博士の愛した数式

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 7066
レビュー : 1320
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104013036

感想・レビュー・書評

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  • 「告白」「OUT」とヘビーな物語ばかり立て続けに読んでたので、これを読んでいい「毒抜き」になった。笑
    ほんわかする。

  • ほのぼの系。
    問題文を声に出して読んでみるとか、数式を見た時の直感を大切にするとか、やってみたらよかった。

  • 友愛数、サイクロイド曲線、オイラーの公式、アルティン予想・・・数学はあたたかい。

  • 再読。80分しか記憶が持たない元数学者と、家政婦及び博士からルートと呼ばれる息子の優しいお話し。久々に数学が関係すしつつ読みやすい話が読めて楽しかった。ただ前回読んだ時も感じたかもしれないけど終わりが唐突にやってきたってのが少し残念だったかな

  • 通いの家政婦としてある家庭に派遣されることになる。面接をすると離れに一人住む義弟の世話だという。
    その義弟は背広中にメモをはりつけた老人で、80分しか記憶が持たない数学を愛してやまない「博士」だった。
    博士と家政婦とその息子10才。息子は頭が平らなのでルートというあだ名を博士につけてもらう。
    博士は記憶などなくても誠実に子どもと接することができ、その姿に家政婦と息子は親愛をおぼえ、記憶に残らずとも関係なく日々新たに友情を育んでいく。

    毎日起きると記憶がない。手がかりは自分の服についている「僕の記憶は80分しか持たない」という自分の字のメモ。
    毎朝静かに告知され、受け入れ、打ちのめされる辛さは察するにあまりある。
    家政婦とルートと博士。お互いに寄り添い、補い合っていたような関係が心地よかった。
    密やかにうかがわせる母屋に住む義姉との関係にはどんな物語があったのだろう。

  • 数字が、ただ計算するための数字じゃなくなった。
    意味をもった言葉になった。
    博士のような知識をもっていたら、もっともっと数字の美しさを知ることができたのだろうか。
    どんどん数字がつながっていく。
    学校で習った程度の受験用知識しかないが、ここで得られた数字については、ずっと忘れない。
    この感覚を大切にしたい。

    (蛇足)
    数字に美しさを求める先生がいた。
    その方は数列が好きだった。
    私にとって数学とは、テストのための、受験のためのものだったのに。
    こんな考え方があったのかと、感動したことを今でも覚えている。
    私も数列が好きになったことは言うまでもない。

  • 80分しか記憶が持たない「博士」と家政婦、その息子の「ルート」の話。

    とにかく、文章が美しい。一つ一つのエピソードがきらきらしている。手元に置いておくべき本です。

  • この小説は、事故により80分しか記憶が持たなくなってしまった数学者で元大学教授の「博士」と、彼の世話をすることになった家政婦の「私」と息子の「ルート」、それに博士の住む離れの家主であり家政婦の依頼主でもある「義姉」との間に交わされた、私にとって決して忘れることのできない濃密な思い出を語った物語です。

    「完全数」「友愛数」「素数」などの数の世界の美しさや永遠性といったテーマを縦糸に、博士と私とルートとの心温まる交流と
    博士と義姉との間の秘められた過去の物語を横糸にして、あたかも教会の静寂の中で編まれた端正なレース柄のように、シンプルにして敬虔な空気を感じさせる作品に仕上がっています。

    「私のイメージの中では、宇宙の創造主は、どこか遠い空の果てでレース編みをしている。・・・図案は主の頭の中だけにあり、誰もパターンを横取りできないし、次に現れる模様を予測もできない。
    編み棒は休みなく動き続ける。・・・そしてそこに編み込まれた模様を、どうにかして自分たちの言葉で編み直せないかと願う。ほんの小さな切れ端でもいい、自分だけのものにして、地上へ持ち帰るために。」(p172)

    作者はこの作品で、神の編んだ小さな切れ端を、自分の言葉に編み直して地上へ持ち帰ることに成功したのだと思います。

  • 80分しか記憶を持つことができない博士と家政婦の親子の物語。
    これを子供の頃に読んでいれば数学が好きになったに違いない。

  • 主人公とルート、博士の関係が心地いいです。お互いに思いやる姿勢が、心に沁みます。義姉と博士の関係が、もう少し知りたかったように思います。

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著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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