新三河物語 上巻

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104004225

感想・レビュー・書評

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  • 三河地方出身の宮城谷昌光氏が大久保彦左衛門の著書「三河物語」をベースにして書いた徳川家康とその重臣大久保家の波乱の物語です。家康の天下取りのために必死に戦場を駆け巡った大久保一族でしたが、関ヶ原合戦後に改易となってしまいます。その後に起こった大坂の役で彦左衛門が取った行動と、大久保一族が被った無念を晴らすために彦左衛門が「三河物語」を執筆したところ、意外な人物が訪れてくるところがクライマックスです。男として、彦左衛門の生き方に共感します。

  • 大久保彦左衛門はストレートでとにかくかっこいい。が、それよりも本多正信の毒が強烈過ぎる。家康も晩年には堕落してしまう。大久保忠隣や本多正純が哀れでならない。今は、風は山河より、のほうが好きだけど、何度も読み返すうちに逆転しそうな気もする。

  • 徳川家康のお話。なかなか おもしろいです。

  • これも宮城谷昌光氏の徳川家家臣物となります。
    江戸初期の頑固爺として有名な「大久保彦左衛門」が書いた三河物語がベースになってます。
    今回も彦左衛門だけが主人公というわけではなく、これも清康の時代からの「大久保家」が
    戦国時代をどう生き抜いたのかが描かれています。
    この作品を読んで、大久保彦左衛門が生粋の戦国武将だったことを知りました。
    大久保彦左衛門といえば、昔の時代劇などで年老いてからの方が有名ですからね。
    全三巻ですが、こちらも時代小説ファンの方にはオススメです。

  • 大久保家中心のストーリー。もう少し、家康が絡まないと読むのがしんどい・・

  • 家康と、家康の家に代々仕える大久保家の面々が主人公です。
    今川義元の死によって自由のみになった家康が三河平定を
    目論むところから始まりました。

    この上巻の見所は家康・大久保 VS 浄土真宗門徒の戦いです。
    一向一揆ですね。
    家中の誰が味方で誰が敵になるか、家康の家(松平家)は大きく揺れます。
    また、大久保一門の子供、平助(彦左衛門忠教:ただたか)が異能を発揮する
    場面も随所に見受けられます。
    4歳の平助が地面に書いた「南無妙法蓮華経」という文字に神意を感じた
    大久保の宗主・常源(忠俊:ただとし)が平助の未来に明るい思いを馳せました。

    いつも思うのですが、宮城谷さんの人物描写は活々として、ワクワクします。
    特に、背筋をぴんと張った凛とした人、この話の中だと常源や忠世(ただよ)が
    そうですし、他の作品に目を向ければ晏子父子、子産、楽毅などの描写が
    本当に素敵です。「こうなりたい」と思わせる人物を練り上げられる、それも
    一から好きなように練り上げるのではなく、史料の行間から立ち上る本人の情報を
    踏まえて書けるというのは素晴らしいことだと思います。

  • 戦国時代から江戸初期が子供のころから好きでしたが、このような視点で考えたことはなかったですね。

  • 081026

  • いつもどおりの宮城谷節。
    「風は山河より」の舞台が東三河で菅沼氏だったのに対し、今作は西三河で大久保氏。
    なかでも大久保忠世、忠佐、忠教兄弟が軸だね。
    一揆のえげつなさがよくわかるね。
    信長が必死になって潰しにかかったのも頷ける。
    いつもの事だが、筆が先走るのと中国史の知識が無いとところどころわからないだろうところが欠点かな。
    司馬宣王が司馬懿だとわかる人はどれくらいいるんだろうね。
    なんだかんだ言っても私は大好きなんだけどね。
    次巻以降が楽しみだ。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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