高校生ワーキングプア:「見えない貧困」の真実

  • 新潮社
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本棚登録 : 89
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104056095

作品紹介・あらすじ

働かなければ学べない。進学や就職、未来を奪われた子どもたちの叫! 学費のみならず、生活費を稼ぐためダブルワークは当たり前。もらいものばかりの家では、親に代わりきょうだいの世話や家事をこなす毎日。成績優秀でも学費が賄えず、多額の奨学金をはじめ「多重債務」を背負う危険性も……。最新ファッションにスマートフォン、一見すると、普通の彼らが直面する「見えない貧困」の実態を炙り出す。

感想・レビュー・書評

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  • 相対的貧困
    活動家やマスコミが「貧困」を政権批判として問題にするために新たに定義された「貧困」とも言えると思います。
    それだけに「貧困」と認めない層が多いのもまた事実です。
    でもその中に「貧困」に見えない「貧困」が現在するのもまた事実なんです。

    本書は丁寧な取材を通じて現代の「貧困」をあぶり出していると思います。
    スマホ持ってるから「貧困」と認めないと言ってる層に気づいてもらえるのか。

    個人的には活動家やマスコミがなんでもかんでも相対的貧困に入れ込んで玉石混交に全てを問題にしようとする姿勢が認めない層に反論の機会を与えて着地点を遠ざけてるように思うんですよね。
    折り合いをどうつけるかが政治行政が動く突破口になると思います。

    貸与型の奨学金についても高卒の求人が激減してるから借りて大学進学しか手がないと言ってますがホンマなんか。
    逆なんとちゃうんか。
    実際大学全入時代やから考えずに借金して進学するのが大多数やったら求人出しても意味がないんじゃないのか。
    大学の適正配置が先ではないのか。
    給付型奨学金と並行して優勝劣敗の法則はこれからの大学再編として絶対必要やと思います。

    僕はそのためにもこちら側の論理も勉強すべきやと思ってます。
    こどもの貧困は自己責任論で片付かない問題やし逆に言えば認めない層が受け入れる余地のある問題やとも思います。
    「親は何してんねん」って批判はできてもどうしようもない親は現実としているんやから仕方ないです。
    そこからどうするか考えないと。

    本書はまさにそんな見えない「貧困」をあぶり出してる良書やと思います。
    ただ惜しむらくは生活費とか母親のダブルワークとか女の子のアルバイト代とかこんだけ働いて児扶手もらえる水準の所得しか無いんかとか。
    児扶手もらってるとしたら父親は生きてるんちゃうん?とか。
    数字について疑問が残れば相対的貧困を認めない層を説得するのは不可能やと思います。

    政治行政がこれからどうすれば良いか
    一つの問題提起になり得る本やと思います。

  • 図書館で借りた本。
    高校生ながら、働かないと生活できない子がいる。「働かないと生活できない。でも働いて学業に支障が出てしまったら、何のための高校生活なんですかね。」の言葉が印象的だった。うちの子も、受験生。この言葉を聞いて何を思うかな。勉強、勉強で苦しいかもしれない。でも、勉強だけに専念できて、塾にも行かせてもらえる。これはありがたい事なんだと思って、苦しい今を乗り越えて欲しいと感じた。また、今勉強中の奨学金の問題点なども書かれていて、大変参考になった。

  • 家族や自身の為に働かざるをえない高校生達の生活を書いたドキュメント。
    「見えない貧困」を見える化することが大切。

  • こどもの相対的貧困に焦点をあてた本。ワーキングプアという一面だけでなく、いかに進学や日々の生活において制限があるのかがあげられている。特に母子家庭の子の貧困が多い

  • 日本は低所得者が増えることを望んでいるんだろうか…

  • 2017年12月に放送されたNHKスペシャルをベースに書き下ろされたもの。

  • 東2法経図・6F開架 KW/2018//K

  • 超リアルな話。現実に彼らと接する身としてあまりに的確なので、感心しました。さすがNHKです。ただ良い解決策は示されず、現状をいかに伝えるか、で精一杯といった感じです。

  • 日本の貧困率の高さが指摘されて、しばらく経ちますが、「そんなに高いの?」と疑ってしまいがちなのは、貧困が見えにくくなっているから、ということのようです。
    少なくとも日本は、物質的には裕福なので、中古品やもらい物を利用すれば、安価に、それなりの質の製品をそろえることができます。

    そんな見えない(見えにくい)貧困の中で、頑張っている高校生も、たくさんいます。
    彼ら・彼女らは、高校に通い続けるために、あるいは、大学等に進学するために、アルバイトをせざるを得ないわけですが、それでも、進学に伴う経済的な負担は大きく、負担の大きさを理由に進学を諦めるケースも多いようです。
    奨学金等、さまざまな助成制度もあるのですが、返済等を含め、必ずしも利用しやすいものばかりではないことも、進学を諦める理由の一つとなっているようです。

    とはいえ、なかなか解決策がないのも事実。
    貧困に対する、社会の理解も得られにくいようですし。

    課題解決に向け、何とかよい方法はないものでしょうか?

  • NHKについてはいろいろ批判されるところがあるけれども、取材力は圧倒的だ。
    受験勉強に集中したい時期に、入学準備金75万円を工面する女子高生のパートは、進学したいのにできない苛立ち、情けなさ、焦りがリアリティをもって伝わってきた。
    テレビ放送終了後にこの女子高生に対して資金援助したいという問合せがあったらしい。経済的な理由で進学をあきらめざるを得ない高校生に対して、第三者から支援を受けることができる制度ができないものかね。

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著者プロフィール

キラーストレス(PART.1)監修。ストレスが原因の突然死、慢性病、精神疾患の増加が注目を浴びる中、ストレスに苦しむ人たちに有効な対処法を伝えようと企画を立ち上げる。2016年にNHKスペシャル「シリーズ キラーストレス」を放送、大きな反響を得た。

「2017年 『「キラーストレス」から心と体を守る! マインドフルネス&コーピング実践CDブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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