花になるらん: 明治おんな繁盛記

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 95
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103737162

作品紹介・あらすじ

名実共にのれんを背負い、皇室御用達の百貨店を目指した女主人の一代記。高倉屋の品といえば皆が信用する、そんな逸品だけを揃えましょう――。京都の呉服商「高倉屋」のご寮人さん・みやびが目指したのは、皇室御用達の百貨店になること、そして世界を相手に日本の工芸美術の素晴らしさを知らしめること。女だてらに積極的に商売を拡げ、動乱の幕末から明治を生き抜いた女性の波瀾の人生を描く大河長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 家付き娘として、夫を亡くしたあと、家業を発展させ、子どもたちを育て上げた女性。
    高島屋の女主人をモデルにした一代記。
    京ことばが心地よい。
    大きく変化する明治の京都で、どう商いをしていくのか。
    広い視野で、日本文化の美しさと、高度な技術をいかした商いをしていく、雅の活躍とがんばりは、読んでいて清々しかった。

  • 913

  • 初読。図書館。玉岡さんが歴史上の女性を主人公に描く小説はたくさんあるけど、これは史実とフィクションのバランスとその境界が溶け合ったような絡み具合がとてもよい。史実に縛られ過ぎて小説の面白さが欠けたり、小説の面白さを求めすぎてかえって本当が嘘くさく感じたりと、難しいのだ。激変する時代の息吹を感じながら、登場人物たちの浮き沈みに心揺さぶられた。映像化はしやすいやろけど、生半可な女優には”ががはん”は務まりまへんで。

  • 呉服屋から大きく成長していく高倉屋の御寮人さん・ががはんの一代記。古希を迎える御寮人さんが昔語りをする形で話が進む。ガガガ!と突き進むががはん。明治初期の京都の雰囲気がわかって面白かった。高島屋をモデルにしているそうで、薔薇の花の由来も書かれていた。今までより高島屋に親しみを持てそう!

  • 高島屋を今のような百貨店のイメージで花開かせる礎を築いたガガはん.いろんな困難にも明るく立ち向かっていくところが,伸びていく明治の時代と重なって、生き生きと描かれています.最後,かわいそうな姪の忘れ形見の成長を知って,本当に良かったと涙しました.

  • 幕末から明治への変化は想像以上のものだったのだろう。
    天守様がおられた都がそうでなくなってしまった京都では特に。
    京都の呉服屋「高倉屋」の御寮さんだった「ががはん」が古希にあたりこれまでを振り返って話すという物語。
    図書館への返却日までに間に合わず途中までしか読めなかったが、朝ドラの「あさが来た」を思い起こさせる内容だった。
    「高倉屋」の話だけでなく、大火で焼け出された多くの人たちの描写は、近年の震災後の様子に通じる。
    時代は何度も繰り返しているのだ。

  • 玉岡かおるさんはこちらのご出身
    だから地元のヒロインが多く大好きだ
    文も読みやすい
    京都が舞台、大阪、神戸
    高島屋創業期
    ただ売るだけでなく文化を広めようと
    奮闘する女性 みやび

    ≪ 包装紙 想いを込めた 薔薇の花 ≫

  • 創生期の高島屋をモデルにした小説。明治期の女性が家業を維持発展させるために奮闘した姿を描く。
    日本の百貨店の創生期を知ることができる小説だ。ものを売るだけでなく、文化を海外に知らしめそれを商売につなげていくというアイディアを明治時代に成し、百貨店という形態の楚を築いた。
    馴染み深い百貨店、また京都を舞台にストーリーは展開していき、日本の近代化の一端を身近に感じることができる物語だ。

  • 関西の大店のおかみさんの一代記。
    読み終わって、仕切りばばあのような女主人公には
    好感を持てませんでした。
    いつも主人公にいらん事してからむ大川屋の
    旦那は、いいやつと思えました。

  • 朝ドラになりそうな題材だなと思った。高島屋を発展させた女主人をモデルにした明治おんな繁盛記。するする読めて楽しかったけれど、もう少しじっくり描いて欲しいと思う所が多々あった。

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著者プロフィール

◎玉岡 かおる(たまおか・かおる)作家、大阪芸術大学教授。兵庫県三木市生まれ、神戸女学院大学卒業。15万部のベストセラーとなった『夢食い魚のブルー・グッドバイ』(新潮社)で‘89年、文壇デビュー。著書には『銀のみち一条』、『負けんとき ヴォーリズ満喜子の種蒔く日々』(以上新潮社)、『虹うどうべし 別所一族ご無念御留』(幻冬舎)などの歴史大河小説をはじめ、現代小説、紀行など。舞台化、ドラマ化された『お家さん』(新潮社)で第25回織田作之助賞受賞。『姫君の賦 千姫流流』(PHP研究所)は、2021年、兵庫県姫路市文化コンベンションセンター記念オペラ「千姫」として上演。2022年5月『帆神』で新田次郎文学賞受賞。

「2022年 『春いちばん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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