魂でもいいから、そばにいて ─3・11後の霊体験を聞く─

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 372
レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104049028

作品紹介・あらすじ

「いままで誰にも言えなかった――」喪った最愛の人との“再会”の告白。「亡き妻があらわれて語った〈待っている〉という言葉が唯一の生きる希望です」「兄の死亡届を書いているとき〈ありがとう〉と兄のメールが届いて」「夫が霊になっても抱いてほしかった」――未曾有の大震災で愛する者が逝き、絶望の淵にあった人びとの心を救ったのは、不思議でかけがえのない体験の数々だった。“奇跡”と“再生”をたどる、感涙必至のノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 人がとても受け止めきれないような
    過酷な経験をしたときに、
    目の前に愛する人の手が差し伸べられたら
    きっと私だってその手にすがるだろう。
    たとえそれがもうこの世の人ではないはずの
    手であったとしても。。。

    3.11後の東北では
    不思議な体験をした人たちがたくさんいたという。
    もう繋がらないはずの携帯電話に相手が出たり
    ふと気づくと津波で亡くなったはずの家族の気配を感じたり。
    亡くなった人からのメッセージを受け止めて、
    生き残った人たちは、やっと生きる希望を見出すことができたのだろう。
    死者と生者の間に生まれたこの物語を
    私は丸ごと受け止めたいと思う。
    そしてこの本の中で語られた津波の体験談は
    今まで読んだどの3.11関連の本よりも
    その悲しみと悲惨さを深く感じた本でした。

  • 私の祖父がなくなったとき、仕事の都合で葬式に間に合わなかった。実家で遺骨の祖父と対面した後、ふと携帯電話を見ると「着信あり」の表示。発信者は、昨日死んだはずの祖父の名前。ずっと誰にも言えなかった、この体験。何かの誤作動でそう表示されたと思い込むようにしていた。

    この本を読んだとき、そんな思い込みなんて必要なくて、祖父が挨拶に来てくれたんだと、思うようになれた。

    飛行機の中でこの本を泣きながら一気に読んでいたら、隣のバハレーン人が、心配したのかポテチやグミを私にくれた。

  • 霊界はある。肉体はなくなっても霊人として生きているというしか説明できない。
    科学で説明しきれるわけでもない。
    ただ落ち込んでいる時ではなく、前向きになった時に亡くなった家族が現れるのは霊界の決まりがありそうだ。

  • やっぱり、あるんだなあ。

    人が死んだ時に、家族に会いに行く「お知らせ」現象や、当人の死期が迫っている時に、すでに亡くなった家族が会いに来る「お迎え」現象。その他、不思議なエピソードの数々。

    3.11で多くの方が犠牲になったが、残された遺族に、不思議な現象があったかどうかを、著書が聞き取り調査していき、この作品は出来上がった。

    実は、私の家族がオカルト本を期待して購入したのを、私が先に拝借して読んだ。これはオカルト本ではないので、そっち系が好きな人には、がっかりする作品だ。著者もあとがきで語っているように、極力、オカルト的恐怖体験は排除したという。

    3.11で取り残された家族の悲しみは、関東に暮らす私にはどうしたって本当のところまで理解はできない。
    ただ、この作品を読む限り、お迎えやお知らせを体験した方々が、死ぬのは怖く無くなった。むしろ待ち遠しい。あの世で大切な人と会えるから、というのを聞いて、少しだけ安心した。

    死ぬことは決して怖いことではないんだなあと、しみじみと感じる。作者の旅は続くそうなので、ぜひ、続編を期待したい。
    読んでよかった。

  • 喪失に対する答えの出し方、ジェントルゴーストストーリーは生者の為に語られるもの。

    津波の影響やらで遺体の未発見も多かった時期に語られる話は、かつての戦死者が会いにくる話と同じで多分日本人の深層なのかなぁ。

    話すことで救われる事はありますよね。

  • 著者も書いているとおり、霊体験というよりは、残された人の見る夢についての聞き取りが中心。残された人が、死者に関するどのような物語を紡いで前へ進もうとしているか、に焦点があてられている。

  • 信じる信じないの次元ではなく、被災された方々のお話をきいて、うんうん、と頷く感覚で読んでいった。皆さんが生きていて、語ってくれて、よかったと思う。辛いとか悲しいとか感動したとかいう感じではなく、自然と涙が出た。

  • あの世とこの世、日本人特有の死生観というか。魂の存在を強く感じた。

  • 震災に合い大切な方を亡くして途方に暮れて過ごしている遺族の方
    その生活の中で、亡くなった方が夢に出てきたり、
    第六感。または虫のしらせで感じたりした話が載せられている。
    私は震災経験はないですが、大切な人を亡くすと似た感情を知り
    もがき、夢で会いたくなったり、「これってもしや・・・?」みたいな
    偶然の一致や感覚を経験した事あります。
    だから、現実離れというよりは、実際にあったんだろうと思いました。
    1万8千人の方が突然命を落とし、その家族、友人、知人達にも
    それぞれの物語がある。
    亡くなっても近くにいて欲しい、感じたいと思って当然だと思います
    その感覚こそが、生きる希望に繋がっている。
    死と隣り合わせで生を生きている。

    その当時の凄まじい様子も垣間見れてきて、想像を絶する想いです
    遺体を捜す。豆が出来てつぶれても歩くしか手段がないから必死で探す
    見つけられても時間が経っていると袋に入っていて触れられない
    自分で火葬場を探す。見つからず山形まで行ったなど。
    放心状態で、空腹で、睡眠不足で、家も家族も失い
    何も出来る状態じゃないのに・・・。泣けてくる
    特に小さなお子さんを亡くした話は読んでいてもつらい
    魂でもそばにいてあげてと思いました。
    自分にもそばにいてほしい人はいる。時々感じる偶然の一致だけでも
    とても嬉しくそれだけで前向きになれる

  • 震災で肉親を亡くされた方の、不思議な体験の聞き語り。
    突然の巨大災害で最愛の人を亡くした悲しみ、助けることができたのではという悔い、残った者として生きていかなればならない現実。そんな中、亡くなった方の気配や夢に支えられて、前に進み始めた遺族の話が16話掲載されている。
    理性的には信じがたい話だが、詮索せずにそのまま受け止めたい。
    お子さんや孫を亡くされた方の「成仏しなくていい、そばにいていつでも出てきて欲しい」という語りが胸を打つ。

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