ブラック・スワン降臨 9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争

  • 新潮社 (2011年12月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784103823056

みんなの感想まとめ

重要な決断がリアルタイムで行われる中で、インテリジェンスの役割がいかに重要であるかを描いた作品です。特に、9.11と3.11という二つの大災害を通じて、日本とアメリカの対応の違いが浮き彫りにされ、読者...

感想・レビュー・書評

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  • 3.11のテロを防げなかったのは、米国がインテリジェンスを有効に扱えなかったから。しかしその後の対応はカッコいい。オバマ大統領がゴルフにいって周りの目をごまかしてビンラディンの殺害を実行するのはまるで映画のよう。
    一方、日本は情けない。9.11の原発事故の対応のお粗末さ。外交の下手さ。訓練もされておらず、才能もセンスもない人間が国家の要職を占める怖さを指摘されます。

    そう言えば日本語ではインフォメーションもインテリジェンスも「情報」となってしまうのは、日本人にインテリジェンスの概念がそもそも無いからなんでしょうね。

  • 9.11から3.11までの大きな転換点の裏側で、様々な重要な決断がリアルタイムで行われている事が描かれており、臨場感のあるインテリジェンスの働きが重要な役割を果たしている事がわかった。

    2020年4月の現在は世界中が3.11、9.11以上の災厄に見舞われている。世界を救うために、または今後の世界を作っていくために、世界中のインテリジェンスはどのような働きをしているのだろうか?

  • ブラックスワンとは実在しないと思われている黒い白鳥。しかし、そのブラックスワンが舞い降りた時に何をどう決断するのかが、指導者には求められる。911から10年後の311にいたるまでの日米中、世界のインテリジェント戦争を物語調に記述しているため、読み易く、ドキドキしながら楽しめた。
    決断をするためには如何に情報を集めるか、しかも自然に集まるような準備をする行うかが重要。
    情報が集まる体制できてないのに、無理して集めようと現地に急行する管哀れ。このような指導者の時に未曾有の大震災が起こるとは正にブラックスワン。
    ここから何を学ぶか?インテリジェントがないと適切な判断ができない。すなわち、決断が必要な仕事、ロールは情報を集める能力、集まる準備を再重要視する必要がある、ってことだ。
    アメリカが80km圏外に避難した時には、よく分からんくせに過敏だな、コンチクショウと思ったけど、裏付け有りまくりだった訳で、知らないのはお気楽な自国民のみだと。まともな指導者を選ばないと。

  •  9・11をアメリカは本当は防げたのではないか。
     何故防げなかったのか、とその時々の状況を語っている本。まさに、情報戦に負けたというべきなのか。
     アメリカの話をしているときは、さくさく読めたのですが、日本の今(民主党が第一党になってから)は、物凄く読むのがつらかったです。
     日本の危機が此処にあるのか。

  • 元NHK・ワシントン支局長を務めた手嶋龍一氏による、9.11から2011年のビン・ラディン殺害にいたるまでのアメリカのインテリジェンスをめぐるノン・フィクション。

    最初に感じたのは、手嶋氏の文章は相当うまいし、筆致は冷静である。こういうジャーナリストが手がける文章は、往々にして、「感情」がほとばしってしまい、短絡的に結論を印象付けることに陥りやすい。
    それに対して、氏の文章はキレもあり、英語で書かれた伝記やルポルタージュのようである。

    正直に言って、この本に書かれている内容が正確かどうかはわからない。しかし、ふだん我々が接するニュースのレベルとは取材の掘り下げ方が段違いであるということはわかる。

    ただ、アメリカ政府によるインテリジェンスの不全を投げかける著者そもそもの意図はわからないでもないが、そこについては、単に属人の問題ではないのだから、もう少し広い視野で語る必要があると感じた。

  • 「スギハラダラー」の続きで、スティーブンとマイケルの活躍かと思ひきや、
    さにあらず。9.11からビンラディンの殺害、3.11の東日本大震災までの
    出来事を辿りながらの手嶋龍一氏の警世の書であつた。
    3.11の在日米軍の際立った動きと菅直人率いる日本側の不様な行動を
    対比した場面は読み応へがあつた。
    「在日米軍は迷惑施設」と明言する北沢防衛大臣等、日本の防衛意識、
    危機意識の欠如は深刻である。

  • 日本に致命的に欠けているインテリジェンス、この重要性について数々の実例をもとに書かれている。インフォメーションとインテリジェンスを見極める力が必要だし、不完全なインテリジェンスの抜けている部分を補う洞察力が必要。また、いくらインテリジェンスが確かであっても、決断力が問われる。いまや、巨大なブラック・スワンに覆い隠された日本は、暗闇の中でもがいている。

  • まるで、テレビのドキュメンタリーを見ているような感覚になった。
    情報を集めて分析し、それらを編集統合して、映像ではなく本にまとめたという感じ。長年の現場での記者経験が活かされていると思った。

    著者のインテリジェンスが伝わって来る、読み応えのある本でした。

    尚。この本を購入したきっかけは、以下のインターネット番組「ラジオ版 学問ノススメ」2012年1月16日放送だった。http://podcast.jfn.co.jp/poddata/susume/susume_vol303.mp3

  • 本書はいろいろ示唆に富んだ本である。

    佐藤優氏の一連の著作により「インテリジェンス」という言葉がかなり浸透したが、手嶋氏によれば、「インテリジェンス」は決して万能なものではなく、人が扱うものであう以上、特にその時の宰相の姿勢や器により、集まる情報の質(信憑性を含む。)も量も自ずと変質してしまう、といった視座が大変参考になった。

  • 手嶋龍一氏の講演を実際に聴いているので、新鮮さはなかった。しかし初めて読む人にとっては、面白いだろう。おととし聴いたとき朝鮮半島には今後数年、何も発生しないと断言されていたが、砲撃事件、沈没事件等の末、金正日が死去した。インテリジェンスでも読み解けなかったか。中国外務関係は、「戴秉国」氏を見ろ、ということで大変参考になっている。

  • ありえない事態が現実となることの隠喩「ブラック・スワン」。

    アメリカの中枢が狙われた自爆テロ。安全神話が崩された日本の原発。

    9.11米同時多発テロ事件から3.11東日本大震災までの10年間にわたる、国家間のインテリジェンス戦争を、NHKワシントン支局長だった著者がノンフィクションで描いています。

    同時多発テロ以後の日米関係や、東日本大震災直後の福島第一原発への対応の裏側を知ることができます。

    精度の高い情報を引き出し、素早く的確な決断を下すシステムが機能不全に陥っている日本。
    危機感を覚えながら最後まで一気に読める一冊です。

  • (元)NHK社員でもここまでインテリジェンスに迫れる手嶋さんの実力に脱帽。9.11、ブッシュの戦争、オバマの戦争、沖縄問題、3.11とここ最近の日本と米国について、流れを追いながら、かつ今まで見聞きしてこなった内容も含めて読み易くまとめまっています。

    経済の分野から歴史的な視点で現代をまとめた水野さんの『終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか』と対をなすようなイメージで、米国と日本の政治から現代をまとめた感じの位置づけでしょうか。

    特に日本の政治や、原発問題などが気になる方には特におすすめです。バタバタしててレビュー書き遅れw(2012.01.01読了)

  • 東アジア、世界における日本のプレゼンスの衰退を改めて認識させられる一冊。震災におけるアメリカと日本の初動の違いにはさすがに情けなくなります。一体どちらが当事者なのか。「情報とは命じて集まるものではなく、リーダーの力量で磁石のように吸い寄せるもの」。ガツンときました。
    手嶋さんの取材力は圧巻です。冒頭はまるでホワイトハウスの現場に同席しているかのよう。圧倒的な臨場感で一気に読めました。

  • ブラックスワンとは福島原発での地震直後の政府インテリジェンス活動が崩壊してる様を表す。世界のインテリジェンス戦略とは、がテロ諜報活動と事実からよくわかって読みやすい。

  • 古い本だけど、現在の予兆をうかがわせる内容ばかりだ。これ以後にトランプが出てくる。中国の軍事大国化、日本のインテリジェンスの脆弱さなどなど。少し気になるのは、ウクライナがロシアの兵器廠といわれていたそこに、なぜ侵攻したのかということだ。プーチンは、工廠ごと欲しかったのか。もういまは、かなわないけど。

  • アメリカ同時多発テロと福島原発事故がほとんどのドキュメント。ほかの本でも読んでいたことでもあり、すでに分かっていることもあったのだけれど、それでもやっぱり興味深かった。
     戦争と常に向き合っているアメリカと70年も戦争や大きな紛争と無縁の日本。危機管理能力も政治姿勢も大人と子供ほどの違いがある。福島の災禍も腹の座った度胸ある政治家、総理大臣が対処していれば防げたことであったかもしれない。
     わからない難しい漢字が結構多かったけれど、著者の筆力なのかぐいぐい引き込まれてスラスラ読め、ほぼ1日で読み切った。

  • 『鳴かずのカッコウ』を読んで、手嶋氏の読み飛ばしていた著作を拾っておこうと図書館で借りて読んでみた一冊。
    さすがに、10年も前の本なので、話題はもはや“懐かしさ”を感じるものだった。ただ、2001年の同時多発テロ事件以降、アメリカの弱体化、迷走、それに付け入る様に台頭してきている中国が、当時の脈動から今に至っているのだなと思うと、ゾっとするものがある。

    著者のことを知るきっかけとなった9.11.
    そのことに触れた第4章ワシントン支局の264時間は、なかなか読ませるものがあり、遠く日本からではあるが、リアルタイムで同じ時を過ごしていたと思うと感慨深い。もっとこの章にページを割いてくれてもよかったのにと思う。それにしても、4章の最後の小見出し「寛容さを失ったアメリカ」は、そのまま、それ以降、継続しているとも取れる。


    本書では、アメリカは10年越しの復習を果たし(2011年5月ネプチューンの槍作戦でのウサマ・ビンラディン殺害)、立て直しを図ったかのように見えるが、オバマの後の、2016年トランプ政権の出現までは予見できていない。
    帝国主義(あるいはファシズム)が退けられ、社会主義・共産主義が敗北し、自由民主主義が生き残った今日ではあるが、対立軸を無くし、もはや己の立ち位置さえ定まらないのではなかろうかという気がしないでもない21世紀。

    だからこそ、インテリジェンスの必要性はさらに増すというものか。

  • 読みやすいし面白い
    ウルトラダラーも借りてみますか

  • 【要約】


    【ノート】
    ・出だしのオバマ大統領の行動にフォーカスしている部分は、秀逸な「見てきたウソ」のようで、引き込まれてしまった。フィクションなのかノン・フィクションなのか。

    ・中盤以降は少し中だるみ的な印象を受けたが、それは日本官邸や霞が関の人々の言動が、オバマ大統領の記述のように小説的な仕立てでないからなのかも知れない。

    ・佐藤優氏の本を読んだ時もそうだが、我が国のインテリジェンス弱小国ぶりは嘆かわしいことだ、という読後感を持つ自分が嘆かわしい。

    ・きっと、それなりの論理で真逆のことを説かれても付和雷同するんだろうな。

    ・だから、書かれていることについて、少しでも自分で調べて、本当なのかどうか、また、それに対して自分はどう判断するか、ということをやっていかなきゃ、と思わされた。

    ・この本に興味を持ったのは、確かFACTAで紹介されてたからだったと思う。

  • アメリカVSアルカイダ、9.11でのご自身のルポ、鳩山政権でのインテリジェンス的失政を中心とする日本のインテリジェンス政策への嘆き、北朝鮮、中国、ロシア近隣国との関係、最後は東日本大震災。ビンラディン暗殺に要したブラックホークで始まり、ブラックスワンと称した大震災に至るまで、ルポでありながらもフィクションとさえ思わせる様な文章は圧巻です。
    さすが、文民インテリジェンスオフィサーの手嶋さんならではの仕上がり振りに満足してます。

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著者プロフィール

手嶋龍一  Teshima Ryuichi 外交ジャーナリスト・作家。9・11テロにNHKワシントン支局長として遭遇。ハーバード大学国際問題研究所フェローを経て2005年にNHKより独立し、インテリジェンス小説『ウルトラ・ダラー』を発表しベストセラーに。『汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師』のほか、佐藤優氏との共著『インテリジェンスの最強テキスト』など著書多数。

「2023年 『ウクライナ戦争の嘘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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