博士の愛した数式

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 7078
レビュー : 1320
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104013036

感想・レビュー・書評

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  • こんな感じの本は読んだことがなかったけどいい意味で
    悲しい気持ちになりました

  • 面白かった。数字って楽しいのがわかる。
    でも、あのババア、なんなんだよ。
    死んじゃったかもしんないんだよ。あれはないよね。
    むかついた。S12

  • 再読。宮下奈都さんの「静かな雨」を読んだら読みたくなったので。ふわりとした優しさに溢れていた。博士がいろんな数字に意味を見出すところが好き。特に友愛数の220と284。「見てご覧、この素晴らしい一続きの数字の連なりを。君の誕生日と、僕の手首に刻まれた数字が、これほど見事なチェーンでつながり合っているなんて」 参考文献の「数の悪魔」は大好きで何回も読んだ本だから小川さんも読んでいて嬉しい。

  • 私のだいっきらいな数学と、全く興味のもてない野球を、これほど美しく語れる本にびっくり!!

    とても幸せな気持ちになれる本

    どんなに自分の事をしていても、子供の為にはいくらでも時間を作る博士の姿勢は見習いたいな・・・

    そこにいるだけで、ただ愛すべき存在、娘の事を同じように思えば、愛情は必ず伝わるのかも・・・

    人に優しくなれない時、もう一度読もう!

  • 数学と野球という、私にとって全く興味のない分野をこんなにもわかりやすく優しい文体で書いてくれたことに感動してしまった。

  • 静かに噛み締めるみたいに幸福で、穏やかに切ない話。
    異名というのは自分を、今までそしてこれからもつきまとう“自分”から切り離して、異世界へつれていってくれる橋とか鍵とか、そういうものですね。よくも悪くも。

    幼いうちからきちんと自分に意味を与えられて、しかもそれが重責ではなく勇気や自信や誇りになるのは幸福なことだと思います。
    博士にもう二度と記憶されない、すべて思い出にならない。そういうことはたしかに悲しいですが、読後は負の感情は全くなく、むしろ温かく幸せな気持ちになれました。
    友人が「記憶は持続せず、覚えてもらえず、自分の存在は紙面上のものでしかないのに、それを未来の力に変えていける強さをもった少年(ルートくんのこと)でしたね。いい意味で数学の特徴なのかもしれないと今思いました。すっきりしている、引きずらない、そんな印象ですね。」と言っていました。そのとおり、一つの形としてその式が覚えられることはないですし、いままでに積み上げられ記憶されたやり方というもの以外はその一瞬、紙面上に存在し触れあうだけのもの、未来には繋がらない通過点ですから……。

    ガツンと意識を変える強さみたいなものでなく、そういう“想い”というものの強さがストレートに、水を飲んだときみたいに染み込んでくる作品でした。

  • 【内容】
    交通事故のせいで,記憶が80分ごとに上書きされてしまう博士と家政婦として派遣された「私」の物語.
    その独特な後遺症や絵に書いたような研究者らしい生活,博士の数字攻めに音を上げて辞める家政婦ばかりで,博士の家政婦は長続きしない.家事のスペシャリストである「私」も博士に苦労するが,少しずつ慣れていくと共に数の持つ力に魅了されていく.

    【感想】
    数学でも何でも,まるで哲学のように語り合うのって楽しいですよね.
    久々に数学に興味をもてました.そして,物理関係でもこんな感じの小説ないかな.読んでみたい.

    「私」視点だから良かったものの,博士の視点だったら別の作品になっていたと思います.
    朝起きてはじめに目にするものが,「僕の記憶は80分しかもたない」メモだったら.昨夜見たと思っていた夢が,実は遠い昔の記憶のものだったとしたら.
    そこまで言われて初めて「80分の記憶」について具体的なイメージが出来ました.
    でも,イメージができた時にはもう遅く,博士のカセットテープは壊れていくし,家政婦解約の危機になるしで,博士と過ごす日々が少なくのが目に見えてわかるので,切なくて,途中から大事に読みました.(めっさ時間かけてしまった...)

  • 涙がとまらなかった。悲しいとか、そんなんじゃなくて、温かさとか優しさがたまらなくて。
    博士やルート、私のことが大好きになりました。

  • 「博士の愛した数式」
    記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した。


    物語は、記憶が80分しか持たない数学者「博士」、「博士」の身の回りの世話をする家政婦の「私」、そして、「私」の息子「ルート」を中心に回っていきます。80分という限られた時間の中で構成された「私」と「博士」の関係が、次の80分で0になり、また構築していく・・・、その繰り返しではあるので、一見淡々と進む物語のように思えます。


    しかし、「博士」の生業である「数学」と80分間で見せる博士自身の仕草や性質、そして、江夏という思いもよらない要素も相まって、物語がとても生き生きしているように感じます。また、台詞がとても良い。特に、表題に付いているように、「数式」の存在感は絶大でした。人間の生き方や付き合い方の素晴らしさと暖かさを感じれるような物語に、こうも馴染むとは、驚き。


    例えば、記憶が途切れる度、「博士」が「私」に尋ねる「私」に関する数字が、「博士」と「私」の関係の構築に綺麗に繋がる数字から人への流れに全く淀み無し。また、「私」に数学の面白さや美しさを教えた友愛数、「ルート」と「博士」の間に生まれた714と715、そして、「私」にとって形見であるオイラーの公式と、「博士」が残した数式や数学、数字は、いわゆるただの数字が並んだ無機質なものではなく、人の気持ちが込められた有機なものでした。


    また、「博士」と触れ合うことで、成長する「ルート」も印象的です。一番印象深いのは、「ルート」が「私」に怒った所です。子供は人知れず成長しているものだと、なんとなく実感。一人の数学者の物語であると同時に、一人の子供の成長の物語であるかのように、感じることが出来たのも、この「ルート」が「博士」から多くのものを吸収していったお陰で、無邪気さと純粋さ、素直さ、そして、ちょっとした大人心を兼ね備えた、まさに理想の10歳でしたw


    最後に、忘れてはいけないのは、「私」。温和な物語一本と思ったら、「博士」と「私」には、決して幸せとは言い切れない過去があり、「私」はその過去を背負って強く生きている、だからこそ、「博士」に対しても心から接することが出来ると思います。暖かさを感じれる登場人物の一人。「友達だから、「博士」に会いに行く」は良い台詞ですよね。


    一方、最後まで、しっくり来なかったのは、未亡人です。正直、全く意図が読めない。「博士」や「私」とは、ほぼ対極の人物として登場させただけなんでしょうか。それとも、「私」が考えたように、未亡人は未亡人なりの愛情を「博士」に持っていたのでしょうか。それにしては、ツンすぎるだろうw


    人の傍に数学を置ける著者の表現力に天晴れ。

  • 特に大げさな事件は起こらない。
    ただ、大切なものを大切にして毎日を過ごしている人たちのお話。


    博士だけでなく、
    語り手もルートも未亡人も愛したものがあり、
    今だってそれを愛している。

    泣けてくるのに、ひどく満ち足りた気分になる作品でした。
    これを読み切ったときの気持ちを忘れたくない。

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著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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