冬を待つ城

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 180
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103788096

作品紹介・あらすじ

籠城か、玉砕か――否、三成との知恵比べに勝利し、あとはただ冬を待つのだ! 天下統一の総仕上げに、奥州最北端の九戸城を囲んだ秀吉軍、兵力なんと十五万。わずか三千の城兵を相手に何故かほどの大軍を要するのか――奥州仕置きの陰のプランナー石田三成の真意を逸早く察知した城主・政実は、九戸家四兄弟を纏めあげ、地の利を生かして次々と策略を凝らした。あとは包囲軍が雪に閉ざされるのを待つのみ!

感想・レビュー・書評

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  • 奥州仕置き九戸政実の乱。南部信直と政実の南部家跡目争いに始まり次第に豊臣中央政権との東北の民を守る戦いへと変化して行く。各章で差出人がわからない手紙に憶測を呼び引き込まれる。この作品では石田三成が殆ど登場しないのだが話しが進むうちに三成の影が見え隠れし見えない敵と戦うのが上手く表現された作品。

  • 2019.11.6完了
    面白いことは面白い。
    高橋克彦作品に通じるものがある。
    ストーリー性が高いとはいえ、これだけ九戸党が評価され小説になるのだからもう少し注目されてもいいのではなかろうか。
    ただ豊臣政権に勝てないのは火を見るよりも明らか。
    まだ小田原北条氏の規模の方が豊臣政権に抗えるかもしれないから九戸党の扱いは小さいのかもしれない。
    信長の野望での九戸政実の扱いが低く解せぬ。

  • 九戸政実の乱

  • なんか、最近物語の途中途中に手紙のシーンが入る小説を連続して読んでいる気がする。
    さて、この手紙の差出人が最初なかなかわからなかった。
    途中であーってなると、ついつい読み返してなるほどなと、納得する。この手のは嫌いじゃないw
    冬を待つ城って大阪冬の陣の事かなーって相変わらず前置きなしで借りた本だけど、読むとこれが面白い。時代小説にはかならず傑人がいる。主人公は僧から還俗した武士であり、その兄弟は4人。4人の兄弟がそれぞれ物語を引き立ててくれるだのけど、その周りの武士や山の人、僧がまたすべて味がある人物ばかりで、実際はどこまでの人だったかはわからないけど当初の時代はなんとも傑人ばかりで面白い時代だったなぁと思いを馳せる。冒頭の三成の愚痴が冴える!

  • 戦国時代最後の武将と言っていいでしょう。九戸政実の乱を描いたものです。
    実際のところは、どうなのかはわかりませんが、秦氏とユダヤ王族の関係に由来する南部の北東北人、山の民についても連想する事が出来ました。正に歴史のロマンを感じさせますね。
    歴史の闇、敗者の歴史には、脈々と違う民族の話しがあるんでしょうね。
    九戸政実の乱は何故起こったのか。この本は明確に答えを明らかにしていただけたのではないかと思っています。

  • 2018/1/19
    三志多さんのオススメ、三ヶ月かかった。

  • これを読んでから岩手に行きたかった。
    仕事で岩手に行ったとき、たまたま「九戸政実プロジェクト」の方から教えてもらった九戸政実。日本史が苦手なので、全然知らず、簡単に説明していただいてもピンと来ず、その場を後にしたのでした。
    その方たちの熱さに押されて、この本を読んで見た。すごい!東北の人の強さの根源を見たような気がする。
    ここも独自の文化を持ち、知恵を持つ人たちが住んでいた山があるので、その人たちの力を背後に置く底知れない強さって想像できる。
    日本史に疎い私でもぐいぐい引き込まれた。久しぶり一気読み。

  • 豊臣秀吉の天下統一後に、陸奥で起こった最大の反乱である九戸政実の乱について書かれた本です。
    ただ、主人公は九戸政実ではなく、末の弟である久慈政則となっています。

    優位な状況なのに数日で降伏したのかについて、反乱を決意した目的と九戸政実に託された想いが分かると、納得できる感じがしました。

    もう少し籠城戦についての描写があれば、もっと盛り上がったかなと思いました。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-530d.html

  • 戦の駆け引きにドキドキワクワク(゜o゜;)現代だけでなく、昔から情報戦だったんだ!と改めて思った(^^)それぞれの思惑でバラバラだった九戸四兄弟が一つになって和議に持ち込むところはゾクゾクした(>o<)おしら様など神憑りな場面もあって、やはり東北って不思議な事と切り離せない場所なんだなぁ(^.^)

  • 九戸家の4兄弟、政実、実親、康実、政則が秀吉の朝鮮遠征に備えて、厳寒地の状況をよく知っている奥州の民を徴収する計画があり、大群が九戸城に向かっている.同じ奥州でライバルの南部家との確執で話しが展開する.最終的には石田三成の民狩りの計画をよく思っていない蒲生氏郷の機転で政実が企画した和議が成立するが、九戸城での戦闘シーンは素晴らしい記述だ.非常に楽しめた.

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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