撃てない警官

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104027040

作品紹介・あらすじ

模範的な警官になろうと、誰よりも強く思ってきた。ノンキャリアながら管理部門で抜擢され、エリート部署へ配属された。だが、待っていたのは不祥事の責任を被る屈辱の左遷…。若き警部・柴崎令司が、飛ばされた所轄署で体験する人生初の悪戦苦闘。他人には言えない屈託を抱えた男が、組織と世間の泥にまみれて立ち上がる人気シリーズ全七編。第63回日本推理作家協会賞短編部門受賞作「随監」収録。

感想・レビュー・書評

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  • 安藤能明さん初読みです。
    主人公柴崎は本庁の管理部門にいた。警視総監直属の総務部企画課企画係長。現場とは程遠い。順調な出世コースにいた。
    しかし理不尽にも部下の拳銃自殺の責を一人負わされ、所轄の警務課課長代理に飛ばされた。
    部下に恨みを買った上司が、その恨みを持つ者によって陥れられそうになった巻き添えを柴崎は食ったのだ。自分ひとりが組織の生贄になった。断じて許さない。やられたらやり返す!

    そう心に誓った第1話から、全部で7話収録されています。(6話目の随監は日本推理作家協会賞受賞)
    上司の裏にあるものを密かに探りつつ、所轄で起こる日々の事件に触れながら、それまで撃ったことも逮捕したこともなかった柴崎はいろんなことに気づいていきます。そこに読み応えある。そして柴崎は復讐を果たせるか?

    終章の気になる終わり方。
    一体何があるのー?
    次作に答えはあるでしょうか?

    いやー面白いシリーズに出会えました!!

  • ノンキャリアながらエリート部署に配属されていた柴崎。しかし、一人だけ不祥事の責任を取り左遷させられる。上昇志向が強く、より上手く立ち回りたいという思考が人間臭くて良い。連作短編集で、それぞれに登場する警察官も人間臭く葛藤している。大きな事件はないけれど面白かった。

  • 評判通りの面白さでした。
    本庁から左遷されてしまった柴崎。
    綾瀬署で警務課として勤務しながらいろんな事件に関わっていく。
    人間味あふれるストーリーでした。

  • 模範的な警官になろうと、誰よりも強く思ってきた。
    ノンキャリアながら管理部門で抜擢され、エリート部署へ配属された。
    だが、待っていたのは不祥事の責任を被る屈辱の左遷…。
    若き警部・柴崎令司が、飛ばされた所轄署で体験する人生初の悪戦苦闘。
    他人には言えない屈託を抱えた男が、組織と世間の泥にまみれて立ち上がる人気シリーズ全七編。
    (アマゾンより引用)

    オムニバス形式の短編集。
    ときどき面白い話もあった気がする。

  • 短編集ではあるが、全体で一つの小説をなしている。が、最後が尻切れとんぼで、ちょっとガッカリ(自分を追い出した課長は処分されても肝心の自分は本庁に戻れんのかい!?って感じ)。

  • 復讐心を抱いて所轄に左遷された警官。
    事件を通して少しずつ変化したのか。
    反骨や正義感、敵愾心。
    元上司を恐喝することはなかった。
    腐った組織に腐った手段で対応しなかった。
    良かったのかどうかは分からない。

  • 30代半ばで警視庁総務部係長の柴崎警部は部下の不祥事により、すべての責任を1人で負わされ左遷された。裏に隠された陰謀と工作。エリートの道に戻るべく、捜査のノウハウを全く知らないながらも密かに捜査をはじめる。新たな職場である綾瀬署刑務課では、警察内部の不祥事を公になる前に納めるべく調査をする日々。「これから先、部下の不始末を握って握って、握力がなくなるくらい握りつぶさなけりゃならんぞ」上からの圧力と警視庁復帰への野心。柴崎の精神力が凄まじい。銃撃戦はおろか派手な推理ショーや捕物もないが、警察内部の闇をジワリジワリと感じさせるおもしろさが抜群。次も読みます!

  • 柴崎令司シリーズ第1巻目。

    警察という巨大組織のなかでもがくエリート警官の悲哀が伝わってくる。

  • ノンキャリアながらエリートコースに乗り、警視庁総務部企画課係長という重責を担っていたが、部下の自殺の責任を負わされ、綾瀬署警務課長代理に左遷された、柴崎令司警部を主人公とする短編集。エリート意識が強く、やや自己中心的な主人公にはあまり共感できなかったが、話としてはよくできているものが多かった。「第3室12号の囁き」「片識」「随監」「抱かれぬ子」が特に面白かった。

  • 警察官僚の権力争いものかと思ったら、キャリアが刑事になっていく話だった
    読みやすく面白かったが、警察の裏が本当にこんなだったらいやだね
    続編の展開も気になる

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著者プロフィール

1956年、静岡県生まれ。明治大学卒。‘94年『死が舞い降りた』で日本推理サスペンス大賞優秀賞を受賞しデビュー。2000年『鬼子母神』でホラーサスペンス大賞特別賞、’10年には「随監」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。緻密な取材が生む警察小説やサスペンス小説で多くのファンを魅了する。本書は朝鮮戦争で計画された原爆投下の機密作戦を巡る謀略を描く渾身の作。著書に『限界捜査』『ソウル行最終便』『彷徨捜査』『伏流捜査』(祥伝社文庫)『撃てない警官』『夜の署長』等。

「2023年 『ブラックバード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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