浄瑠璃を読もう

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104061136

作品紹介・あらすじ

わたしたちの心の原型も、小説の源流も、みんな浄瑠璃の中にある。最高の案内人と精読する読み逃せない8作品。

感想・レビュー・書評

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  • 仮名手本忠臣蔵の文楽を以前見た記憶をたどりながらこの本を読みました。また何度か文楽を見てこの本を読み橋本さんの本の内容を理解したいなと思う。

  • ☆人形浄瑠璃

  • 菅原伝授手習鑑と本朝廿四孝を観に行きたくなった。

  • 文楽「妹背山婦女庭訓」は、18世紀後半から活躍した近松半二の大作です。桜満開の吉野山、真ん中に吉野川が流れ、左右に三味線、太夫の床が設置されるという、豪華で迫力ある演出に魅せられるのですが、この物語が複雑かつ不自然、理不尽でなかなか頭に入ってきません。実は、今度、この演目の集中講義を受けるのでおさらいしました。

  • この夏「女殺油地獄」で文楽デビューして文楽の華やかさ・シュールさ・今っぽさ・そして、人間を見つめる深さに驚愕し、なにか浄瑠璃の本を、と本書を手に取りました。しかも橋本治印だし。期待にたがわず橋本節は人形浄瑠璃という芸術の中でのストーリーを縦横無尽に語っています。そもそも浄瑠璃そのものが破天荒な物語であるのですが、その意味合いをなんとか一生懸命伝えようとする著者の熱情が面白い。一生懸命理解しようとしているのが面白い。いろいろ話題になった芸術ですがちょっとはまってみようと思います。

  • 暫くしたら、再読します。

  • 「あまでうす」などと名乗っているくらいだから私は西洋の音楽が大好きで、とりわけモザールのオペラなどを見聞きしていれば上々の気分なのですが、それよりも好きなのがなにを隠そう浄瑠璃なのでありまする。

    浄瑠璃、すなわち三味線の調べに乗って太夫が「語る」江戸時代の音曲、あるいは歌舞伎の下座音楽に耳を傾けることが出来れば極楽極楽で、あとは何も要らないと断言する著者には我が意を得た思いでした。

    著者によれば、そもそも日本の音楽はメロディラインではなく「拍子」を軸にしているので、例えば人形浄瑠璃の三味線と太夫の語りも(小澤征爾の死んだ音楽のように縦と横の線を顕微鏡的に合致させることなく)それぞれが勝手に演奏しているのに、結果としてなぜだか1つになっている。そして「この本来バラバラであるはずのものが、1つになっているというスリリングなところが、日本の伝統芸能の妙味なのだ」とあざやかに喝破しています。 

    もちろんこの本は「浄瑠璃を聴こう」ではなく「浄瑠璃を読もう」なので、「仮名手本忠臣蔵」「義経千本桜」「菅原伝授手習鑑」「本朝廿四孝」「ひらかな盛衰記」「国性爺合戦」「冥途の飛脚」「妹背山女庭訓」という本邦の代表的な人形浄瑠璃(及び歌舞伎)作品を文学テキストとして深く読み込み、その解釈と鑑賞について私たち読者の蒙を徹底的に啓いてくれるのですが、それはそれ、本書をつらつら読んでのお楽しみということで。

  • しばらく積んでたんですが、「仮名手本忠臣蔵」観た勢いで読破。面白かった!今回通し狂言観ても思ったが、やっぱり一部(有名な段だけとか)じゃなくて、全部を観ないと、話が理解できんな、ということがよくわかった。
    それにしてもスペクタクル。原文がもっと文庫とかで気軽に読めたらなあ。

  • 三大浄瑠璃を始めとする義太夫の名曲を、作曲された時代背景や作者・それを受け入れた町人の感覚等を踏まえて読み解いていく。恐らく「橋本節」とも言うのであろう、脇道に逸れたり遡ったりしつつであり、学問的に正しい読みかは不明だが、興味深い記述。

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著者プロフィール

1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。小説、戯曲、舞台演出、評論、古典の現代語訳ほか、ジャンルを越えて活躍。著書に『桃尻娘』(小説現代新人賞佳作)、『宗教なんかこわくない!』(新潮学芸賞)、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞)、『蝶のゆくえ』(柴田錬三郎賞)、『双調平家物語』(毎日出版文化賞)、『窯変源氏物語』、『巡礼』、『リア家の人々』、『BAcBAHその他』『あなたの苦手な彼女について』『人はなぜ「美しい」がわかるのか』『ちゃんと話すための敬語の本』他多数。

「2019年 『思いつきで世界は進む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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