脳を鍛える (東大講義 人間の現在1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103955047

作品紹介・あらすじ

ルネサンスから宇宙の根本原理まで。21世紀の「学問のすすめ」。

感想・レビュー・書評

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  • 1680円購入2000-00-00

  • 東大生に向かって公演した内容。
    けっこう物理学とかはいっていたが、
    一般教養で理解できてしまう東大生が、
    不思議!

  • ヴァレリーの話が興味深かった。

  • 教養とは何かをその圧倒的な知識量で教えてくれる。世の中にはこんなにも知らないことがあったのかと愕然とすると共に、大学生として学びたいリベラルアーツが見えてくる。より幅広い知識を得ようとするための入門書としておすすめしたい。

  • 色々な内容が書かれていて面白いのだが、如何せん言葉に刺があって、あまり好きにはなれない本だと思った。だが、内容は納得できる部分はかなり多いし、様々な所から著者の思考の深さがよくわかる。物の見方や、考え方は参考になる部分が多かったし、後半の物理学の話は非常に興味深いと感じた。
    だが、やはり自分にはどうも合わなかったようだ。
    おそらく、20歳になったくらいにもう一度読みなおしてみれば、評価は変わるだろう。今自分の考えていることに対して、深く踏み込んだ所がいくつかあり、個人的にはネタバレされたような気分になった。まだ、著者の考え方が「1つの意見」として取り込める段階に達していなかったからだろうと思われる。
    対象とする年齢は、大学生に入って少ししたくらいの人であろう。少なくとも、それくらいの精神的な年齢は必須だと感じる。
    今後、自分が歳をとった時に読み返してみて、どんな感想を得られるのかが楽しみに思えるような本だ。おそらく今とはなかなか違う感想が得られるに違いない。

  • 社会に出て何が市の仕事をするためにはあらゆる人を相手取って議論を戦わさなければならない.
    キエルケ・ゴールの死に至る病;絶望を意味する
    ニュートンの運動の三法則
    ①慣性の法則
    ②運動の法則
    ③作用・反作用の法則

    人間の文化活動のすごいところは,たいてい社会有用性ゼロのところで行われている.社会はその活動をどれだけ支えられるか.
    大学は自己教育の場である.定式化された知識をいかに正しく覚えるかで評価された世界から,自分で学んでいく世界に変わる.そういう世界に順応する(内的モチベーションあり)か,どうしていいかわからなくなる(内的モチベーションなし)か,どちらかである.
    学校秀才に欠けているものがユニークさであり,クリエイティビティである.大学に入った時点では何物でもない.
    二十歳前後は知的自己形成の感受性期である.人間的にすごい人と刺激を与え合うことが大事である.
    まず,ことが起きたらとにかく現場にできるだけ早く駆けつける.次にことが起きている範囲を見極め,その全体像が眺め渡せる見晴らしのきく場所を確保する.そこからあちこち眺めて,一番面白そうなことが起きている場所を見つけてその現場に駆けつけるそこについたら,人波を押し分けかきわけ,とにかく一番前の一番よく見える場所に強引に割り込んで,ひたすら熱心に見物する.その現場でのドラマのクライマックスがすぎたなと判断したら,未練を残さず立ち去り,再びもっとも見晴らしのいい場所に立ち戻り,次にもっとも面白そうな現場がどこかを見つける.
    大切なことは自分自身を知的にどういう人間に育て上げていくかという自分の頭の将来設計を考え,それを実現していくための知的練磨計画を練ること.それができたら一刻も早くそれを実践していくこと.
    細分化とそのカウンターバランスである総合化をはかる動きがないと,細分化の挙句に解体され,知の全体像が見失われる.
    C・P・スノー;二つの文化と科学革命
    知の解体現象がはっきりと認識されるようになった.文科系と理科系の知識がひどい乖離状態に陥っている.

    熱力学第一法則;エネルギー保存則
    熱力学第二法則;エントロピー増大の法則
    生命誕生,秩序の成立には第二法則の反対概念,つまり自己組織化現象,エントロピー減少系が存在する.

    相対性理論
    高速で動いている系では,距離が収縮し,質量が増加し,時間が遅くなる.強調していることは,ニュートンが提唱していた絶対静止空間がなく,運動はすべて相対的にしかわからないということ.
    特殊相対性理論(1905年)
    空間のすべてが等質ではなく,ニュートン力学が成立している空間と,それに対して一様な運動をしている空間(慣性空間)では,全く同じ物理法則が成り立つ.
    一般相対性理論(1915~6年)
    空間一般(座標系)に話を拡大

    ガリレオ・ガリレイの相対性原理
    慣性空間の原理を運動の法則に対してのみ適応
    相対性理論は電気力学の法則,光学の法則にまで適応

    これらの諸法則は,空間の対称性と深く結びついている.

    相対性理論が提唱されるまでは,宇宙にはエーテルという絶対静止状態の物質によって満たされ,それを介して光や電磁波が伝わると考えられていた.

    大事なのは,その常識破りの大胆な発想に,前提としての十分な根拠があるかどうか.その説に事実との整合性が十分にあるかどうか.
    ヤンとリーのパリティの保存に関する実験(1956年)
    世界は本質的に対称であるという常識を覆した.対称性はすべての保存則に繋がる.

  • 「人間はどこからきて、どこへ行こうとしているのか?」
    「人間はそもそも何なのだ。」
    「人間は一体どういう存在なのだろう。」
    という強烈な問題意識。

    「人間の知の世界の全体像をとらえ直すこと」

    「ボクは何よりも大事な歴史は、知の歴史だ。
    人間の知というのは、歴史的に驚くほどダイナミックな
    変貌をとげてきました。」

    「環境とは、私以外のすべて
    宇宙とは、私を含むすべて
    環境と宇宙のあいだのたったひとつの違いは、私」
    fromラッセル・シュワイカート(アポロ9号宇宙飛行士)
    toバックミンスター・フラー

    「人間とは精神である。
    精神とは何であるか?
    精神とは自己である。
    自己とは何であるか?
    自己とは自己自身に関係するところの関係である。」
    キルケゴール 『死にいたる病』

    「結局、人間が生きた軌跡というのは、
    いきる過程で次々にくだしていく価値評価の
    時系列の総和として残されていくのです。」

    「価値判断の違いは、
    その人の価値体系の違いです。
    そして、価値体系の違いこそ、
    その人の個性の根幹にあるものなんです。」

    「<私>の視点から外部世界を見るのではなく、
    自己の内部に入って、<私>と<自己自身>の
    関係性において自己をとらえ直して見ると
    いう新しい見方です。」

    「<私を見る私>と<私から見られる私>に
    分割し、その両者の関係において、
    自己をとらえてみると、そこにはあらゆる
    矛盾と二律背反があらわれてくる。
    それを統合するものとして自己があるということです。」

    「アインシュタインのグリア細胞が特に多かったのは、
    脳の39野と呼ばれる頭頂葉連合分野の部分だった。」
    マリアン・グリーヴス・モリス

    前頭葉の場合は、前頭葉に原因があるとは
    はっきりわかっている病変がない。
    1935年から1960年にかけて、
    ある種の精神異常患者の脳にメスを入れて、
    前頭葉の前頭前野部分を切り離すロボトミー手術
    というものがおこなわれていた。

    「はげしい不安症状や異常行動といった精神病症状が
    緩和されると言うプラス面がもっぱら評価され、」た
    しかし、「仕事への興味をなくす、失敗を気にしない、
    積極性がなくなる、自発性が欠如する、
    無気力になる、抑制性が欠如する、野心が欠如する」
    という人格変化が起こった。

    前頭葉のやっていることは、
    「仕事に興味を持つこと、失敗しないように注意すること、
    計画性、積極性、自発性、気力、やる気、
    自己抑制、野心」といったこと。

    人間らしさは、「生きる方向づけ、動機づけ、
    気力、意欲、目的、目的実現のための計画能力、
    注意能力、自己抑制能力」といったものにある。

    「感覚器官から情報が入ってくる感覚野、それに、
    運動器官に出力がでていく運動野、
    この2つがまずわかって、その間にあってそのどちらでもない、
    よくわからない領域を連合野と名づけたのです。」

    「主な連合野は3つありまして、
    前頭葉がある前頭連合野、
    39野がある頭頂連合野、
    認知機能に大きな役割を果たしている側頭連合野です。」

    誰でも自信過剰と自信喪失のあいだを
    しょっちゅう揺れ動くものです。
    頭の中では何でもできるような気がしているのに、
    いざ現実に具体的に何かをやろうとすると、
    何もできない。自分はほとんど無能であること
    を思い知らされて絶望する。
    感情の揺れ動きの幅も大きく、
    感動の極を味わったかと思うと、
    反対に軽蔑の極にいたったりする。

    ヴァレリー 「テスト氏との一夜」
    ヴァレリーは、「曖昧なもの、不純なもの一切、
    人間的な感情、心の揺れ動きの一切」を捨てた。

    ヴァレリー、小林秀雄、そしてデカルトの物語は、実に面白い。
    小林秀雄の限界をかいま見た。

    純粋観客 デュアメル
    「決して闘技場に自らおりていかないこと。
    知性をとぎすまして、何ごとにも動ぜず、
    ひたすら、見、聴き、測り、評価し、
    推論することに徹すること。
    それは、冷たくて傲慢で貴族的に見えるかもしれないが、
    それだけに徹すること。
    そういう場面で観客に徹していると
    空しく思えるときがあるかもしれない。
    こんな見物をつづけるより、
    みずからの身を情熱に焦がすべきなのではないか
    と思えるかもしれない。
    しかし、それに徹すること・・」

    CPスノー「2つの文化と科学革命」
    文科系と理科系の乖離。
    文科系のヒトは、理科系を「シェークスピアも読まないで」
    と批判するが、
    文科系の人に、「熱力学の第2法則もしらないで」
    と批判する。

    アインシュタインの相対性原理の法則とは、
    「時間と空間」の概念の根本的な変革

    パリティの法則 自然界は、左右対称であること。

    エイシスト エイシイズム atheism 無神論者
    アグノスティック agnostic 不可知論者
    「神はいるかもしれないし、いないかもしれない。
    そんなことは人間には知り得ない。」
     
    「調べて書く」ということの大切さ。

  • 幅広い分野の教養に触れることで、知的好奇心を促す本となっている。

  • 「まだまだ知らないことも知りたいこともたくさんあるな」「自分はまだまだ馬鹿だな」と思わせてくれる一冊。

  • 知の巨人立花隆による東大講義録。人間とは何か、この世界はどのように成り立っているのかということを考えるために諸学問は必須であるが、その際に理系と文系を専攻する者の間に横たわる埋めがたい溝の深さに著者は警鐘を鳴らす。教養など犬の糞以下だと思っていた大学1年のころの自分に読ませてあげたい貴重な一冊。

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著者プロフィール

1940年生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、文藝春秋入社。66年退社し、東京大学文学部哲学科に学士入学。その後ジャーナリストとして活躍。
74年、『文藝春秋』誌に「田中角栄研究 その金脈と人脈」を発表。79年『日本共産党の研究』で第1回講談社ノンフィクション賞受賞。83年、第31回菊池寛賞、98年第1回司馬遼太郎賞を受賞。
著書に『中核vs革マル』『宇宙からの帰還』『「知」のソフトウェア』『サル学の現在』『臨死体験』『ぼくはこんな本を読んできた』『天皇と東大』など多数。

「2020年 『自分史の書き方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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