの日常に近いところでの出来事が「事件」へと繋がっていく。
    世間を騒がせるような凶悪犯罪ではないけれど、少年少女たちにとっては、この上なく大きな出来事で。
    私自身がこれまで無関心でいたことに、少しだけど目を向けられたような気がしているのだが…


    書評家の池上冬樹さんが近年の連作短編集について以下のように述べられていた。
    「ここ数年のことだが、短篇連作が少しずつ変わってきているのではないかと思うようになった。
    海外の連続テレビドラマの影響をうけてか、ひとつひとつの短篇で物語が決着するのではなく、次回以降に話が続いていて、連作全体で完結するような作りが増えて来てるような気がする。
    連作やシリーズと言うよりも、シーズンという名称の方がぴったりくるような物語と人物展開が増えてきた」


    ”連作短編が連続テレビドラマのように”というのは、確かにそうかもしれない…、と思う。
    ドラマでよく使われる”シーズン”がまさにピッタリだ。

    この小説も”連続テレビドラマ”のような感じで、シーズン2では主人公の庵原(いおはら)かのんは新たな勤務地に赴くことになっているようだ。


    「家裁調査官」を描いた小説と言えば…
    柚月裕子さんの『あしたの君へ』がある。
    主人公は研修中の家庭裁判所調査官”家裁調査官補”で親しみを込めて”かんぽちゃん”と呼ばれている青年。
    こちらもシリーズ化を期待しているのだけれど…

    最近、連作短編がとても増えていると感じている。
    ”活字離れ”、”本離れ”と言われる昨今、長編よりも短編の方が手に取りやすい…?
    そんなことも関係しているだろうか…?

  • 2冊続けて、福岡に異動になった主人公の小説を読んだけん
    頭の中が博多弁に。

    さて、「人間は三歳までに一生分の親孝行をしてる」と言います。
    そのくらい、可愛いんですよね。
    自分の子じゃなくてもカワイイと思う。

    そしてよくテレビで変な芸人見て
    「この人たちにも可愛い頃があったんだわ、きっと」
    と思うと優しい気持ちになります。

    この本に登場する少年たちも…。
    きっとすごく可愛い頃があったはずなのに
    育て方のせいでこういうことになってしまったのですよね。

    連鎖かもしれないけど、産み育てるときは
    ちゃんとしてほしいと思いました。

  • 少年犯罪、貧困、毒親、虐待、障害……様々な理由で問題を起こし、家裁を訪れる少年少女や保護者たち。
    少年係調査官である庵原かのんの仕事は「臨床の専門家」として、彼らの“声なき声”に耳を傾けること。
    家庭や学校、社会が抱える問題にぶつかりながら、かのんはどんな人間に対しても諦めず、生きる力を信じて正面から向き合う――。

    一人の若き調査官を通して〝家庭〟の在り方を問い、救済を描く感動作!

    小説とは言え酷い親の多いこと!
    一人の人間を育て上げるのは大変だと改めて思う。
    ゴリラ飼育員の彼氏が良い味出している

  • 全然スカッとしない。ある意味リアルだ。「どんなに頑張っても、家裁調査官の仕事はここまでだよん」と突き付けられたようだ。北九州市で家裁調査官として働く庵原かのん。真摯に仕事に向き合うかのんのケーススタディ7編。良書の類には違いないのだけれど、そんなに面白くない。ページが進まない。どの話も問題提起はしてあるもののさほど解決してないから読み物として楽しめない。キャラも悪くはないけど普通で際立ってない。似たような題材なら岩井圭也さんの『付き添うひと』柚月裕子さんの『あしたの君へ』の方が個人的には面白かった。

  • 星3.5
    新シリーズらしい。
    最初、家裁調査官にまつわるもろもろの解説が続き、なかなか入り込めない。複数の事件も同時進行し、整理しづらかったのだが、後半から乗ってきた。
    明らかな猥褻行為と、単なる物を拾う行為が同じように犯罪として裁かれるのは、ちょっと納得がいかないところがあった。作者が悪いのではなく。

  • タイトル通り、家裁調査官をしている庵原かのんという若い女性の物語。
    家裁調査官とは、かなりかみ砕いて言うと、罪を犯した人と裁判所との橋渡しをする役目らしい。
    この本では、主人公のかのんは未成年の案件を扱っている。
    彼らとその周囲の人間ー家族に聞き取りをして実情を知り、それを裁判所に上げる。

    罪を犯した未成年の少年、少女にはそれぞれの事情がある。
    万引きをする少年、自身も売春をして周囲の少女にも売春斡旋する少女、わいせつ行為をする少年、拾得物違法でつかまった少年・・・。

    読み終えて、見事に最初の方の話は忘れていた。
    それくらい私にはひっかかりがなかった。
    何となく表面上の事をさらっと書いてるという感じがする。
    タイトルにもなってるくらいだから主人公が個性的かと思えばそうでもない。
    ただ、一生懸命仕事をしている、普通にいい人だという印象。
    もちろん、それはそれで素晴らしいんだけど、物語としてはどこか面白味に欠ける。
    むしろ、主人公の周囲の人の方が個性的だと思う。
    動物園でゴリラの飼育係をしている婚約者や役者をしている弟。

    罪を犯した方の話もどこかで聞いたような話で・・・とにかく印象に残らなかった。
    家裁調査官とはこういう仕事でこんな事をしているとうのを見せてくれる話ではあった。

  • 家裁調査官という仕事があると初めて知りました。未成年者が再び犯罪者にならないことを第一に原因を見つけていく。罪を償わせると同時に必要なことかもと考えさせられました。

  • 家裁調査官のかのんを主人公に、色々な事件を起こした少年たちに寄り添い話を聞くスタイルで物語は進む。
    どの事件も読んでいてつらく思えるし、その後少年たちがどうなったのか、更生して明るい未来へと進めるのか、それがとても気になる。
    でもかのんの職務を通してではその先を知ることができない。なのでそれぞれの事件に接する度、モヤモヤした気持ちが残る。

    罪を犯した少年たちを見ていると、親や育った環境というのは本当に大切なんだなぁと思う。普通に育つって案外ハードルが高いのか?とも思えてしまう。
    自分自身が大事で子どもに目を向けない親、子どもの発達障害に気付かない親、そして子どもが罪を犯しても気にもしない親…。それに振り回される子どもばかりで読んでいて悲しくなった。
    もちろんこれは物語なので現実とは違うかもしれないけれど、実際こんな風に育てられてしまっている子どもたちもいるのだろうなというリアリティがある。
    罪を犯した子どもたちが世の中のルールを知り、誰かひとりでもいいから人を信じることができるようになって、そして何より自分自身をしっかり大切にできるようになっていて欲しい、そんなことを強く思う。

    帯に新シリーズとあったからまた続くのかな。最後唐突にかのんの弟が出てきたし、恋人の栗林との関係もどうなるのかも含め、今後の展開が楽しみ。
    大変なお仕事だけど、頑張れ、かのん!

  • 家裁の調査官って、こんな仕事をしてるんだ〜と、家裁の人を初めて読んだ時と同じようなヘェ〜という感想を持った。

    様々な案件に向き合い続けなければいけない家裁の人。
    それぞれのケースも、架空のものであろうけれども、ありうる程度の真実なんだと思う。
    読んでいて、自分がASDなんじゃないか?と思い当たることがありセルフチェックをしてみたら可能性ありと出た。
    しかし今更そういわれてもと思い、そんなものかなと思うことにした。

  • 題材が好みではなかった。
    家庭環境が普通の非行少年がいても良いのになとも思った。

  • 乃南アサさんの本は久々に読んだ気がします。

    家裁調査官が主人公の短編連作。
    やっぱりさすが…冒頭は家裁調査官の説明で少し入り込みにくかったですが、進むにつれ惹き込まれました。

    最近重めのストーリーは疲れるので…読む前はタイトルから陰鬱なストーリーだとしんどいなと思っていましたが、7つの短編連作が良かったのか(内容はそれぞれ大きな問題はありますが)それぞれのケースが淡々と描かれていて、思っていたより読みやすかったです。
    現実はここまで甘くないと思いますが…『傾聴』は大事ですね。

    ひたむきに少年少女と向き合って良い方向に導く主人公、庵原かのんもさわやかでしたが、動物飼育員のクリリンが要所要所で良い味出してました。

  • 家裁調査官として働く庵原かのんが受け持った7人の少年の物語。事件を起こして家庭裁判所へ送られてきた少年を巡る家族と少年を観察するかのんの物語。「パパスの祈り」は父親は日系ペルー人、母親はフィリピン人である15歳のミゲル。
    学校でも優等生である日本語も堪能な彼の苦悩。
    普段外国籍の子供達と接しているだけにとても身近な問題と感じた。「アスパラガス」は最近増加傾向にある発達障害の少年の話。
    いかに生きづらいかと想像される。

  • 子供の非行や犯罪って
    結局のところ
    全部周りの大人たちが悪いってなってしまう。

    まずその大人をサポートできる
    世の中にならんとな~。

  • 家裁調査官という仕事があることを初めて知りました。罪を犯した少年少女の様々な家庭環境…。「聴く」ことしかできないと言うけれどそれだけでこんなにも助けになる。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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