- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103876038
感想・レビュー・書評
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20160619読了
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関川さんがてっちゃんだったとは知りませんでした。いつものように端正な文体で、読んでいて眼の奥の奥のほうがこころよかったです。
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渋み、落ち着きのある文章だ。
普通、エッセイというと、薀蓄であったり、自慢であったり、一種の高揚感が漂うものだが、そういったものがない。明鏡止水というのか、歴史、文学、鉄道史、そして私史を淀みなく渾然一体、パーフェクトハーモニー的な味わいをかもしだしている。 -
001、06.8/30.3刷、並、カバスレ、帯付。
2011.4/7.名古屋みなとBF -
日本の鉄道システムは最終的には首都東京に帰着するよう構成されているため、各地で生まれ育った人々は、地元の鉄道に特別の情を抱くようだ。鉄道の他にもありとあらゆるシステムが東京中心に作られているので、昭和の時代に地方に住む人々の人生の節目には必ず鉄道が登場することになる。例えば急行津軽が出世列車と呼ばれたりする。連絡船をテーマとする流行歌も人々の心を掴んだ。この本には著者の生まれ育った新潟を中心とする昭和或いはその前の時代の鉄道の情景が詳しく描かれている。
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一応最後まで読んでみたけど当初の感じと余り変わらなかった。堅い文章という感想は最後まで、拭い去る事が出来なかった。鉄道紀行モノは、やっぱり宮脇俊三さんと種村直樹さんのモノが読み易く心に泌みるな。
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関川夏央は、以前は韓国や北朝鮮にまつわる話、最近は明治・大正・昭和の文学者にまつわる話を、よく書いている人で、私自身は非常に好きな作家である。抑制がきいていて、かつ、明快な文章を書くという印象を持っている。本書は、作者自身の鉄道旅行にまつわる雑記・雑感、夏目漱石や太宰治、松本清張などが書いた鉄道路線にまつわる薀蓄などを集めた、「鉄道エッセー」(?)とでもいうもの。「電車」とはせず、わざわざ「汽車」としている理由は、はっきりとは書いていないが、出てくる話が、作者自身のものを含めて比較的古い話が多く、すなわち、汽車にまつわる話が多いからだと思う。私は、鉄道ファン、軽度の鉄っちゃんであり、かつ、関川夏央が好きなので、非常に面白く読めた。別に劇的なことが作中で起こるわけではなく、また実用的とは正反対(別に知っていても知らなくても構わないこと)のみで構成されている読み物なので、鉄道にも関川夏央にも興味のない人には、少し退屈かもしれない。