エンジン/ENGINE

著者 :
  • 新潮社
3.12
  • (3)
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  • (8)
  • (3)
本棚登録 : 94
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103775065

作品紹介・あらすじ

高級外車窃盗団を追う築地署の刑事・游二の前に、その女は立ちふさがった。ティファニーのショウウインドーに30カービン弾をぶちこみ、消えた女。無垢な少女の微笑と、妖艶な獣の哄笑を残して…。魔に取り憑かれたかのように、彼は女を追い始める。そして次々に起こる凄惨な殺しと爆破事件。謎が謎を呼び、事態は一気に緊迫の局面へ。

感想・レビュー・書評

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  • 矢作俊彦、いつ以来やろ。前に何を読んだか忘れたぐらいに久々。
    本作は一言でいいづらい、主人公が警察官なんで警察小説とも言えるし、ハードボイルドとも言えるし、スパイ系国際冒険活劇とも言える、まぁそういう大藪晴彦系の小説。

    この小説の核心は、なんといってもヒロインのズバ抜けて強くてセクシーでカッチョ良さをどう味わうかである。所謂ファム・ファタール的な男どもに不幸をもたらす系の美女なんだけど、存在が不幸をもたらすとか美女すぎて周りがほっとかないとか、そういう受身形の不幸じゃないのである。携えた武器・凶器(即ち拳銃、ナイフ、火薬、薬品、高級乗用車、身体、美貌)を振りかざして、不幸をまき散らすのである。

    主人公がどんなにヤサぐれても、頑張っても、ヒロインに振り回されてる姿は滑稽さと悲惨さを醸し出す、公安や警察やロシアマフィアや中国ヤクザがどんなに頑張っても、ヒロイン1人になぎ倒されていく。その暴力には怖さや悲惨さを超えて、いっそすがすがしいものを感じる。

    カーアクションシーンを筆頭に、活劇部分のスピーディーさや手に汗感も上手くて、ページ繰る手が止まらなくなるけど、それらも全て圧倒的なヒロインを味わう箸休めにすぎないように感じてしまう。

    筆が走りすぎるのか、時々読みづらくてひっかかる文章や、そぐわない比喩とかも出てくる荒削りな部分もあるが、圧倒的な存在感のヒロインに引きずられてそんなことも気にならない力強い娯楽小説である。

  • 久しぶりの、難しいことも、めんどくさいことも抜きの矢作俊彦。信者としてはなんでもok

  •  ファム・ファタールというより、殺戮の天使と呼びたいようなヒットウーマンを追いかける刑事の運命。

     とにかく面白い。すべてのページにハイテンポなアクションが詰まっている感じで止まらない。

     矢作ソロ作品で、しかもおちゃらけないハードボイルドが、ここ数年定期的に出版されているので、毎年、このミスのトップが矢作になってしまう。そんな依怙贔屓はダメとは知りながら、やはり圧倒的に矢作のカリスマぶりに惹かれるのである。

     毒をいっぱい持っているのに、コアな部分が少年のようなピュアな騎士道精神であったりするところがやっぱり他を圧倒しているような気がするのだ。

     失われて久しいダンディズムが頼もしい限りだ。

     物語が破綻を繰り広げ、登場人物がどんどん滅び去ってゆく気配のなか、バイオレンスが迫力を増し、情念や虚無が去来する。アジアンな黒い夜の中を、溶け出すような精神を引きずりながら、刑事はそのすべてを殺戮の天使への盲目的な恋に捧げてゆく。

     大がかりな銃撃シーンと爆破シーンがいつもの矢作とは違う気配を醸し出すけれど、破滅の美学は今日も健全だ。かつていくつもの破滅のノワールを作り出していた矢作というハードボイルド・ライティング・マシーンが、大人の成熟に余裕のエンターテインメント風味で語り綴ってゆく、文句なし、唯一無二の活劇ロマンなのである。

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2012.10.27読了

    それなりに楽に読めるが、作者の他の作品に比べると、かなり物足りない。
    ましてや、大藪作品とは。

    車雑誌の連載ということで、カーアクションの描写が多いが、そこが今ひとつ状況が立ち上がって来ないのが、痛い。でも、さすがに矢作節は健在で、ハードボイルド好きには、好感が持てる。

  • 印象に残らない

  • おそろしく暴力的で魅力的な話でした。、

  • すごく綺麗で、コントロールできない殺し屋の女性と、刑事崩れのアウトローな主人公…最後の結論まで、イマイチ入り込めず。ハードボイルドはあんまり興味ない…

  • 情景の描写がよくわからない。
    オレよく最後まで読んだな(^_^;

  • 2011/9/8購入
    2011/9/20読了

  • 単著としては2011年の夏の時点での最新作。もちろん、十分に楽しめるのだが、『ららら科學の子』『THE WRONG GOODBYE ロング・グッドバイ』『傷だらけの天使』と、近年は人間業とは思えないほど矢継ぎ早に凄まじい傑作が放たれていたので、それらと比べると筋立てもセンテンスも捻りがなく物足りない、などと言ってはエンターテインメント小説の巨人に失礼だろうか。皮肉や反語が公共の言論から姿を消している現在にあっては、あまりにも貴重な存在であることに変わりはない。何度も言う、「出来映えと売り上げが比例するなどとは夢にも思わないが、それにしたって、なぜ矢作俊彦の小説は売れないのだろうか。こんなに面白いのに」。トマス・ピンチョンの『V.』を意識しているのかどうかが今一つわからなかったので、今は『V.』を読んでいる。

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