夜のピクニック

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 5994
レビュー : 1154
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103971054

作品紹介・あらすじ

夜を徹して八十キロを歩き通すという、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。生徒たちは、親しい友人とよもやま話をしたり、想い人への気持ちを打ち明け合ったりして一夜を過ごす。そんななか、貴子は一つの賭けを胸に秘めていた。三年間わだかまった想いを清算するために-。今まで誰にも話したことのない、とある秘密。折しも、行事の直前にはアメリカへ転校したかつてのクラスメイトから、奇妙な葉書が舞い込んでいた。去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労。気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る-。

感想・レビュー・書評

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  • とてもおもしろかったです。

    ひたすら歩くだけの歩行祭のなかで、いろんな思いがかけめぐります。
    青春っていいな。
    とても素敵な作品でした。

  • 朝8時から翌朝の8時まで歩くという、ある高校の行事。
    この24時間の間で繰り広げられる、それぞれの若者達の思い。
    軸となるのは甲田貴子と西脇融の異母きょうだい。
    存在は知っていたけど、まさか同じ高校になって、
    3年で同級生になるなんて・・・

    この2人を取り巻くお互いの親友、同級生・・・
    2人の複雑な気持ちがだんだんと溶け合っていくさまが、
    清清しく爽やかに描かれていると思います。
    分かり合える友達っていいですね。

  • 登場人物たちと、一緒に歩いているような気分になり面白かったです。
    友達を思いやる心、何かを成し遂げる達成感を感じることができ感動しました。
    主人公の頑なだった心が溶けていく瞬間が、読んでいる私にじわじわと伝わってきた時には、嬉しくなりつい喜んでいました。

  • 誰も死なない、ハデな事件もない。
    でも、ものすごいことが起きた。気持ちに。

    とっても良い作品です。読み継いで欲しい本です。

    インターネットで場所を越えて、つながりがもてるようになった。
    本は、世代をも超えていく力があると思う。

    恩田 陸さんは、北村 薫さん、宮部みゆきさんと同じ感じ、人の色がした。

    「夜のピクニック」を手にとって良かった

  • こういう一夜物語すき。青春がキラキラ。

  • 4.4
    さすが本屋大賞
    面白かった。
    類を見ない視点、引き込まれました。

  • 2018.10.14.
    すごく良かった。

    前半は、淡々としてるなぁ…。最後オチあんのかなぁ…。なんて思ってた。
    ごめんなさい。すごく良かった。泣けた。もう素晴らしい登場人物に。みんな良かった。
    本屋大賞受賞したのわかる。
    後半一気に読んだ。
    今回初めて恩田陸さんの作品を読んだからまた今度違う作品を読んでみようと思う。
    また1人好きな作家さんができたかもしれない。

  • 再読です。名作です。
    いつも文庫しか買わない私が、
    新刊でハードカバーを買ったという珍しい1冊です。

    「時間の感覚というのは、本当に不思議だ。
    あとで振り返ると一瞬なのに、
    その時はこんなにも長い。」

    受験期を目前に控えた高校3年生最後の行事、
    夜間歩行中の主人公の心情を説明した
    上記の一節が本当に胸に染みるのです。
    そして、他にもぐっとくる一節いっぱい。

    高校生活って、どうしてこんなに刹那的なんだろう。
    大人になりたくて、でもこのままでもいたくて、
    あふれる生命力を持て余してうずうずしている。

    読書感想文で生徒にたまに薦めていますが、
    本当は高校を卒業した人に薦めたい。
    きっと共感できる一節が見つかるはずだから。

  • ミステリー作家さんだと思っていたのでそういう内容を期待して読んだところ、そうではなかった。

    舞台はある高校で行われる24時間の歩行祭。
    物語は異母兄妹である融と貴子の目線で交互に描かれる。
    途中までは2人やその友人関係などが淡々と書かれていて、私には合わないかなと思ったが、中盤からの展開とテンポがよく、後半はとても引き込まれてあっという間に読了した。
    気付けば私は2人の成り行きをハラハラしながら見守っていたし、友人達の性格もしっかりと出来上がっていて見事だなと思った。
    最後だけが主人公の2人のどちらの目線でもないというところもよかった。

  •  本書は、作者の恩田陸氏が、母校茨城県立水戸第一高等学校で毎年10月に開催される伝統行事「歩く会」(作中では歩行祭)をモデルに執筆した小説であり、実際のイベント同様、往復約80kmの道のりを一昼夜ほぼ徹夜で歩く設定となっている。

     「みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。どうして、それだけのことが、こんなに特別なんだろうね。」

     この台詞は、私たち読者が読後に感じることとなる本書の魅力に相通ずるものがある。主人公の甲田貴子と西脇融が心許せる同級生にも匿しつづけてきた事情の行き着く先にあるもうひとつのゴールを見守ることもまた、本書の醍醐味となっている。仲間たちとの友情のみならず、高校三年生のこの時期だからこそ感じる過去に対する愛着や後悔、未来に向けた焦燥や躊躇などが瑞々しく描かれ、第2回本屋大賞(2005年)をはじめとする各賞の受賞に相応しい青春小説と思われる。

    昨日から歩いてきた道の大部分も、これから二度と歩くことのない道、歩くことのないところなのだ。そんなふうにして、これからどれだけ「一生に一度」を繰り返していくのだろう。いったいどれだけ、二度と会うことのない人に会うのだろう。

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著者プロフィール

恩田 陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。幼少期は名古屋、長野、富山、仙台などを転々とする。高校時代は茨城県水戸市に在住。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。
1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。
2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞と第14回本屋大賞を受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。2019年秋、石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化。

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