- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103884026
感想・レビュー・書評
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銀色夏生さんが今はまっているということで借りてみた本。
純文学系。
悪夢のような話に、母親が語りかける形式を取った話など、ちょっと苦しい感じもある話だった。
自分も詩を書いたり、自分の気持ちを文章にすることもあるので、なんとなくわかる気もするが、ものを書く仕事というのはなんと業の深いものなのだろうと思わされた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読書録「漂流物」4
著者 車谷長吉
出版 新潮社
P13より引用
“人の隠された本質は弱肉強食の畜生である。牛や豚の屍体を
「お肉」と言い換えて、平気で喰うている畜生以上の畜生であ
る。”
目次から抜粋引用
“蟲の息
木枯し
めっきり
愚か者
抜髪”
直木賞作家である著者による、短編私小説集。
仕事での話から母親の語る言葉まで、静かで重みのある言葉で
綴られています。
上記の引用は、勤めていた頃のことを書いたであろう作品での
一文。確かに、この世で人間が食料としないものはないくらい、
何でも食べてしまう私達ですが、畜生としての体と本質であった
としてもそれとともに生きて行くしか無いと思います。私は違い
ますが、もしベジタリアンであったとしても、他生命を食べる事
には変わりないのですから、しっかりと自分達がこの世に支えら
れていると意識して生きようと思いました。
使われている語彙や口調、方言も混ざっているので、好みが大
きく分かれる作品なのではないでしょうか。
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