- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104004034
感想・レビュー・書評
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暗躍した者達が次々と消え、彼らに加担しなかった晏嬰が宰相となる。景公は良い君主ではなかったが、晏嬰のぶれずにまっすぐな言葉に耳を傾ける姿勢は”愛すべきおバカな殿”であり、最後まで彼を育てようとし続けた晏嬰と魅力的なコンビであった。
ここまで暗躍し続けてきた崔杼は妻に手を出すどうしようもない君主・荘公を殺し、最後は自身も破滅するわけだが、妻を一人では逝かせないと首を吊る姿には悪役ながらも魅力があった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
余韻を以って、読了。
晏嬰は、最後まで、いろいろな形で景公を教育し続け、諫めつつ信頼されてきた。
戦乱の世の中、命を落としてもいい場面も何度でもあったのに、「社稷あるのみ」という一心と、彼の品格と父親の霊が、彼を守り続けたようにも感じる。
景公にも、種々のたとえ話で教育を行い、霊王とのやり取りなども、なんてうまいのだろうと感心する。。
「狗の国に来たものは狗の門から入る。私は楚の国に使者としてきたのでこの門からは入れません」「賢者は賢君に使いをさせ、不肖のものは不肖の君に使いをさせる」
最後、晏嬰が亡くなった時の景公の行動と言葉が2人の関係を象徴していてじーんと来る。
いろいろ深い。また読み直したい1冊。 -
下巻もほとんど通史風。 あまり主人公の姿が見えないかな。 なんか引き延ばすために内容が薄くなったのではないかという気もしてきてしまう。
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図書館から借りてきた。
晏嬰の活躍はまだか。暗躍しない。
臨終のとき、晏嬰の妻は枕頭(ちんとう)で訊いた。「なにかおっしゃりたいことはございませんか」「家俗が変わらなければそれでよい。そなたは家をよく視て、家俗を変えないようにいたせ」家俗とは家法といいかえてもよい。
家俗というのは、家のならい、ということである。晏嬰の下にいる者は、つねにこうでなうてはならないという、暗黙のさだめである。
その家俗の一として、家事が多忙でないときは、落ち着いて談議するものであり、それができぬ者はしりぞければよい。二として、家の外では相手の美点を称揚し、家の中ではおのれを切磋琢磨(せつさたくま)する、それができぬ者といっしょにいてはならない。三として、国事に関して論ずることをせず、士に驕ってみせ、智者をあなどるようなことをする者には、会ってはならない。 -
斉の国情が刻々と移りゆくなか、一人態度を変えず、まっすぐに生きる晏嬰の姿。彼と景公との関係には、感動せずにはいられない。
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上巻に感想を記載
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2008/7 再読