- Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103737155
作品紹介・あらすじ
奈良時代、二度も皇位についた偉大な女帝がいた。著者渾身の本格歴史小説。「女に天皇は務まらない」と言われながら、民のため、国のため、平和の世のために生きた孝謙称徳帝。遣唐使を派遣し、仲麻呂ら逆臣の内乱を鎮め、道鏡を引き立て、隼人を傍に置いた。一人の人間として、女性としての人生も求めた女帝の真の姿とは。突然の死と秘められた愛の謎を和気広虫ら女官たちが解き明かす、感動の歴史大作。
感想・レビュー・書評
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切ないです。
女帝は現代では、評価されてないですよね。
唯一の女性の皇太子。
昔は人権なんてなかったから仕方ないのかもしれないけど。
この国で一番上の地位にはついたのに。
切なかったです。 -
天平期の女帝 孝謙•称徳天皇について、主に側近の和気広虫の視点から書かれた作品。
孝謙称徳女帝に関して、著作によっては我儘娘や悪帝と記すものがある中、平等に書かれる姿勢が印象的であった。玉岡さんは特定の人物を悪く書くことがなく、変に悪印象を受けずに読めた。
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この時代のお話はあまり読んだことがなかったので新鮮だった。中継ぎとしての女帝でなく皇太子として立てられ、即位して孝謙天皇、重祚して称徳天皇。そのそば近く仕えた女官の目を通して描かれる女帝の物語。
頼りになる年上の男性に恋する乙女であった彼女は、大きな挫折も味わいながら、やがて男だけに政治をまかせるのでなく、女性も共に手を携えてやっていこうという理想を持つに至る。僧である道鏡を重用した女帝だが、その真の思いとは。 -
自分の勝手なイメージで聖武天皇は素晴らしい!なんてね
正倉院展観に行くと文化の素晴らしさにやられちゃう
それで続く孝謙天皇もいいかもーって
この辺りの時代は身内の争いがすごいって
分かってたんだけど
その背景で生き抜く女帝像に期待し過ぎたかな
この物語はヒロインである女帝を回想する形で
中心人物はお付きの女官たち
女性を語らせるのはお得意の玉岡節で
主題がきっちりして小気味いい
問題ありありの歴史人物を悪く描かずに
謎を解くようにしていくのはよかった
フィクションはこの辺?と考えながら
史実と比べながら興味深く読みました -
H31/3/6
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天平の女帝、孝謙・称徳。重祚した2回の治世とも、廷臣の専横を招いた女帝。
恋に盲目だった乙女の孝謙期と、全てを慈しむ母性へと変わった称徳期。
彼女の死後の宮廷で、過去を思い出し現在を俯瞰する女官の目線で物語は進みます。
良くも悪くも、一人の愛の行く末に左右された時代だったのだな、と。
彼女の愛の生涯をたどるように進む物語の裏で、暗躍する藤原氏の権力への執着に恐れ戦く。 -
登場人物の名前がややこしくて苦労した。特にカタカナの名前の彼ら。
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孝謙、称徳天皇や道鏡など、歴史の授業などで聞いたことあるなー、というくらいの知識だったけど、楽しめた。
ただ登場人物の名前が難読で覚えにくく、人物相関がわかりにくかった…。
歴史物、ではあるけれど、女性が働くには、など現代とも共通する点もあり、はるか昔のお話が身近に感じられた。
フィクションを交えたあくまでも「物語」なのでこれが真実とは思わないものの、歴史上の人物や事件には色々な解釈の仕方があり、それが古い時代であればあるほど100%の真相がわからないだけに「もしかしたら…」と思わせてくれる、楽しいお話だった。
ただ、後の男性たちが女性天皇を貶めることは大いにありえそう。