- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103892144
作品紹介・あらすじ
そいつは理にあわねえだと。わかったようなこと吐かすな。男女の仲も、世間さまも、理とやらで動いちゃいねえ。今度のこればかりは、どうにもこうにも俺も抑えられねえんだ。非情でならす「蝮」にも宿る恋心。胸を打ち、心を揺さぶる大江戸の情。
感想・レビュー・書評
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夏の寝床で読むにはちと暑苦しい。2008.08.12
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過ぎても足らざるもしっくりしない。説明調であるが歯切れのいい文体。結びは読者の想像に委ねるやよし。
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日々の生活の中で浮かんでくる、やりきれなさや不安やせつなさを丹念に描いてくれる。犯罪は悪いがそれまでの過程には、人それぞれどうしようもないものがあるのだと説明してくれる。古い人間には安心して読めるシリーズになっている。
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半年に一度定期的に刊行される《慶次郎縁側日記》シリーズの最新刊。シリーズに「脇役」という文字通り脇役にスポットライトを当てた作品があるが、本作も慶次郎本人が登場するのは最後の数ページだったりして慶次郎本人が「脇役」となっているものが多い。今回は慶次郎の娘婿晃之助の登場すら少なく、晃之助の同僚島中賢吾をフィーチャーした「五月雨るる」が光ってる。すっかり好々爺となってしまった慶次郎だが、心の奥底には未だに燻る重いものがあることも忘れずに描くけれども、「罪を起こさせない」仏の慶次郎は健在で罪が罪になる前に事の解決を図る。シリーズが長くなるんで、そろそろ半年くらい掛けてじっくりと謎を解く大きな事件に挑むとかして欲しいところだな。蓬田やすひろの挿画カバーを外すと慶次郎の、そして全ての人々の心に潜む刃が見える