- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104075119
感想・レビュー・書評
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二人とも不器用だけど、なんて優しくて一生懸命なんだろう。お互いを思い合っている家族は温かくて羨ましい。
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だれもが優しい家族のお話。
人にやさしくすることを、日本では美徳とするけれど、「やさしさ」ってどんなものか、やさしければ何もかもいくかといえばそうでもない、ってことを改めて思わされます。
この物語に出てくる人たちはみんな、やさしい。だけど、どうしてもすれちがっちゃったり、上手く伝わらなかったり、なんてことが起こってしまう。
それでも最後にはちゃんと・・・と読んでる途中で思わせる作者の力量がすごい。
しかし、お母さんを語り手にしちゃうのはあかんと思うで? -
面白いんだけど、なんか惜しい!
前のお母さん?なのかな、モノローグ的なのとか。
とってつけたような将来の話とかいらないかなと。 -
重松作品だなぁ。
読んでるとほっとするし、穏やかな気持ちになる。私も姉や妹がほしかったなぁとか。でも、離婚とか再婚とかの難しさもなんとなくわかる気がする。
新しく家族になるって大変だろうけど、少しずつ少しずつなじんでいけばいいんだろうなって。 -
いつもみたいに号泣ではなかったけど、亡くなったお母さん目線ではうるうるしてしまいました。
マキの素直になれない不器用さは共感してしまいます。
少しずつ「家族」になっていくのがいい。 -
これぞ重松清の真骨頂、というカンジ。
子連れ同士の再婚って難しい。実際はこんないい人ばかりじゃないし、もっと大変なんだろうなぁ。 -
家族の物語。ちょっと切なくなっちゃう、でも、明日から私も頑張ろう、そう思える作品でした。
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重松さんの得意分野という感じ。
安心感はあるものの、捻くれた見方かもしれないが、またか、という感も。
子どもの心理は任せとけ、という慣れた感じがにじみ出ているような。
わかるわかる
だいじょうぶだいじょうぶ
ベスト記録を更新した
などなど。
あ~素直に受け取れない私が嫌なオトナなのね、きっと。
でも今回は家族間の話で、フミやマキがいじめらる話じゃなくて良かった良かった。 -
父の再婚で小六の姉ができた小四の少女。新しい母のとの関係、複雑な姉の心境、友達関係などの日常生活の中に、泣かせるセリフが潜んでいたりする。シチュエーションがわかりやすいので、ついつい感情移入してしまう。
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初出 小説新潮 大幅に改稿。
両親がお互いに再婚して新たに姉妹となった女の子の物語。
父親方が主人公格の小学4年生のフミで母親と死別、母親方が小学6年生のマキで父親と離別。
この年頃の2歳差って大きいですよね。
フミの新しいお母さんでマキの実のお母さんの言葉を借りれば“マキはちょっとヘンクツで無愛想だけど、フミは、とっても素直で、とっても意地らしいっ”と表現している。
実際二つの家族がひとつの家族になるのは難しいです。
いろんなエピソードを通して、人生に正解はないのかもしれませんが、重松氏は常に暖かいまなざしで良き解答例を導き出して読者に提供してくれます。
そして大変なのは子供たちだけじゃありません。
両親の心の葛藤も十分に描かれ伝わります。
そして読者は気付きます、この両親ならば紆余曲折はあろうがきっと安心であるということを。
読んでみて当たり前ですが、血のつながった親子同志は屈託がありません。
そして血のつながってない親子同志は遠慮をしそして気を使っています。
タイトルとなっているポニーテールは姉妹の絆の印となっているかのようです。
本来は結構深刻な話で描くのが難しい題材ですが、重松氏にかかると微笑ましく感じるから不思議ですね。
たまにみられるマキの優しさも意地らしいのですが何と言ってもフミの健気さには恐れ入ります。
最後の着地点のつけ方が重松氏らしく前向きであり、単に幸せな気分にさせられただけでなく、まるで読者も成長したかのような気分にさせられる読書となりました。