歩道橋シネマ

著者 :
  • 新潮社
3.06
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本棚登録 : 1432
感想 : 164
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103971122

感想・レビュー・書評

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  • SF風味、ファンタジックな設定を伴った短編をさまざまなニュアンスで楽しめる短編集でした。

    作者の作品を読むのは随分久しぶりだったのですが、こういう淡々とした文体で、時折すっと異世界へいざなうような、夕闇から黒い手がにゅっと伸びるような世界が変異する話をすっと描かれる方でもあったな、と思いました。青春系の小説も良く読みましたが、個人的に印象的だったのは、説明のつかないもの、ものやひとの異端を描いた作品のほうでしたので。

    風鈴と表題作が私はとても好きでした。薄闇へいざなっていく風鈴の醸し出すうそ寒い情緒と、人が垣間見てやまないうつくしい記憶にすがる気持ちを描いた表題作、どちらも不可思議が強く出た話ながら、受け取る印象が全然違い、その妙味がとても好ましく思いました。

  • 恩田陸さんの最新作!昨年の「蜜蜂と遠雷」、先日読んだ「祝祭と予感」みたいな傑作長編とは違って、細かめの短編集でした。

    恩田さんらしくジャンルがバラバラで統一感なし。印象に残ったのが「逍遥」「楽譜を売る男」と「柊と太陽」。今思えばどちらも笑ってしまえる作品だな。「

    球根」「降っても晴れても」や「ありふれた事件」も不思議ワールド。

    まぁどの物語も面白いけど、全体的にやや物足りなさが残るのは短編集だから仕方ない。あと少し過去作品との絡みもあり。

    にわか恩田ファンには楽しめるかどうか?あとがきを読みながらだとよく分かる。

  • サラサラっと読める短編集(^^)あとがきを読んでから読むと二度楽しい!はず…(図書館本だから、二度読む時間がないけど(-_-;))いろんな所から集まってきた短編だから「あらっ?読んだことがあるような…(・・;)」と思っている話はきっと読んでいるんだろなぁ(^^;)記憶力が…(>.<)

  • 雑多な印象のある短編集。ジャンルも長さも様々。装丁が綺麗だな。

  • 超短編あり、作り込まれた短編あり、スピンオフありのごった煮短編集。
    個人的には表題作がめちゃくちゃ良かった。
    この後どうなるの?!というドキドキや感情移入する詳細な人物像があるわけではないのに、壮大な映画を見終わった後みたいに胸を打った。
    あと、あとがきでそれぞれの短編の誕生秘話的なコメントがついてたのが楽しかった!
    「一流の作家もこんな色々考えながらお話を書くんだな…」という謎の親近感を覚えたり…するかは分かりませんが……

  • 短編集だった。
    サクサクは進まなかったな。

  • これの前に「喧騒の夜想曲」を読んだから、日傘王子の短編はもう読んでた。
    ちょっとがっかりした笑。

    三月シリーズの短編が入ってるので、シリーズファンは読むべき。
    「謎の館へようこそ」と同じ短編らしいけど。

  • 恩田陸のショートショート?しかし星新一のようにはいかなかったようである、ほとんど流し読みで多少面白いと思うものはあったが、すぐ忘れてしまうだろう。著者は偶にSF物や怪異物を書くようだが、出来はよくない。本道を進んでもらいたい。

  • 球根、が特に好き。これシリーズ化してほしい〜!

  • 不気味な作品が多くて好きな短編集でした。スピンオフも多くて、理瀬シリーズのスピンオフ嬉しいです。
    「あまりりす」「柊と太陽」と猫のお話が特に好きでした。「悪い春」はアンソロジーで既読でした。
    「柊と太陽」、「ネクロポリス」を思わせるクリスマスの魔改造に笑いました。こんな「三田」嫌だ。衆生への救済に「滅理、来衆益す!」を今年のクリスマスの挨拶にします。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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