夜のピクニック

著者 :
  • 新潮社
3.77
  • (947)
  • (1050)
  • (1502)
  • (95)
  • (27)
本棚登録 : 5893
レビュー : 1140
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103971054

作品紹介・あらすじ

夜を徹して八十キロを歩き通すという、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。生徒たちは、親しい友人とよもやま話をしたり、想い人への気持ちを打ち明け合ったりして一夜を過ごす。そんななか、貴子は一つの賭けを胸に秘めていた。三年間わだかまった想いを清算するために-。今まで誰にも話したことのない、とある秘密。折しも、行事の直前にはアメリカへ転校したかつてのクラスメイトから、奇妙な葉書が舞い込んでいた。去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労。気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • とてもおもしろかったです。

    ひたすら歩くだけの歩行祭のなかで、いろんな思いがかけめぐります。
    青春っていいな。
    とても素敵な作品でした。

  • 朝8時から翌朝の8時まで歩くという、ある高校の行事。
    この24時間の間で繰り広げられる、それぞれの若者達の思い。
    軸となるのは甲田貴子と西脇融の異母きょうだい。
    存在は知っていたけど、まさか同じ高校になって、
    3年で同級生になるなんて・・・

    この2人を取り巻くお互いの親友、同級生・・・
    2人の複雑な気持ちがだんだんと溶け合っていくさまが、
    清清しく爽やかに描かれていると思います。
    分かり合える友達っていいですね。

  • 登場人物たちと、一緒に歩いているような気分になり面白かったです。
    友達を思いやる心、何かを成し遂げる達成感を感じることができ感動しました。
    主人公の頑なだった心が溶けていく瞬間が、読んでいる私にじわじわと伝わってきた時には、嬉しくなりつい喜んでいました。

  • 誰も死なない、ハデな事件もない。
    でも、ものすごいことが起きた。気持ちに。

    とっても良い作品です。読み継いで欲しい本です。

    インターネットで場所を越えて、つながりがもてるようになった。
    本は、世代をも超えていく力があると思う。

    恩田 陸さんは、北村 薫さん、宮部みゆきさんと同じ感じ、人の色がした。

    「夜のピクニック」を手にとって良かった

  • 再読です。名作です。
    いつも文庫しか買わない私が、
    新刊でハードカバーを買ったという珍しい1冊です。

    「時間の感覚というのは、本当に不思議だ。
    あとで振り返ると一瞬なのに、
    その時はこんなにも長い。」

    受験期を目前に控えた高校3年生最後の行事、
    夜間歩行中の主人公の心情を説明した
    上記の一節が本当に胸に染みるのです。
    そして、他にもぐっとくる一節いっぱい。

    高校生活って、どうしてこんなに刹那的なんだろう。
    大人になりたくて、でもこのままでもいたくて、
    あふれる生命力を持て余してうずうずしている。

    読書感想文で生徒にたまに薦めていますが、
    本当は高校を卒業した人に薦めたい。
    きっと共感できる一節が見つかるはずだから。

  • こんな行事あったらちょっと嫌だなw
    って思って読んでみた。
    この歩行祭を通して高校生それぞれの思いが交錯する。
    一番キーパーソンだったんじゃないかっていうのは
    杏奈。そして彼女のおまじないだろう。
    終わり方もすっきりと大団円で青春を感じる一冊だった。

  • ドキドキするような付箋がいくつか張られていたけれど、回収がなんとなく予想のつくようなものばかりで、特に驚きなどはなく、終わってしまった。対象年齢が少し低めに設定されて書かれているものなのかな、と思わせるようなありきたりなハッピーエンドだったので、個人的には好きな物語ではありませんでした。特に心理描写や風景描写で魅せるタイプのものでもなく、ストーリーが重視される物語であると思うので、退屈だなと感じる人と、甘酸っぱい青春を感じさせていい!と感じる人で分かれる気がします。

  • 2005年本屋大賞(第2回)、吉川英治文学新人賞の受賞作。

    ちょっとネタバレ注意。
    いつ言うんだろう、頑張れよ融、頑張れよ貴子、と思っている間に、順弥の再登場で一気にクライマックスへ。榊杏奈、順弥の姉弟がキーマンだと分かっていながら、ここでそうきたか、と良い意味で不意打ち食らいました。それくらいストーリーに引き込まれてたということですね。この感じは久しぶり。とても面白かった。

    当時は、やっぱり「付き合っている」という、そのステータスを求めている空気はあったなあ。硬派で通してた(?)自分でさえも、部活を引退した夏以降、ちょっと焦りもあったし、髪の毛を見よう見まねでセットしてみたり、誰が告白した、されただの、そんな話を聞きながら、自分のキャラは硬派だしどうしようかな、とか考えていたのを思い出して、恥ずかしいというか、むず痒い気持ちになりました。

    皆、いろんな秘密を持っていて、カミングアウトするかしないかを悩み、またそのタイミングを探している感じ。それは、自分の中ではすごく大事なこと。今の高校生は、融らのように気持ちの揺れ動きを分析できているものなのなんでしょうか。大人びているというか。青春小説を読むといつもそう思います。
    自分はどうだっただろう。少なくとも自分は、ただただ無我夢中というか、のほほんとレールに乗っかって生活していた。自分が何かを真剣に考えていた、という記憶があまりないんですね。高校野球一筋だったからかな。今になって「もっといろいろ考えてたら良かったな」と思うのですが、その時、無我夢中で熱かったことが青春かな、と思うし。青春だけじゃないですよね、人生、後から思い返して、いろいろ考えることばっかりです。

    なぜ歩行祭が舞台なんだろうと思ってましたが、作者である恩田陸さんの母校の「歩く会」がモデルになっているんですね。実在していたのか。納得。

  • 以前から読まないとなー、と思っていた本。期待通り、青春時代を思い出させて貰いました。
    高校生の時って、友達のことや自我について、そして取り留めのないことまで、いろいろ悩む時だと思います。
    そして、仮眠をとりながら丸一日かけて歩くという校内イベント‘歩行祭’は、そんな高校生にとって忘れられない思い出になるのは間違いありません。
    主人公達が最初は誰と誰が付き合っているという話題から、時間が経つに従って内面まで踏み込んで話し合っていくという過程が良かったです。
    お薦めです♪

  • ただ歩くだけなのに 特別なんだね。大人になるにつれ、意味のないことに 情熱を燃やせなくなってくる。意味のないことなんて 何一つないのに。情景が思い浮かび、個人的に思い入れの深い一冊。

全1140件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

恩田 陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。幼少期は名古屋、長野、富山、仙台などを転々とする。高校時代は茨城県水戸市に在住。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。
1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。
2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞と第14回本屋大賞を受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。

夜のピクニックのその他の作品

恩田陸の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

夜のピクニックに関連する談話室の質問

夜のピクニックを本棚に登録しているひと

ツイートする