- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104052035
感想・レビュー・書評
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着物好きには感動ものの一冊です。
1枚の布が、色を変え、姿を変え、鮮やかに甦る、これほどまでに大事にされる布も無いんじゃないかと思います。
着物の奥深さを改めて感じました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
着物に限ったことではない。
日本は自分で物を作れない国になっていて、
物の成り立ちがわからなくなってきていて、
作る人の気持ちや意図や美学も汲み取れなっていて、
修理メンテナンスも自分でできない国になっていく。
それは、人が国が崩壊に向かい、
ものすごく貧しくなっていっている、
ということだと思う。
着物に限らず、
ひとつのものに込められた労力やメッセージに
少しでも深く気づける人でありたいと思う。 -
着物愛を感じる。母親(幸田文)が残した着物を通して幼い頃からの母との思い出、母の姿を、母の思いを感じ取りそして著者の思いを重ねる。
母の残した着物の手入れを通して、現在に残る着物...伝統文化の行程を見学しその奥深さを伝える。
着物...
本当にその一枚に込められた思い、技術、日本の四季...
素材があり、織があり、染めがあり、柄があり...深すぎる。
そして着た後にも手入れがあり...
思えば作り手の思いが込められた決して安価ではないお召し物、
大事に丁寧に手入れされ、後に残る、残される。
日々を和装で過ごしたら、もっと季節に敏感になるだろう。丁寧な立ち居振る舞いが身について清々しく暮らせるだろう。そんなことを思った一冊。
丁寧に生活しようと思う。 -
着物と言えば、昔、母が質屋に持って行ってたことが浮かんできます。若かった頃の母の面影も一緒に思い出されます。大変な時代を育てていただき感謝の気持ちでいっぱいです。「夢一夜」(作詞:阿木燿子、作曲:南こうせつ)という歌、心に切なく響きます。素肌に片袖通しただけで 色とりどりに脱ぎ散らかした 床に広がる絹の海~♪ 「着物あとさき」青木玉 著 2006.5発行です。表紙の青木玉さん、上品な着こなし、そして八頭美人さんですね!幸田露伴のDNAは、文才だけでなく、和の装いでも引き継がれているのですね(^-^)
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20150112読了
2006年発行。ちょっと読みにくさを感じた。きもの関連の工房をめぐったレポートを含む。●P87洗い張り●P178 江戸の頃に着物はいまの型になった。織られる布の巾は一定であり、乳児からおとなまで型は同じなので、手入れをしながらからだに合わせて縫い直しひとつの布を大切に着る習慣が出来上がった。基本の縫い方を覚えれば、そこから派生してほかのものも縫うことができる。着物は普段着として定着し、洗い張りも自分たちの手ですることができた。こういった日常の仕事は、母親の手伝いという形で受け継がれ、独り立ちをするとき困らないように躾けられるものだった。 -
玉さんは「着物あとさき」(2006年、新潮社)の巻末でもこのエピソードに触れ、「きもの」の装丁がきっかけになって、母親文さんの着物の好みやコーディネートについて考えるようになり、「幸田文の箪笥の引き出し」の連載につながったと記されています。
続きはこちら⇒http://wanowa.jugem.jp/?eid=620#sequel -
染め直したという帯の写真が表紙に使われていて、その美しさに思わずジャケ買いしてしまった。
母、幸田文から受け継いだ着物の手入れを中心とした随想。
京都の凄腕の職人さんたちの技が興味深い。
「伸子(しんし)」という、洗い張りに用いる道具のことが印象的だった。
幸田文「きもの」の執筆やおばあさんのモデルについての話もあった。
ファンには貴重かも。 -
着物は浴衣ぐらいしか着ることがないのですが、ちょっとチャレンジしてみようかなと思わせる本。小石川の家の続きではないけど次に読んでちょうど良かった。南部紫七宝の絞りと、フグと鯉の柄のとが好きだなあ。
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幸田文の娘である著者が語る着物談義、着物って素晴らしい
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着物のお手入れなど。気の遠くなるような話。