博士の愛した数式

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 7067
レビュー : 1320
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104013036

作品紹介・あらすじ

世界は驚きと歓びに満ちていると、博士はたった一つの数式で示した-記憶力を失った天才数学者、と私、阪神タイガースファンの10歳の息子。せつなくて、知的な至高のラブ・ストーリー。著者最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 時にはくすっと笑わせられ、
    時には人の純粋さや温もり、愛情の深さにしみじみとさせられ、
    また時には、切なくて涙させられる物語。

    人を思いやり、純粋な気持ちで起こす行動は、
    なぜこんなに心を打つのだろう。
    博士のピュアな人柄と深い愛情に、胸が熱くなる。

    ルート君の観察眼の鋭さに思ったことは、
    子どもって、実はよーく物事を見ているのだということ。
    むしろ大人より、余計な価値観とか先入観なく、
    純粋に冷静に人を見ているかもしれない。

    どうせわからない、とか、まだ子どもだから、と見下さず、
    個性や意思のある一人の「人」として、
    誠意を持って接することが大切なのだろう。
    ルート君が母親に対して怒ったのは、
    博士を信頼しなかったことはもちろん、
    そんな理由もあるのではないかと思う。

  • 不慮の事故で記憶が80分しか持たないという障害を負ってしまった博士のもとに家政婦として派遣された<私>。始めのうちは博士のとる行動に戸惑ったものの、博士の数学に対する愛情にも似た捉え方に徐々に魅了されていき、数字の中に潜む美しい秩序を自らも探してしまうほどになった。また、<私>の息子も小学生とは思えない思慮深さで、優しく接してくれる博士に対して尊敬と好意を抱いていた。そして博士と過ごした日々は、その後の息子の人生にも大きく影響を与えることとなった。
    とても優しい気持ちになれる読後感だった。

  • とても綺麗な話だった。
    博士が可愛い。
    数学とは程遠い生活を送っているが、これからは少し数字を意識してみようかと思った。
    大嫌いなはずの数学が、ほんの少し楽しいと思えるような、好きと思えるような・・・
    学生の頃に、博士のように教えてくれる人に出会えていたら良かったなぁと思う。
    80分しか記憶の持たない博士に、辛抱強く対応する(辛抱とは思っていなかったのかもしれないが)家政婦さんとルートは本当にすごい。
    義姉との絡みがもう少し深くあれば良かった。さらに深く読み応えのある話になっていたかもしれない。

  • よかったです。
    じんわりと胸打つ作品です。
    数学(数字?)にひらめく人って、
    何気なく見える数字の羅列に
    きちんと意味を見つけらるんだな、と
    うらやましくなりました。
    オイラーの定理は有名ですが、
    博士の提示する状況に「ここで!」と
    驚くと同時に「なるほど」でした。
    何度読み返しても胸が熱くなる作品です。

  • とても話題になった小説
    小川洋子の本ははじめて

    けっこう引き込まれて
    読んでしまいました

  • 良かった。
    数学の記述箇所はほとんど理解できないけれど。
    ラブストーリーってのはどうなのかな。
    まぁ、ラブはラブだろうけど。家族愛?
    読了感がとても良い。

  •  博士がルートを心配して家政婦の私を怒りつけるところがとても印象的でした。
     

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      最初に映画で観た「博士の愛した数式」
      とっても温かで、小川洋子の作品では一番好き。
      最初に映画で観た「博士の愛した数式」
      とっても温かで、小川洋子の作品では一番好き。
      2012/05/23
    • 君影草さん
      私は本で読んだだけで映画は見てないのですが、私もこの作品が大好きです!
      私は本で読んだだけで映画は見てないのですが、私もこの作品が大好きです!
      2012/05/24
  • 事故により脳の一部に損傷を受け、80分間しか記憶を保持できなくなった元数学者「博士」と、その家に家政婦として通う「私」、そしてその息子「ルート」の、心の交流のお話。

    小川洋子さんの文章は、すっと背筋を伸ばしてたたずむ、凛とした女性のような雰囲気。
    さわさわとした風が吹いて、水面に小さな波が続く湖のような静けさに満ちた作品。

    取り戻せないものが美しく切ないことを、改めて思い知らされる。
    出てきた数学の薀蓄は、ほとんど理解できなかったけれど…
    時間を忘れて読み耽り、読後。私のこころには、温かな感動がみちている。

  • 文体が美しくて丁寧なので、静けさが際立ってそわそわします。
    押し付けがましくないのに絶対に無視出来ないあたたかさが
    余韻としてふんわり残りました。
    上品です。

  • 記憶が80分しかもたなかったら・・・


    今まで思いつきもしなかったことを
    優しい物語の中でじっくり考えました。

    いや、考えるって言うのはちょっと違うかな・・・

    まぁいいや。

    とにかく、優しい物語で
    博士が大好きになる本でした。

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著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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