- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103982067
感想・レビュー・書評
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読んで、はいっ!おしまい。というタイプの本ではない。直接この本から何かを得ようとすべきではないし、時間がないときに読むべきではない。時間があるときにじっくり読んで、ときどき本を閉じて思索にふける、というタイプの本である。決して今の時代のニーズには合っていない本である。しかし、彼の思考に付き合える人にとっては、著者と濃密な時間を共有することができるだろう。
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思ってた通り、非常によかった。「小説の自由」に続く小説論。であり、ある意味でこれもすでに小説である。というこの作品。きっとこれから先、何度も何度も読むことになるだろうと思う。この作品では多くの引用があるけれど、その部分もなんとかかんとか読んでいくことが重要だろうと思う。そうしないと、言わんとしたいことが掌からいつのまにか零れ落ちてしまう。あとがきで背中がぞくっとした。6月に脳梗塞で倒れ、意識が戻る可能性はまずないとすら言われている小島さんに関する記述で。言葉をかみ締めた。(06/10/23)
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保坂和志「小説の誕生」http://www.chuko.co.jp/bunko/2011/08/205522.html … 読んだ。おもしろかった。小説論3作で一番読みやすい。要約も説明も結論もないのが小説。音楽を聴くように美術作品を見るように小説を読む(なるほど!)小説世界の体験が自分の思考へ作用する。哲学書を読む楽しさがあるなあ
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小説論。レーモン・ルーセル、サミュエル・ベケット、小島信夫、阿部和重など、色んなタイプの文章が読めるのが楽しい。濃密。11章でクロソウスキー「ディアーナの水浴」の話あたりから内容が理解できなくなってしまったが、読んでいるときは脳が触発され、とりとめなく考えが浮かぶ。不思議な読書体験だった。