女流阿房列車

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103985068

感想・レビュー・書評

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  • はぁ〜、酒井さんの鉄子エッセイは
    やっぱり旅心をくすぐるわ。
    でも、この本で彼女が挑戦した(させられた)
    旅の真似はちょっと(笑)

    少なくとも『地下鉄全線一日乗車』や
    『東海道五十三乗り継ぎ』はヤダ。
    途中で下車してなんか楽しまないと…。
    北海道で、ただずーっと乗っている
    『鈍行列車耐久』なんかは、別に車窓が楽しいと思うし
    乗り継ぎであせらされるわけでもないから
    それはそれでOKなんだけど。
    そこらへんがビミョーな感覚なのだな。
    だって、のんびり旅気分を楽しみたいから
    列車に乗りたいんだもん!

    そういう意味では『四国お線路さん』は魅力的だ( ^∀^)
    めっちゃ行きたくなって、乗りたくなったよ予讃線。
    ああ〜、どっかテツ旅がしたい〜〜。

    ちなみに、この中には小学館とのコラボ企画
    『鉄子の旅』に同行する酒井順子の巻
    も収録されてます。

  • 女流阿房列車に果敢に(?)挑戦したのは、『負け犬の遠吠え』の著者酒井順子女史。酒井さんは女子鉄(鉄道オタクの女性)だったんですね。しかし、本書は対談を含めて12の旅が記されていますが、彼女は一つとして旅程を組んではいません。旅程を組んだのは・・・
    http://naokis.doorblog.jp/archives/Lady_Aho_Train.html【書評】『女流阿房列車』 : なおきのブログ

    <目次>
    はじめに
    メトロな女 東京の地下鉄全線完乗16時間22分
    鈍行列車の女 24時間耐久 1343.9km
    秘境駅の女 「鉄子の旅」同乗記
    【相互乗り入れ企画!?】
    「鉄子の旅プラス」菊池直恵 酒井順子さんと水のある風景を求めて
    膝栗毛な女 東海道五十三乗りつぎ
    トロッコ列車の女 紅葉独り占め京都「鉄学」の道
    9to5の女 根室本線 宮脇俊三さんに捧げる寝ずの旅
    廃線跡の女 日傘片手に北陸本線旧線を歩く
    こだま号の女 東京〜博多10時間半
    スイッチバックの女 信越本線・篠ノ井線「スイッチバック銀座」
    旧国名駅の女 四国巡礼「お線路さん」の旅
    【おまけ】鉄と油の二泊三日 九州一周揚げ物紀行
    徐行列車のふたり 秋田周遊車窓対談 原武史×酒井順子
    あとがき


    2018.03.31 女子鉄本を探して
    2018.05.11 読書開始
    2018.05.13 読了
    2018.05.16 品川読書会で紹介しそびれる。
    2018.05.21 朝活読書サロンで紹介する。

  • 2003年に宮脇俊三が亡くなったというニュースに驚いてから、もう10年以上にもなるのかと思うと、あらためて時の早さに驚く。巻頭を飾る「メトロな女」が小説新潮に掲載されたのは、まだその思い出が人々の旨に色濃く残っている2005年。宮脇俊三と同じ企画で、東京の地下鉄全線を一日 16時間半かけて乗り潰すという作品だ。しかし、酒井順子が内田百けんや宮脇俊三と異なるのは、その企画自体は新潮社の編集者が立てていて、自分は振り回される(のを楽しんでいる)だけというところ。『女流阿房列車』は単に著者の性別が女性であるということだけに留まらず、「ルールを引き擦り回すのではなく、ルールに引き擦り回される」楽しみを描いているという点で独特で、鉄道紀行のジャンルに新たな一ページを加えたと言える。久しぶりに宮脇俊三を読み返したくなった。

  • 「負け犬の遠吠え」の酒井順子が「東京の地下鉄全線に、一日で乗ってみませんか」という編集者からの提案に、何となく「はあ」と答えた結果、「鉄道を使って、つらい体験をしてみる旅」を次から次へすることになる。編集者が提案してくる企画は、東京の地下鉄全線完乗16時間22分の他に東海道を53回乗り継ぎ日本橋から京都を旅する膝栗毛な女、東京から博多までこだま号で完乗するこだま号の女など。
    「女子と鉄道」の筆者としても知られる鉄道好きの酒井さんが、内田百閒よろしく、鉄道に乗りつつ阿房になりきることの心地よさを伝える。

  • 『女子と鉄道』で鉄子ぶりを披露した酒井順子さん。今回は何と「阿房列車」を名乗ります。
    内田百閒-阿川弘之-宮脇俊三と続いた系譜は、宮脇氏が亡くなつたことにより途絶えたかと思はれましたが、ここに後継者が現れたか、といふ阿房ぶりであります。
    「女流阿房列車」の特質は、旅のプランはすべて新潮社のT氏(「出版界一の鉄人」ださうな)によるものであり、酒井さんはその過酷な旅程の遂行に全力を尽くす、といふ点でせうか。
    従つてどちらかといふと「鉄子の旅」文章版と表現する方が近いかも知れませぬ。
    (実際に「鉄子の旅」とのコラボレーションが実現、本書にも菊池直恵さんの漫画が収録されてゐます。)

    東京の地下鉄を1日で完乗したり(メトロな女)、廃線跡を訪ねたり(廃線跡の女)、最終旅の帰途に「個室寝台車」に乗つたり(旧国名駅の女)、宮脇俊三さんへのオマアジュとしての旅も目立ちます。私は「東海道五十三乗りつぎ(膝栗毛な女)」が面白かつた。終盤で、あと3乗りつぎ足りない!とか言つて無理矢理近江鉄道に乗るくだりなど、笑ひました。また、愛知県人としては地元の愛知環状鉄道、リニモ、ガイドウェイバスなどが取上げられてゐるのが嬉しい。酒井さんの「しかし『愛環梅坪』って、妙になまめかしい駅名だなぁ」といふ感想には驚きました。旅人の視点とは面白いものです。

    巻末には、『鉄道ひとつばなし』以来、「テツ学者」として有名になつた原武史さんとの対談があります。酒井さんとはなかなか意見が咬み合はないところが愉快であります。これは男女差といふよりも双方があまりに特異な嗜好を持合せてゐるためと思はれます。
    「小説新潮」誌上での阿房列車は完結した模様ですが、酒井さんにはぜひとも列車に乗り続けてもらひ、続篇を期待するものであります。
    では、失礼。

    http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-61.html

  • 女子と鉄道に続く酒井順子の鉄道エッセイ。
    普通のエッセイだと鼻持ちならないところのある酒井順子さんですが、鉄モノは違いますね。

  • テーマ(縛り)のある、でもゆるい感じの酒井女史による鉄道旅行記。「メトロな女」が最高だった。鉄道に対する酒井女史のスタンスが良い。

  • 他人に計画を立ててもらうという珍しい紀行文。
    絶対に起きていないといけないとか、普通列車でないといけないといったような厳しさとは対極の、ビューポイントでも平気で寝てしまう緩さが良い。

  • 2010/04/21 いちばんやってみたいのは、地下鉄のりつぶしかも。

  • 全体的にマゾっ気たっぷりな鉄道記、楽しく時に苦しく(笑)読みました。
    「メトロな女」東京の地下鉄完乗記。途中で首都圏地下鉄路線図を引っ張り出してきて見比べながら読むが、よくぞやったなぁと!
    この他にも、根室本線寝ずの旅、東京〜博多こだま各駅停車、東海道五十三次乗り継ぎ…など、ユニークだけど気力体力を要する旅ばかり。特に、鉄と油の二泊三日…九州の名物揚げ物を食しながらの旅は、読んでる側も胃もたれしそうだった。いや、私も揚げ物は大好きで、おいしそうな揚げ物ばかり出てきてそそられはしたけれど、連続となると…さすがにもたれる年頃ですので(^_^;)私より年上の酒井さん、胃薬飲みつつなんて体張ってるなとちょっと感動しましたよ。「鉄子の旅」との相互乗り入れ企画もナイスでした♪
    ここまで何々縛り…というほどの鉄旅はしたことはないけれど、似たような経験といえば、鉄道のスタンプラリーかなぁ。暑い最中、ルートを考えつつ、体力とお金の限界まで乗車下車を繰り返す行為。駅名しりとり(都営限定)でつなげつつのスタンプラリーというのもあったなぁ。酒井さんの過酷さには及ばないかもだけど、しんどいながらもそれを上回る快感…わからない人にはわからないかもしれんが、それが「阿房」ってやつなんでしょうかねぇ。

著者プロフィール

エッセイスト

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

酒井順子の作品

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