ほたる 慶次郎縁側日記

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 58
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103892144

作品紹介・あらすじ

そいつは理にあわねえだと。わかったようなこと吐かすな。男女の仲も、世間さまも、理とやらで動いちゃいねえ。今度のこればかりは、どうにもこうにも俺も抑えられねえんだ。非情でならす「蝮」にも宿る恋心。胸を打ち、心を揺さぶる大江戸の情。

感想・レビュー・書評

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  • 慶次郎縁側日記シリーズ第十弾。閉架になっていて蔵書に気づかず読むのが遅れた。かって仏の慶次郎といわれた元定町廻り同心森口慶次郎が主人公で、山口屋寮番の爺の佐七と共に穏やかに過ごしていても、周りの人々(娘の許婚で養子となった晃之助や辰吉親分、「蝮」の異名をとる非情の男吉次等)が頼ってくる…人情味あふれる解決が好みです。《みんな偽物》幼い異母妹と懸命に生きた貸本屋の男が、愛する妻の借金に戸惑う・《ほたる》悪い男に強請られる女が泣きついたのは、蝮の異名をもつ曰く付きの岡っ引き吉次だった。10/21読済み。

  • 変わらない北原ワールド。ただ、やはり少しずつ、辰吉が吉次が月日を重ねて生活がなじんでいく感じ。

  • 夏の寝床で読むにはちと暑苦しい。2008.08.12

  • 過ぎても足らざるもしっくりしない。説明調であるが歯切れのいい文体。結びは読者の想像に委ねるやよし。

  • 日々の生活の中で浮かんでくる、やりきれなさや不安やせつなさを丹念に描いてくれる。犯罪は悪いがそれまでの過程には、人それぞれどうしようもないものがあるのだと説明してくれる。古い人間には安心して読めるシリーズになっている。

  • 半年に一度定期的に刊行される《慶次郎縁側日記》シリーズの最新刊。シリーズに「脇役」という文字通り脇役にスポットライトを当てた作品があるが、本作も慶次郎本人が登場するのは最後の数ページだったりして慶次郎本人が「脇役」となっているものが多い。今回は慶次郎の娘婿晃之助の登場すら少なく、晃之助の同僚島中賢吾をフィーチャーした「五月雨るる」が光ってる。すっかり好々爺となってしまった慶次郎だが、心の奥底には未だに燻る重いものがあることも忘れずに描くけれども、「罪を起こさせない」仏の慶次郎は健在で罪が罪になる前に事の解決を図る。シリーズが長くなるんで、そろそろ半年くらい掛けてじっくりと謎を解く大きな事件に挑むとかして欲しいところだな。蓬田やすひろの挿画カバーを外すと慶次郎の、そして全ての人々の心に潜む刃が見える

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著者プロフィール

作家

「2017年 『化土記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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