引かれ者でござい: 蓬莱屋張外控

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 59
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103986065

作品紹介・あらすじ

中継抜きで疾風のごとく駆け通す-スピードと信用が売物の、幕末の流通革命「通し飛脚」。注文主の難題を担いで江戸を発つ身ゆえ、予期せぬ異変は常のこと。切れかかった命綱をたぐり寄せつつ、ようやく見えたのは鬼か仏か-。越後の川に堰かれ、甲州上総の森に迷い、百里四方に展開する三つのサバイバル劇場。

感想・レビュー・書評

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  • 時代物の主人公や登場人物は、殆どの場合武士、或いは商人であり、その時代の掟のなかでいかに生きていくのかを描いたものが多いと思うのだが、本書の登場人物達は百姓や狩人、炭焼きといった人々であり、厳しい生活のなかでも、情を持って生きる人々の温もりのようなものを描いている。派手さはないけれど、筆者特有の渋味を感じさせる。

  •  蓬莱屋シリーズ2作目ですが、鶴吉と治助は初の登場です。
     宇三郎は相変わらずの男前ぶりで、鶴吉もそれに負けず劣らずでした。治助は大人の男の渋さの中に人の弱さも感じさせる、とても味わいのある人物です。
     登場してくる蓬莱屋の男達、全員渋くてカッコいいですねぇ。。。そして、その健脚がうらやましいです。

  • 前編、つばくろ越えを超えるような人情時代小説でした

  • 飛脚問屋蓬莱屋シリーズの 2 作目
    次はどこを旅するのか、楽しみ

  • 飛脚問屋蓬莱屋シリーズの第 2 作目。
    なんとシミタツの時代小説。
    3 つの中編からなるが、後になるほど出来が良いような気がした。
    昔はかなりシミタツ作品を読んだが、
    久しぶりに手に取った本作、
    いわゆるシミタツ節が消えており戸惑う。
    ハードボイルドでもない。
    山越えの飛脚の眼を通した、心地の良い人情話。
    巧いな。枯れたシミタツさんを味わえる。

  • あまり時代物は読まないんですが、読みやすかったです。

  • シリーズ化されて物語り全体が落ち着きを見せ始めました。
    江戸ではない土地を舞台に選んでくれるところがさすがです。

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著者プロフィール

1936年、高知県生まれ。雑誌のライターなどを経て、81年『飢えて狼』で小説家デビュー。86年『背いて故郷』で日本推理作家協会賞、91年『行きずりの街』で日本冒険小説協会大賞、2001年『きのうの空』で柴田錬三郎賞を受賞。2007年、初の時代小説『青に候』刊行、以降、『みのたけの春』(2008年 集英社)『つばくろ越え』(2009年 新潮社)『引かれ者でござい蓬莱屋帳外控』(2010年 新潮社)『夜去り川』(2011年 文藝春秋)『待ち伏せ街道 蓬莱屋帳外控』(2011年新潮社)と時代小説の刊行が続く。

「2019年 『疾れ、新蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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