- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103892168
感想・レビュー・書評
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著者、北原亞以子さんの作品、ブクログ登録は3冊目になります。
どのような方か、ウィキペディアで再確認しておきます。
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北原 亞以子(きたはら あいこ、本名:高野美枝、1938年1月20日 - 2013年3月12日)は、日本の小説家。
東京・新橋の祖父からの椅子専門の洋家具職人の家に生まれる。4歳で父が南方戦地で戦死し、6歳の1944年(昭和19年)11月30日に空襲で生家が焼失し、7歳で終戦を迎える。
---引用終了
で、本作の内容は、次のとおり。
---引用開始
父は東京芝の家具職人で、長男だから出征することはないと安心していたと思う。戦地から届いた葉書は、子供が喜びそうなビルマの珍しい風習や自分の似顔絵などの「絵入り」だった。国民学校の入学時には私の姿を想像し、描いてきた。絵入りの葉書に込められた父の思いと戦時下の暮らし。直木賞作家が綴る追想記。絵入りの葉書、多数収録。
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著者は時代小説家といって良いと思います。
が、本作は、ご自身の戦争体験について書かれた作品になります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一言でいえば、いい本である。私は、小説をほとんど読まないので、事実に基づく無味乾燥的な文章ばかりを目にしているわけだが、この本は、家族の暖かさを感じられる感動的な内容であった。ノンフィクションも直木賞作家の手にかかると、こうも暖かい作品となるのかと驚いた。著者が言うとおり、既に記憶が風化してしまっているため、史的文献としての価値はあまり高いとは言えないと思うが、父からの手紙の絵によって、戦地も豊かでのどかな地域・時期があって、南方戦線がとにかく悲惨一色ではなかったことがよくわかった。また、戦時中の東京の様子や生活について、その一端を知ることができた。
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戦地にいた父からの手紙を中心に、著者の戦争体験を書いている。
途中から泣けて泣けて困った。妻や子供にあいたかったろうなと思う。 -
2012年読了
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戦地にいる父親から送られたイラスト入りの葉書を載せつつ
戦時中の生活の様子や人間達の関わり方がわかって興味深い1冊。
戦死した父親に思いを馳せながらも、必要以上に美化したり被害者ぶったりしていないのがいい。