ソロモンの偽証 第II部 決意

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 4311
レビュー : 562
  • Amazon.co.jp ・本 (715ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103750116

作品紹介・あらすじ

騒動の渦中にいるくせに僕たちは何も知ろうといなかった。けど、彼女は起ちあがった。校舎を覆う悪意を拭い去ろう。裁判でしか真実は見えてこない!彼女の覚悟は僕たちを揺さぶり、学校側の壁が崩れ始めた…気がつけば、走り出していた。不安と圧力の中、教師を敵に回して-他校から名乗りを上げた弁護人。その手捌きに僕たちは戦慄した。彼は史上最強の中学生か、それともダビデの使徒か-。開廷の迫る中で浮上した第三の影、そしてまたしても犠牲者が…僕たちはこの裁判を守れるのか!?

感想・レビュー・書評

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  • 面白い!
    話題作の中盤です。
    事件はⅠ部で次々に起きて、関連があるのかないのか、噂が飛び交う状態でした。
    真相が解明されないままに蓋をされそうになり、下手すれば別な犠牲者も出かねない事態に。

    中学の裏庭で、あまり目立たない生徒だった柏木卓也が発見された。
    投身自殺と思われ、いじめは疑われますが、はっきりはしない。
    ところが、不良グループの大出俊次が柏木を落とすところを見たという告発状が‥そして?!

    藤野涼子は、夏休みに学校で模擬裁判を開くことを考え、提案します。
    北尾先生は、応援してくれたのですが。
    高木先生は優等生の反乱という目で怒り、生徒の面前で言い合いになって‥
    涼子は両親にもよく相談して、いろいろな場合を想定した上での行動でした。
    北尾先生の指導の下の課外活動として、許されることに。
    頭が良くて、りりしい涼子はカッコイイ!
    とはいえ、最初は陪審員役の生徒たちもろくに集まらないのですが‥

    涼子は、疑われたままの大出の弁護人を買って出ようとしていました。
    そのつもりで大出の家にも行きますが、いろいろあって検察側にいくことに。
    大出の父親は攻撃的で、札付きの不良の俊次もまったく頭が上がらない状態と知ります。
    親が放任状態なため、俊次のアリバイを確認するのは難しい。
    告発状を書いた人は名乗り出るように連絡を回すと、望み薄と思われた反応が。

    弁護人は、他校生ながら柏木と塾で友人だったという神原和彦に。
    弁護側の助手に名乗り出た野田健一は、涼子の手助けをしたかったのですが。
    気が弱い野田ですが、じつはやれば出来る男子?
    大人しそうだが冷静で、どこか変わっている神原に感心したり、やや不審を抱いたり。
    超然としていた柏木とも、神原は似たところがありました。
    涼子の親友の古野章子は、裁判には関わらないと明言、涼子にもやめるように言っていました。神原と野田の聞き込みにも反発しますが、やがて協力的に。
    夏の間に、正義の味方と思われて、神原と野田の人気は上がっていきます。

    探偵社の河野は、生徒たちの行動に好感を持ち、かげながら協力的な態度。
    告発状の内容を信じて噂を報道したテレビ局の茂木は、ミスに気づかされ、学校内裁判に興味を持ちます。
    警察は生徒たちの知らない何かを追っている。はたして‥?

    実は掟破りでⅡ部を先に読みました。
    図書館で先に来てしまったため。
    Ⅰもあと少しで来そうなので、迷いながら待ってたんですが。改めて予約しなおすと、Ⅱ部を読むのが1年後になりかねなくて。それじゃあまりにも覚えてなさそうでしょ‥書評であらすじをざっとチェックして、Ⅱ部からでも大丈夫そうかなと見当をつけて。
    Ⅱ部は裁判を始めるいきさつと、その課程が主なので、すごく面白い部分です。
    いろいろな立場の思惑や、周りがだんだん協力するようになっていく様子がありありと描かれています。
    このすぐ後にⅠ部を読んで、ああこの事はあの人はⅡ部になっても知らないんだ‥とわかった部分があり、それも一興でした。
    Ⅲ部からいきなりは無理ですけどね!

  • 第Ⅱ部 決意 715p

    柏木卓也はどうして死んだのか
    自殺したなら、その理由は? 他殺なら殺したのは誰か?
    告発状は本物だったのか?
    真実を語っているのか? なぜあんなものが登場したのか?

    ただ真実を知りたい! 教師もマスコミも、誰もあたしたちには真実を教えなかった
    いろんなことを聞かれて、書かれて、憶測されて、確かなことを教えてもらえないまま、あなたたちは知らなくていいことですって、冗談じゃない!

    藤野涼子が動く!
    「あたしたちで真実をつかもうよ」と呼びかけ、学校内裁判を開くことを提案

    大出俊次が不良だから、札付きだから、性根が曲がっているから、本人も平気の平左なように見えるからといって傷ついていないということはない。だから殺人の濡れ衣を着せられていいはずがない
    真実は、明かされるべきだ

    デタラメな告発状をでっち上げた嘘つきの三宅樹里
    自分は嘘つきじゃないと抗弁する機会は、全く与えられなかった
    それこそが学校内裁判の法廷でなされるべきだ

    判事、廷吏、弁護人、検事、陪審員とメンバーが決まり、裁判に向けて、各関係者への事情聴取や供述調書の作成等の準備が進む

    その中で、他校の生徒でありながら、弁護人を買って出た神原和彦とは、何者なのか?
    柏木卓也とは、塾友達ということだが、彼が時おり見せる対岸を見てきたような目
    砂漠を彷徨っている幽霊のような表情

    なぜ弁護人になった?という問いに対して
    「責任があるからです」
    と答える 彼の言う『責任』とは何なのか?

    想像は膨らむが、第II部で、その結論が明かされることはなかった

    第Ⅱ部も宮部みゆきさんの罠にどっぷり絡め取られ、この本から離れられなくなってしまった
    あまりの面白さに、家事もそこそこにページを捲る手が止まらなかった

    第Ⅲ部はいよいよ学校内裁判、どんな真実が明かされるのだろう


  • 1巻の内容を忘れないうちに・・・と思っていたら、意外に早く届きました。
    2巻は、1巻では深入りしないで事態を静観していた涼子が立ち上がり、
    元クラスメイトたちに自分たちで真相を明らかにしようと提案するところから。
    大反対する先生をねじ伏せ、協力者を募り、大出も被告人とすることを承諾させ、
    課外活動として、学校内裁判をすることが決まる。
    当初、弁護役だった涼子は、なりゆきから検察役をすることになり、
    否が応でも告発状を書いた樹理と向き合わざるを得なくなる。
    一方、弁護役は他校の生徒、神原と、野田健一が担当することに。
    双方は協力者らからの事情聴取を経て、真相に迫っていくが、思わぬ事態も発生する。

    はー、一気読み!仕事中も、続き読みたいなぁと思うくらい、はまって読みました。
    この長さで、これだけの人数を動かして、破綻せず、読者に飽きさせず読ませる。
    中学生がこんなこと考えられる?
    こんなに大人と対等にわたりあえる?
    周りの大人も協力的すぎない?(特に警察。笑)
    などなどの突っ込みも、だから何だ!面白いは正義だ!と強引に納得させられる。

    一人の少年の死が巻き起こした大混乱。
    正義感も探究心も行動力も、一途に突っ走れる若さならでは。
    『ごっこ』だとしても、大人にさしかかった彼らなれば、
    検事役は検事的な物の見方を、弁護役は弁護人的な物の見方をするようになるし、
    判事も陪審員もそれぞれが、立場を弁えた言動をするようになる。
    読者は既に知っている謎も、未だベールに包まれている謎も、生徒たちの
    聞き込みで徐々に真実が露わになってくる。

    物事を頭で考えることをせず、暴力的で横柄でどうしようもない奴だった大出は
    自分のために汗を流す弁護人らに頭を下げるまでになり、
    ひねくれて周りから疎ましがられ、自分の殻に閉じこもっていた樹理は、
    涼子の前で涙を流し決意を語る。
    この事件の真相はどこにあって、彼らはどうやってたどり着くのか。
    3巻はいよいよ法廷編。読むのが待ち遠しい。

  •  うわあああ。何だこれ。何だこれぇ!!
     面白い。面白すぎる。ページをめくる手が止められないのに、「読み終わりたくないー」って思うくらいに面白かった。


     学園ものかと思ったら、法廷ものに早変わり。ただし、判事も、検事も弁護人も陪審員も、みんな中学生。14歳。どんだけ、頭のよろしい中学生なんだ、あんたらはー。こんな頭のキレまくる中学生いっぱいいたら、世界が滅んでしまうわーって思った。(笑)


     検事側の藤野涼子ら3人と、弁護人側神原和彦ら2人が、それぞれ証人を探すことで見え始める真実。彼らの折衝が、もう、見事見事。


     三部はいよいよ裁判開始。検事と弁護人双方が、全力をかけて自分たちの突き止めた真実が正しいと主張しあう。判事の井上くんが木槌をふるい、9人の陪審員が大出俊次の有罪無罪を裁定する。

     あー、楽しみだ。書いてるだけで、興奮する。

  • 宮部みゆきさん恐るべし。
    面白い。

    事件に翻弄されていた中学生たちが真実を手に入れるために立ち上がる。
    中学生の強さ(強すぎるけど)・弱さ、大人たちの強さ・弱さを浮かび上がらせていく。
    物語の登場人物にとっての謎を回収しつつ、結末への匂いを振りまきながら。

    ミステリーの結末はどうなるのかわからない。
    結末に向かって読者の頭の中にある予測、妄想をぐるんぐるんと引っ掻き回す宮部みゆきさんが奏でる旋律に聞き惚れてしまう。

    結審となる『第Ⅲ部 法廷』。
    ページを捲る手が緊張しそうです。


    (ページを捲る期待感は電子書籍になっても得ることができるのだろうか...とふと思ったり。慣れかもしれませんけどね)

    • ぶっかけさん
      思わず親指と人差し指を擦り合わせて確かめちゃいました(^^♪
      思わず親指と人差し指を擦り合わせて確かめちゃいました(^^♪
      2013/11/05
    • desicoさん
      紙の厚さや残りページ数の量を感じながら読むのってやっぱりいいですよね〜。
      マンガや雑誌は電子書籍でいいけど(^^
      紙の厚さや残りページ数の量を感じながら読むのってやっぱりいいですよね〜。
      マンガや雑誌は電子書籍でいいけど(^^
      2013/11/07
  • 欺瞞だらけの大人。
    嘘をついているばかりの大人。
    本当のことを言わない大人。
    そんな大人は当てにならない。
    自分の中学校の事件なのに。自分たちの問題なのに。
    このまま嘘で塗り固められたまま、真実を何も知らずに卒業して、高校生に、大人になっていくのはイヤだ。
    そこで藤野涼子は決意する、ならば自分たちで真実を明らかにしようと。子どもたちだけで。
    生徒たちだけによる学校内裁判を開き、真実を明らかにしようと。

    突然弁護側に名乗り出た少年、東都付属中の神原和彦とはいったい何物なのか?
    死んだ少年、柏木卓也と小学校時代の友人だったとはいえ、何故この裁判に関わろうとするのか?
    疑問は残されたまま、検事側、弁護側に分かれ、真実を追究する捜査は開始される。
    そして、少年少女たちは捜査をしながら、新しい事実に辿り着き、驚愕する。
    隠されていた人間の心の光と闇。
    同時に彼らたちも、自らの胸に自問自答しながら、成長する。
    真実を明らかにするためのひたむきな行動を通して。
    ひたむきさ。一所懸命。このみんなの姿に心を打たれる。エールを送りたくなる。
    さらなる事件が勃発しながらも、少年少女たちは当初の目的遂行のため、審理開廷に向かって突き進む。
    その裁判によって何が分かるのか、真実とは何なのか。どんな結末が待っているのか。
    疑問と謎と、成長していく少年少女たちの姿への期待を胸に抱きつつ、最終話、第三部『法廷』へ。
    (第三部『法廷』のレビューに続く)

    • ねこにごはんさん
      フォローありがとうございます^^
      こちらをうかがってみるとあまりのレビューの巧さに感動しました(^-^)これからも楽しみに拝見しますね。私も...
      フォローありがとうございます^^
      こちらをうかがってみるとあまりのレビューの巧さに感動しました(^-^)これからも楽しみに拝見しますね。私もフォローさせていただきます。
      2012/11/28
  • 第1部より評価を下げてしまった。
    面白い事は面白いんだけど、スピード感がなくて中だるみのように感じられてしまった。
    これは私とこの作品の相性の問題か。

    タイトル通り、第2部は生徒たちによる学校内裁判に向けての決意が事細かに語られている。
    登場人物それぞれの様子が事細かに描かれているにもかかわらず、心に響いて来ないのはなぜか。
    確かに第1部ではなかった伏線の様なものがちりばめられていて、先の展開が気になる事は気になる。
    でもなんだろう、この感じ。
    中学生なのに妙に老成しているし、言葉遣いも私ですら使わない単語がポンポン出てくる。
    その辺がどうもしっくりこなくて。

    最終的な評価は最終巻を読んでから。
    読んだ甲斐があったなと思える事を願って。

  • 冬のある朝、中学の校舎からの飛び降り死体として発見された柏木くん。

    彼の死をめぐり、同級生たち、親、保護者たち、学校、警察、マスコミ、地域の人たちなど、もう、ぐるんぐるんと振り回され、それぞれの生き方、来し方が読者に提示されていく面白さ。
    Ⅰ巻を読み、これはなんだぁ~~と狂喜乱舞した後、すぐにⅡ巻が読めたのはとてもラッキーなことだったと思います。

    なぜ柏木くんが死んだのか、それを自分たちのために解明しようとする中学生たちは、なんと校内裁判、という形を取ることに。
    学校が舞台で苛めも絡んでいるらしい・・・という設定だけで、もう、どうしようもない辛さを感じさせているのに、裁判だって??それはいわゆる糾弾なの? それとも魔女裁判のような怖ろしさを含んでいるの? といつもの私なら躊躇してしまうのだけど、Ⅰ巻を読んだ後では、そんなありきたりの展開にはならないだろう、宮部さんが、登場人物たちみんなに愛情ときちんとした報いを与えてくれるはず、と、気持ちのいい信頼感を胸に読むことができました。

    中学生が判事、検事、弁護人、陪審員までするという突飛な思いつきが、うん、この流れが誰にとっても一番いいのかも、と思わせる宮部さんの筆力には敬服です。

    新しいキャラも多々出てきているのに、それぞれちゃんと顔が見えるような地に足の着き方だし、これまでの人物たちも新たな面を見せてくれるし、Ⅰ巻での仕掛けがそっか、こうくるか、と日の目を見たり、何より、時代がバブルのころ、という、“未来”に住む私たち読者からは、その後に何が起きたか知っているという、神の目線的面白さ&無力感がねぇ~~。

    さぁ、どうなる?
    誰が嘘を吐いているの?
    もしかして、誰も嘘は吐いてないのに、私が勝手に騙されてたの?

    裁判であえて悪役を買って出た、涼子の着地点は用意されてるの?
    (されてるよね。彼女が可哀想なことになるはずがない!・・と思いたい。)

    そして、ここにきてとても気になっている
    タイトルのわけ。

    賢者である「ソロモン」が“偽証”するんだよね。
    それは誰がするの?
    みんなでするの?
    たぶん、その偽証によって誰かが救われるんだよね。

    あぁ、早くⅢ巻が読みたい。
    10月12日だったっけ?
    待ち遠しいぞぉ~~。

    Ⅲ巻を読んだら、Ⅰ巻からゆっくり時系列を追いながら検証するつもりで、
    それもとっても楽しみです。(*^_^*)

  • 第一部のあと別の本を読み、間をあけて第二部を読んだ。
    事件が少しずつ明らかになってはくるが、まだまだ真相はわからない。
    わからないまま読んでいる自分と、わからないことを調べている登場人物たち。
    心の底から思う。本当におもしろい!
    人物の描写もいい。
    それぞれの個性や人間性や出来事を読んでいく面白さは唸りたくなるほど。
    登場人物の多さもかえって嬉しいくらいです(^ ^)

    中学生たちがそれぞれ真摯に考え、決意したということ。
    覚悟をもって裁判を起こす。その行動力。事実をまとめ組み立てる頭脳。些細な口ぶりや会話から相手の心理を感じ取る賢さ等など…。
    現実にはありえないかもしれませんが、この小説の中ではちっとも浮いた感じがしないのがすごいです。彼らを追いかけて一生懸命に読みました。

    検事側と弁護側、それぞれの思惑がどう交差してくるのか?
    これだけ層を重ねた事柄がどんなふうに帰結するのか?
    学校内裁判がほんとうに楽しみです。

  • 冒頭、高木先生と涼子とのやりとりで泣かされた、
    興奮の涙である。
    学校内裁判とは宮部さんもすごいこと考えるなぁ。
    それにしても子供たちの聡明なこと、でも中学生でも
    優秀な子達ならこれくらいのことはやってのけるのかも。
    今回は弁護側、検事側それぞれ真実に迫って調べていくので
    途中で、どっちがどっちだったか混乱したりもしたが
    頭の中を整理しつつ、でも一気に読んだ。
    いまさらながら卓也くんは自殺ではないのかもしれないと
    気がついた私は無能だ、助手にもなれない…
    早く続きを読みたい。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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