淋しい狩人

著者 :
  • 新潮社
3.36
  • (8)
  • (12)
  • (46)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 182
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103750024

作品紹介・あらすじ

通勤電車の網棚から由紀子がふと手にとった一冊の文庫本。頁をめくると、中には一枚の名刺が挾み込まれていた…。本をきっかけに、普通のOLが垣間見た男女関係のもつれを描く「歪んだ鏡」。遺された本から父親の意外な素顔が浮かび上がる「黙って逝った」。そのほか表題作を含め、東京下町の古書店を舞台に本にからむ人間模様を描く連作ミステリー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1993年発行、新潮社の単行本。6編。老人と孫が主人公(狂言回し)という、なんとなくこの作者らしい取り合わせという気がする。大体は犯罪行為を主とした人情噺というところか。本に関する話で統一されているが、主人公は主体的にかかわる話は少ない。特に後半は周りで勝手に状況が動いている。いい話ばかりなのだが、なんとなく残念に感じる。

    収録作:『六月は名ばかりの月』、『黙って逝った』、『詫びない年月』、『うそつき喇叭』、『歪んだ鏡』、『淋しい狩人』、備考:「小説新潮」に1991年6月号から1993年6月号まで断続的な連載を加筆訂正してまとめたもの。

  • 田辺書店に 集まる人達の本にまつわる 人間ドラマですね。
    歪んだ鏡がちょっとこわかった。
    稔くんとなかよしに戻れてよかったです。

  • 久しぶりに読書をしようと思い、手にした本だった。パラパラとめくったところですぐにイワさんと稔の世界に入り込んでしまっていた。読み進めていくうちに「読んだことあるかも」と思い出した。確かに一度、過去に読んだことがある。
    それでもなぜか引き込まれ、過去に読んだ時とは全く違う読後感があった。
    リアルなイワさんと稔のやりとりがとても良かった。謎ときも複雑でわかりにくいわけではなく、すんなりと読み解くことができて、なかなか面白かった。またイワさんと稔に会いたい。

  • いつものとおり、宮部みゆきさんの作品は温かい。イワさん一家の関係がその温かさを醸し出す。
    またイワさんの言葉がいい。人に対してその人の心をほぐすような言葉だったり染み入るような言葉がだったりがかけられるって、業としか思えない。これも日頃から一本筋が通った考え方をしているからこその業だ。

    この一冊は短編集だったが、特に「黙って逝った」は父親の気持ち、息子の気持ちがよくわかった。物悲しいけれどいいお話だった。

  • 何度目の再読かわからないくらいの再読。
    ドラマ化されたものをチラッと見て、「あれ、そんな話だったかな」と思ったので読み返したのだが、まったく別の話じゃないかというくらい違っていた。
    ドラマの方は「淋しい狩人」という作品を中心に、傍観者の罪について描かれていたが、もちろんそんな話はこの原作の方には出てこない。
    そもそも「淋しい狩人」という作品の内容自体が違ってしまっている。
    まるで、ドラマを制作する人たちが勝手に「淋しい狩人」というタイトルから内容を推測し(それは本作の「淋しい狩人」に出てくる犯人と同じ行動である)勝手に話を作り上げてしまったかのようだ。
    そして、再読して改めて思ったのだが、この連作ミステリーは、尻切れトンボだ。稔の恋の行方も中途半端だし、まだこれから続きがあるつもりでいて、そのままになってしまったというパターンなのではなかろうか。

    「淋しい狩人」の作者、安達和郎は、小説に行き詰まって姿をくらました。書けなくなって作品を放り出してしまったのだ。今回再読してふと、この連作ミステリーそのものも、作者の宮部さんが途中で放り出してしまったのではないか、という疑惑が生まれてしまった。
    1993年の発行であるから、すでに20年が経過しているのに、続編が出ていないというあたりが、その疑惑の根拠である。

    主人公のイワさんと稔の関係、稔の両親のあり方が好きなので、できれば続きが読みたいものだ、と改めて思った。

  • 古本屋の「田辺書店」の周辺で起こる事件を少々センチメンタルに描いた短編集。まあまあ面白い。
    主人公のイワさんは、65歳の設定だが、出版年は93年なので20年前の話。現在は85歳の設定になる。イワさんは徴兵経験もある戦前生まれだが、現在は65歳であっても戦後生まれ。この20年の世代間の差は、現代の20年の差よりも大きいのではないかと思える。

  • 知人から借りました。
    これからゆっくり読む予定。

    2012.8.17
    1話、2話を読了。
    2話を読み始めて、「あれ?主人公違うのかな?」
    と思ったけれど、ちゃんと1話の登場人物がでてきた。
    物語自体は各話、独立していて、
    どこから読んでも大丈夫な感じ。

    2012.8.21
    全話読了。
    順番通りに読んだ方がつながりがわかるみたい。
    特にミノル関係のことについて。
    さくさく読めて面白かった。

  • 古書店の雇われ店主イワさんと孫の稔がご近所ミステリーに係わる。
    6月は名ばかりの月:姉の失踪とストーカーの相談にきた女性だが、実は姉の財産を横取りする殺人事件の犯人だった
    黙って逝った:ぽっくりと逝ってしまった父の残した300冊の同じ本。自費出版された「旗振りおじさんの日記」に書かれた個人の秘密を謎解きする
    詫びない年月:柿崎のおばあちゃんは取り壊された家の地下から発見された防空壕とその遺体の経緯を一人で化抱えて死のうとする
    うそつき喇叭:男の子の身体に虐待の傷跡を見たイワさんは、母親と担任教師にわけを尋ねる。虐待の犯人はうそつき喇叭の物語に以上に反応した教師だった
    歪んだ鏡:古本に挟まれた名刺のわけを探るOL。名刺は工務店営業部の男が販促のために古本に挟み込んだもので、その男は会社の金を横領し、無理心中する
    淋しい狩人:未完成の推理小説を残したまま失踪した小説家。その小説を完成させるとして次々と殺人を犯す犯人。ところが失踪していた小説家が名乗りを挙げて会見し、犯人の描く小説の筋を間違いだと断言する。犯人は逆恨みしてイワさんに迫るが、逮捕させる

  • 古本屋を営む祖父と孫。連作。

    再読。
    …宮部さんは老人と子供の組み合わせが好きだよな。笑。
    しかしさすがだ。面白い。

  • イメージ参照(http://blogs.dion.ne.jp/kentuku902/archives/6307009.html)
    (収録作品)歪んだ鏡/六月は名ばかりの月/黙って逝った/詫びない年月/うそつき喇叭/淋しい狩人

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

宮部みゆきの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×