博士の愛した数式

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 7066
レビュー : 1320
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104013036

感想・レビュー・書評

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  • 数学とは大学までの長いお付き合いだったけれど、こんなにも優しく慈しんであげたことは無かったので、もっと早くにこの小説を読んでいればと、数学に対して申し訳ないような気持ちになりました。
    最後は爽やかなのにぼろぼろと涙がこぼれて胸がきゅっと締め付けられた。良い小説です。

  • 数字は苦手で理解できませんが、穏やかな気持ちになれる。
    博士のように、丁寧に愛情深く子供に接する事ができたら…と、いつも子供に怒ってばかりの私は反省。
    思いやる心がたくさん詰まっている本。
    それにしても、ルートはいい子♪

  • 博士の、数学への接し方がとても素敵。
    ルートの、博士への接し方がとても素敵。

    すごくきれいな時間。

  • あたたかくて、切ない。

  • 久しぶりの再読。何遍読んでもいい。好きだなあ。

    朝のラジオ番組「おはようパーソナリティ」のゲストが小川洋子さんだった。予告を聞いてから楽しみにしていたインタビューは本当に面白く、聴きごたえがあった。思っていたよりずっと明るく楽しいおしゃべりで、大ファンであるタイガースのこと、自作のことを生き生きと語られていて、聞いているこちらまで気持ちが弾むよう。番組終了後早速本棚から「ハカセ」を取り出して読みふけった次第。(わが家は四人家族で、本をたくさん読む人二名、あんまり読まない人二名。全員が読み、かつ好きな本は極めて少ないのだけれどその最初の一冊が本作で、うちでは「ハカセ」と呼んでいる)

    「友愛数」も「完全数」も私はこの本で初めて知ったのだった。文系人間の常として、数学とは必要最小限の関わりですましてきた。嫌いというわけではないけれど、気むずかしい人をできれば避けたいような感じ、というか。でも、ここで博士が垣間見させてくれた数学の世界にはすっかり魅了された。よそよそしく冷たい数字の並びに、こんな秘密が隠されていたなんて。主人公といっしょにその不思議の一端に触れて、胸が震える思いだった。

    例えば、「過剰数」と「不足数」についての次のような一節。

    「私は18と14を思い浮かべた。博士の説明を聞いたあとでは、それらは最早ただの数字ではなかった。人知れず18は過剰な荷物の重みに耐え、14は欠落した空白の前に、無言でたたずんでいた」

    数学と、小川さんの言葉の魔術とがとけあって、目の前に新しい世界が広がったような気がした。

    語られているお話は辛く悲しい。悲劇的な事故で将来を断たれた博士の運命には、その才能を思うといたたまれない思いがする。ところが、その悲痛さはずっと物語の底で響いているけれど、ここにはまぎれもなく明るさがある。以前読んだときは、息子のルート君の存在が救いを与えているんじゃないかと思った。博士に無条件に愛され、博士を愛した彼が、数学の先生になるとさりげなく書かれていることにじーんとして。

    今回もその印象は変わらないけれど、もうひとつ思ったのは、博士は不幸なばかりではなかったのだということだ。いったいどれほどの人が、博士のように心から愛して人生を捧げて悔いのないものを見つけられるだろう。永遠へとつながっている世界を探求していくことにまさるものがこの世にあるだろうか。

  • 暖かくて真っ直ぐな心が洗われるような物語だった。
    数学に興味を持ってしまう。
    ルートが数学の教師として、博士の数式への愛を伝えていくのだろうなと思うとうれしくなる。

  • 二十歳ぐらいの時に読んで、当時好きだった人に貸しました。
    結局恋は実らなかったけど。
    この本を見ると今でもその人のことを思い出します。

    貸した本はまだ返ってこないけど。
    それでいいんだ。
    返ってきたら恋が終わってしまう気がするから。

  • 何気ない日常の中に数字が関わっているんだなぁ、数って不思議だと思えた。
    泣けるってわけじゃなかったけど、なんか(´・_・`)こんな感じにもやもやした気持ちになった

  • 恋愛でもない愛情が素敵な話
    博士に対する思いやりと博士の思いやりがいい

  • なんで帯に「ラブストーリー」なんて書いたんだろう、とぼんやりと思った。80分しか記憶が持たない、元数学教授の「博士」と家政婦の「私」とその息子10歳の「ルート」。3人の友情と生活を描いたものだが、予想していたお涙ちょうだいものではなく、良い意味で裏切られた。最後、80分だった記憶はどんどん短くなり博士は入院してしまう。でも、なぜか涙は出ない。多分、博士と友人になったら誰もが同じ行動をし、同じ声を掛けるからだ。そして、現実と同じく奇跡は起こらない。ただ、あまりに全てが自然だから、大きな揺さぶりは読者におこらない。

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著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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