リセット (新潮書下ろしエンターテインメント)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 415
レビュー : 61
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104066049

作品紹介・あらすじ

想いは、時を超える-希いはきっと、かなえられる…。求め合いめぐりあう二人そして月日は流れ、星はまた空に降る。『スキップ』『ターン』に続く、待望の書下ろし長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 362ページ。装画/中山尚子 装幀/新潮社装幀室

  • 「スキップ」(1995年)、「ターン」(1997年)、「リセット」(2001年)の三作品は、北村薫ファンの間では『時と人の三部作』と呼ばれており、同氏の人気シリーズのひとつと成っている。いずれの作品にも時の定めの過酷さとその不条理に立ち向かう女性の真摯な姿が描かれる。
     シリーズのトリを飾る「リセット」は、「輪廻」をテーマに、太平洋戦争によって引き裂かれた幼さの残る若い男女二人(水原真澄と結城修一)の想いが、それぞれ時を隔てて後世の男女二人(真知子と村上和彦)に受け継がれ、惹き寄せ合う心が互いを出会わせ、そして結ばれるまでが描かれた心揺さぶられる作品である。史実も巧みに織り込んだ北村氏ならではの緻密なプロットが、昭和初期の生活や戦禍を経験していない戦後世代の読者にも既視感に類する懐かしさを覚えさせ、また、ひとつ間違えば虚構性が強くなってしまいかねないストーリーにリアリティを与えてくれる。かるたを小道具にして「かの時に言ひそびれたる 大切の 言葉は今も 胸にのこれど」という短歌(石川啄木「一握の砂」より)を象徴的かつ効果的に使用する技巧も冴えており、いつもながら氏の造詣の深さには感心させられる。
     最も愛する北村作品は?と問われるならば、私は迷いなく「リセット」と答えるだろう(私の所有する単行本の「リセット」は北村先生のサイン入りでもある)。もう4回は読み返しただろうか。「鷺と雪」での直木賞受賞(過去ログ)がまだ記憶に新しいが、個人的には未だに「リセット」こそ受賞に相応しかったとの違和感が拭い去れずにいる・・・。

    ドイツの空に、それ(獅子座流星群)を見た人の本を、今、わたしが読む。朝はまた朝に繋がり、一月は一月につながり、流星群はまた夜空に明るい線を描く。時の流れの、繰り返しの不思議さを感じました。

    でも、その時はふっと≪消えてしまう小学五年の自分≫が愛しくなったんだ。

  • 【あらすじ】
    遠く、近く、求めあう二つの魂。想いはきっと、時を超える。『スキップ』『ターン』に続く《時と人》シリーズ第三弾。
    「——また、会えたね」。昭和二十年五月、神戸。疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は黄金色の入り日のなかで、穏やかに見つめてこういいました。六年半前、あの人が選んだ言葉で通った心。以来、遠く近く求めあってきた魂。だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの日だった→←流れる二つの《時》は巡り合い、もつれ合って、個の哀しみを超え、生命と生命を繋ぎ、奇跡を、呼ぶ。

    【感想】

  • いいお話なんだろうけど、退屈。

  • 市図書館にて。

    ふんふんと楽しく読んでいたが、「八千代さんには申し訳ありませんが、最悪の時に、最悪の人から、最悪の言葉をかけられたとしか、いいようがありません。」に不謹慎にも大笑いしてしまった。真澄さんに滲み出る傲慢さ。私が言えば、彼女は死ななかったなどと、思いあがる可愛さである。

  • リセット、という言葉から思い浮かべるのはゲームだろう。ボタン一つで、すべてがなかったことになる。
    一定の時間に戻るならばリターンと似てくるのでは、などと思っていたが、そんな単純な話ではなかった。いや、ある意味物語の構造は単純だ。リセット=転生とは。
    転生を繰り返してようやく結ばれた二人に、感動を覚えずにはいられない。この人の紡ぐ物語は本当に、潔く美しい。

    なかなか分厚い本だ。物語のからくりが分かるまでに、結構なページが費やされている。正直物語としては、なくても問題ない部分もあるだろう。しかし時を超える物語においては、その時代、時代を生きた人のリアルな感覚こそが、時の流れを感じさせる重要な部分だとも思う。

  • スキップ、ターンに続く三部作最後の物語。
    第1部は、どんなふうに物語が展開されるのか、まったくわからなかった。第2部に入り徐々に方向性が見えてくる。
    懐かしいやら、寂しいやら、心に残る話ではある。

  • 赤茶色のセロファンがかった情景

    ことばはいまも・・・じんわり心に しみわたる

  • この本は感動と共に心が温かくなります。
    描写が細かい分最初は読み進めるのが結構しんどかったですが、逆に言うとゆっくり読めます。
    奇跡、とはこういうことを言うんだろうな。

  •  「我々は死ぬものではない。そう感じたからこそ、よりよい次の世代を信じ、目指したのでしょう。子のうちに親があるという、狭い意味でもない。わたしは我々であり、我々は永劫の生命を持つわたしなのです。」
     「個の哀しみは、わたしの胸を満たしました。」

    ナウシカに出てくるオームみたいな台詞だな。
    ちなみに、作者は男らしい。
    物語の前半は苦しかった。

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著者プロフィール

1949年埼玉県生まれ。高校教師を務めるかたわら、89年『空飛ぶ馬』で作家デビュー。91年『夜の蝉』で日本推理作家協会賞、09年『鷺と雪』で第141回直木賞、15年には第19回日本ミステリー文学大賞を受賞した。エッセイや評論、編集の分野でも活躍している。近著に『八月の六日間』『太宰治の辞書』『中野のお父さん』など。

「2019年 『覆面作家の夢の家 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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