この世の春 下

著者 : 宮部みゆき
  • 新潮社 (2017年8月31日発売)
3.91
  • (52)
  • (79)
  • (52)
  • (7)
  • (1)
  • 599人登録
  • 85レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103750147

作品紹介

小説史に類を見ない、息を呑む大仕掛け。そこまでやるか、ミヤベ魔術! それは亡者たちの声? それとも心の扉が軋む音? 正体不明の悪意が怪しい囁きと化して、かけがえのない人々を蝕み始めていた。目鼻を持たぬ仮面に怯え続ける青年は、恐怖の果てにひとりの少年をつくった。悪が幾重にも憑依した一族の救世主に、この少年はなりうるのか――。21世紀最強のサイコ&ミステリー、ここに降臨!

この世の春 下の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 久しぶりに読んだ時代物。
    面白かった♪
    心理学の基礎を勉強したことがあって、多重人格の症状とか治療法とかを知っていたからこそより深く楽しめたかなと思います。
    面白いけど登場人物の誰にも共感できないなぁという本もありますが、今回は久しぶりにかなり感情移入して読みました。
    重興と多紀の未来が幸せであることを思わず願ってしまいます。

  • 全体的にとてもやさしいおはなし。
    御霊繰とか面の呪術とかの怪異要素と、父に苛まれた結果の乱心や神隠しされた少年たちの末路など人為的な恐怖が主立って描かれていているのだけど。
    自我を失うほどの恥を恐怖を押し込めてきた重興と嫁ぎ先で姑の仕打ちによる傷の癒えない多紀。
    このふたりが、痛みを知るからこそ他人を思い遣れるとてもやさしい心根をしている。
    そういう簡単なようで意外と難しいことが出来る人たちが五香苑に集ってくる。

    狭間の父娘が死んで一件落着とはならない執念深い真相がありそうだけど、重興の心が救われて父成興の名誉も回復し、多紀の思いも報われて五香苑に春がきて、この先何度も四季が巡って春を迎えるんだろうなって思える最後でよかった。

    しいていえば登場人物が多くて散漫な印象はあるし、そういえばあの人どうしてるのかな?ってなるけど。
    医師の白田先生は仕方ないがまるでアピールできてない半十郎がとてもかわいい。

  • 降霊術、多重人格、神隠し......と、サイコ&ミステリーな飛び道具が次々と繰り出され、不穏で先の見えない展開に翻弄されます。
    真相に近づくにつれてちょっと尻すぼみ感があったかな......虐待とは......。
    しかしこれだけの登場人物を描き分け、無理なく活躍させるのは離れ業としか思えません! ベテラン作家のスゴさが改めてわかります。

  • 少しずつ少しずつ明らかになっていく過去に閉ざされた忌まわしい出来事,それが小気味良いぐらいピタリピタリと人々の心を照らし,囚われた心を解き放っていく.北見藩の中に恐らくは居場所を見つけて暮らしていけるであろう重興と多紀の未来を明るく照らして,見事な幕引き.さすがの宮部みゆき氏です.爺こと石野織部,いとこの半十郎など全ての登場人物がそれぞれの性格を生き生きと表現して,愛すべき人たちに囲まれた物語でした.

  • 上巻が終わって期待が大きくなりすぎただけに、下巻が今一つと感じてしまった。

    いや、天下の宮部先生だからって期待を膨らませすぎてしまったかもしれない(^_^;)
    多分普通なら★×4くらいの評価以上だろう(*^^*)

    流石の表現力、文章力、語彙力!
    圧倒される。

    この手の多重人格、どこかで読んだ気がしたが思い出せず(^_^;)

    最後は後味もよく、いい感じに纏まって◎(*^^*)

  • 上巻の勢いが失速した感じが否めない。時代劇とオカルト要素はものすごく相性がよくて、宮部みゆきの筆致力と合わさり、非常に魅力的な展開だっただけに、多重人格、男色と些か生臭い方向へ流れていってしまったことが残念。呪詛までは良かったが、御霊繰をもっと絡めて欲しかった。個人的な好みですが。どこか桜ほうさらをなぞるようなさわやか展開が目立ったが、それは本当に最後だけでよかったなー。まあそれでも夢中になって最後まで読めましたが。

  • 上下巻まとめて。
    非常におもしろかったです。先が気になってページを捲る手が止まりませんでした。
    宮部さんは不可思議な現象も普通に盛り込まれる方なので、重興の乱心もどうなるのかと非常にハラハラしました。この時代にこういう方向で皆が進めたのも、人と時がそろったからなんだなと思いました。このタイミングでしかなしえなかった。決まれば原因にもすぐと思い当たって非常に苦しい気分になりましたが、本人の意思ではなかったのが唯一の救いでした。両親にきちんと愛され慈しまれていた。
    手探りで進んでいく上巻に対して、下巻では重興の協力も得られ、謎解きが進んでいく。浮かび上がった強い悪意、執念深さには非常に慄然としました。その中でも重興を慕い、案じ、癒やしたいと願う周りのひとびとの優しさや思いに心が温かくなりました。個性的な面々が出てきてほっと和ませてくれるのも宮部さんならではですね。そして、そんな周りの思いを受け止め、自身と向き合おうとする重興のなんと強く優しいことか。たくさんの思いが複雑に絡まり合った過去を解きほぐして未来に進んでいく。最後の琴音との対話には胸が熱くなりました。
    最後の謎、重興が語る父の死の場面は、父子の楽しい時間が垣間見えてよりいっそう悲しくて。
    恐ろしいほどの悪意がありましたが、それよりも人々の思いの温かさが心に残る読後感で、すごく久しぶりな気がするのでまたこういう作品も読みたいなと思いました。

  •  宮部さんが、この作品はハッピーエンドで終わるとおっしゃってる通り、めでたしめでたしでした。

     ただ、その終わり方にちょっと違和感。この内容でみんなよかったねで終わるの?虫が良すぎる結末でした。

     

  • サイコ&ミステリーというので、
    怖いのはちょっと苦手だから身構えて読んだのだけど
    怖いというよりは、悲しく切ないミステリーだった
    上下巻あるのに、結構分厚いのに
    どんどん引き込まれ、読み進めていってしまう
    これはもう、とっても好きなミステリー

  • 一気読みしてしまった。多数の登場人物が絡み合って、続きがどうなるんだーとどんどん読んでいたら、気がついたら山場が終わっていた不思議。
    それにしても重興さま強い…敵全部ひとりでやっつけてる…。ここまで事件の規模が大きくなったのはやっぱり国のトップが関わっていたからなのか。敵父娘が恨みを抱いた対象がお殿様でなければもっとスケールの小さい話になっていたのかも。多紀のロマンスももちろん良かったけど、個人的には親子の絆みたいなものがいろんな形で描かれていたのが良かった。ハッピーエンドで安心した…

全85件中 1 - 10件を表示

宮部みゆきの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

この世の春 下を本棚に登録しているひと

ツイートする