双頭の船

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 269
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103753087

作品紹介・あらすじ

失恋目前のトモヒロが乗り込んだ瀬戸内の小さなフェリーは、傷ついたすべての人びとを乗せて拡大する不思議な「方舟」だった。船は中古自転車を積みこみながら北へと向かい、被災地の港に停泊する。200人のボランティア、100匹の犬、猫や小鳥、「亡命者」-。やがて船上に仮設住宅が建ち、新しい街と新しい家族が誕生し…。希望を手離すまいという強い意思にみちた痛快な航海記。

感想・レビュー・書評

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  • ファンタジックであっちとこっちを行き来するような浮遊感ある話だった。始終登場人物が優しくて話そのものは好きだ。ただやっぱり、震災は文学になんないよ。池澤夏樹が書くからいいってだけで。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「震災は文学になんないよ。」
      書かずにはおれないのかも、、、
      「震災は文学になんないよ。」
      書かずにはおれないのかも、、、
      2014/04/17
    • あずきさん
      猫丸さん
      コメントありがとうございます。
      そうですね、書かずにはおれんのですよねきっと。私は被災者ではないですが、被災地をふらふら歩いて...
      猫丸さん
      コメントありがとうございます。
      そうですね、書かずにはおれんのですよねきっと。私は被災者ではないですが、被災地をふらふら歩いてると、震災が文学になることに何だか違和感があるのです。うまく言えませんね。
      2014/05/24
  • 人間は想像力を持つ生き物です
    それだからこそ
    ついつい 自分にとって便利なものを作ってきた
    それだからこそ
    ついつい 地球から見ると傲慢になってしまった
    それだからこそ
    これからのこと を 考え、思い、行動する存在でありたい

    そんなことを ゆったり考えさせてもらった一冊でした

  • 震災ファンタジー…いつかは世に出るとは思っていたが私にはまだ読む覚悟がなかった、しかし何気なく手に取った一冊がそうであったとは。
    乗り掛かった船と読んでみたのだがやはり後味が悪い、そう時期尚早と言うよりも作り込みが良くないのだ。
    吉里吉里人の井上先生なら東北繋がりでいいと思ったのかモチーフは明らかにひょっこりひょうたん島でそこに遠野物語をくっつけて舞台の船名は安部公房氏の方舟から持って来ちゃえではあまりにも乱暴ではないか?
    表現者としての使命感かどうかは知らないが当事者でない以上もっとデリケートに扱うべきだろう、苦しんでいる人がまだそこにいる

  • こちらで教えて頂いた本

    船旅で読みました^^
    最初っから、熊?! え? なんで?? 
    そして、えぇぇぇ!!会ったばかりでその展開?!って
    ファンタジーに慣れていない私には驚きの始まりでしたが
    身近な土地の名前や、今から訪れる土地を思い描くようなストーリー展開に引き込まれていました

    さくら号がたくさんの人で賑わっている光景
    だけど、それは大切な人を亡くした人たちに見えている光景
    時間とともに気持ちが落ち着き、きっかけとともに旅立って行く人たち・・・  それを送る人たちの気持ちが切なくて(>_<)
    つい数日前に自分が訪れた土地での光景が
    近代的だったのを思い出してしまいました

    そこに暮らす多くの人が船で暮らす人たちと同じような気持ちで過ごし
    そして、そんな気持ちを希望にかえているんだと思うと
    パワーをもらえる1冊になりました

  • 小さなフェリー「しなまみ8」は、東日本大震災後にボランティア船として近場の海を行き来していた。自転車修理のボランティアとして船に乗り込んだ海津知洋だが、色々な人に出会い色々な経験をする。船はたくさんの人達を乗せていくうちにだんだん大きくなり、ひとつの町になり、「さくら丸」と改名する。
    東日本大震災で亡くなった多くの人達と、大切な人を失った多くの人達が乗り込んでいる不思議な船。あちらの世界とこちらの世界の境界があやふやであったが、やがてあちらとこちら、陸と海、それぞれに行き先を定めていく。
    これは、震災で家を、ペットを、大切な人を失った人々のために書かれた魂の再生の物語だろう。それぞれの道を前を向いて進んで行こう。人にはそういう力があるのだ。そんな思いが伝わってくる。

  • 船、というのに、冒頭から熊運んでるんで、
    どうなるんだ?と思う。
    よーやく船登場。
    短編集なのかな、と思いきや、冒頭の女性が再登場、
    ベアマンとかも再登場で、なーるほどつながってたのかーっと。

    3、11よりの物語。
    人だけでなく動物もたくさん死んだ。
    船はノアの方舟的なイメージなのだろうか?
    元気なじーさん登場で、少し不穏な気配漂うも
    それなりの決着をみ、船は二手にわかれることとなる。

    あっちとこっちをつなぐ場が、突然に、唐突に
    別れを余儀なくされたひとたちには必要だったかもしれないなあっと思う。
    正直、メディアを通してでしか目にしていない私には
    あの災害は頭では痛ましいと思うし、それなりの支援もしたけれど心ではどこか他人事である部分は否めない、
    この物語が誰にとって必要となるのかは、分からない。
    いいねえ、と言われる花は咲くの歌だって、
    綺麗事だ、という意見もあるそうだし、
    でも、それでも物語を紡ぐことが作家なんだろう。

    船が成長する、そのイメージの豊かさを
    いいなあっと感じた。

  • 船が育つファンタジー。浮遊感のある小説だった。ふわふわしてるんだけど、読ませるし、意味わからないんだけど、いいなって思う。いつも選択が出来ない主人公が、また選択できなかった、と思うとこなど小説ならでは。進められるより偶然選んで読みたい本かな。

  • 被災地の周辺をモチーフにした作品。でも辛い感じではなく、いやな気分になることなく読めるファンタジー。どういうわけか、この世界では船は成長するらしい。でも、人間社会のいろいろを痛烈に皮肉っている描写も多く、ところどころ痛快だったり、ぞっとしたり。軽く読むとフワフワしたファンタジー。深読みすると人間社会の縮図をみているかのようなブラックユーモア。結局人間が集まると、カリスマが現れて権力争いが勃発、動物的になればそういうしがらみから解放されるかというと、やはり知性がある以上完全に動物にはなりきれない。と、いいつつ、ベアマンに引っ付いて行く千鶴がちょっと羨ましかったり。なんとも不思議な小説だった。軽く入り込めてあっという間に読み切れてしまう作品。

  • <閲覧スタッフより>
    古いフェリーがボランティアで被災地をめぐるなか、どんどん形を変えて一つの小国家に拡大してゆく。やがて船の住人たちは自由航路と沿岸固定との2派にわかれ別々の道をゆく。池澤夏樹が描く現代の方舟です。

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    所在記号:913.6||イケ
    資料番号:10225379
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  • 東日本大震災をモチーフにした長編小説。311を随所に連想させつつも(実際に被災地に取材に行っているらしい)、決して重くはない。
    それにしても、これを読むと「天空の城ラピュタ」で主人公シータが言った「人は地に足をつけていないと生きられないのよ」という台詞を思い出してしまう。
    地に足をつけて生きていくのかのか、あの日の辛さを封印するために別の生き方を選ぶのか・・・文体が軽い分余計に考えさせられる。

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