ゼツメツ少年

  • 新潮社 (2013年9月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784104075126

感想・レビュー・書評

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  • 重松清作品には珍しく、すんなりと共感できず、ザラつきが残る作品。
    少年たちに「救い」ではなく「助け」がきてほしい、と願っていたけれど…。

    やっぱりどんなことがあっても自殺は認めたくないと思います。
    この本を読むことで、いじめられている人、いじめられた子をもつ家族が救われたらいいと思いますし、当事者じゃない人たちの理解が得られればいいのですが、
    自殺を美化するような流れを感じたのは残念でした。

    この作品は、大切なものを守れなかった人たちを慰めるための物語だと思いました。

  • 大好きな重松清さんの本。
    小説の中に小説が描かれる。
    重松清さんのこれまでの作品に描かれた主人公達に出会えたり。
    不思議な世界。
    生きていることが辛くなることに直面した少年たちが「ゼツメツ」しないために選んだ道。
    キュンと胸を締め付けられたり、思わず目頭が熱くなったり・・・
    『大事なのは想像力。想像力とは希望。想像力とは信じること。そして想像力は約束。』

  • 構造が、少し難しくかったけれど、不思議で、切なくて、悲しくて、けど感動した。予想していたよりずっとお話が重い。
    大切なのは想像力だと繰り返し書かれてあるが、想像をしても実際の現実は変わらない辛さを感じた。反面、子どもたちはなくなったけれど、救われていているはずだ、そうであってほしいと自由に豊かに考えることで自分も救われる部分もあるのだなと思った。

    「なんか、すごくつまんない決め方してない?ふつうとか、ヘンとか、おかしいとか、すごいとか、バカみたい」
    っていうところが印象的だった。自分から見てそう感じても、やはりそれは自分の中の尺度であり、それを相手に押し付けてしまうと相手が自分としていられなくなるのかなと思い、自分の言動に気をつけたいと思った。良いか悪いかではなく、そのような面があることを忘れずにいたい。

    「いつでもいいから、何でも話しなさい」
    話す場を自分も用意しがちだが、そうではなくていつでもいいよと相手にも余裕を持たせてあげることが必要だなとはっとした。

    生きているということが1番大事でも、それは実感を伴わない。それよりも、自分の夢や希望や誇りを感じやすい。だからそれが踏みにじられることは耐えられないし、辛い。だけど、自分のことを信じること、少しだけでも自分の明日を信じられることが想像で、それが大事なんだと分かった。
    これまで自分も色々と辛いことを感じてきたが、これを持ち続けられて良かった、幸せだと感じられた。

  • 最初はゼツメツって何だろうと思ったけど、読み進めていくうちに分かった。
    とっても面白い本だと思う!

  • 息子と同じくらいの中学生で発達障害と思われる。
    男の子からの手紙から始まるはなし。『僕たちはゼツメツしてしまいます』
    彼の発想、行動、好きなものすべてがいとおしく、つらい話。
    著者の過去の小説ナイフや君の友達、エイジ、キヨシコ、
    定年ゴジラなどから主人公たちが回りにでてきて
    重松氏は、少年のいじめや苦悩に対するテーマの
    小説はこれを最後にしようと思っているのかと感じたりしました。

    生きてほしかったんだ。生きてほしい。ずっと、ずっと生きてほしい
    夢なんかなくても、やさしくなくても、正義の味方なんかじゃじゃくても
    いきていれば。。。
    痛い。きつい。つらい話。主人公がでてきたナイフにもまして
    痛いつらい話でした。

  • 物語の中で思わぬ人に「再会」できたこと、繋がってるって感じられたことが良かったです。タケシくんの語りのところで、「『わからない』というのは残酷な言葉だ」というもの「『バカ』とか『嫌い』と言われるより『わからない』と言われるほうが、ずっと悲しい」という文章が残りました。

  • 重松さんのらしい文章世界観。大事なのは想像力です。
    タケシとリュウとジュン、美由紀の物語。結果物語の冒頭恐竜の発掘の大雨で亡くなった子どもたちの話。

  • 重松さんの小説を外で読んだのが間違いだった。
    最後の方では1ページ読み進める度に、一度本を閉じて気持ちを整えなければいけなかったぐらい。涙をこらえるのに
    必死。
    同じ年頃の子供がいるので感情移入も半端ない。

    結構分厚い小説だったので出先でちょこちょこ読んでいたからなのか、時系列があやふやな部分もあった。

    もう一度読みたいかと言われると、悲しいのでノー。
    だけど読んでよかった。
    ストーリー的には私がのぞんだ展開ではなかったが、
    ところどころの会話のやりとりはやはり重松作品。
    心にジーンと残る。

  • #読了。
    小説家のもとに、少年から手紙が。ずっといじめられていた中学生のタケシ、いじめを助けたためにいじめられる側になってしまった小学生のリュウ、姉の影だけを追い続けている両親から逃げ出した小学生のジュン。3人の奇妙な冒険が始まる。
    「ゼツメツ」は居場所が見つからない疎外感からきているのだろうか。少年期のいじめに関するテーマが多い重松さんだが、すでに空想の話というのがいまひとつぐっとこなかった。他の作品の登場人物が出てくるのだが、残念ながらほとんど思い出せなかった。

  • 【読間】
    現在、ちょうど半分くらいのところ。

    “ゼツメツ”という謎の言葉。その意味が知りたくて知りたくて……先が気になりすぎる。なんとなく分かるような気もして、でも違うような……。

    筆者が“ゼツメツ”をどう結論づけるか、期待。


    ※重松さんの他作品からの友情出演キャラ(?)が、2作品分。

    “エミさん”は、もう出てきた瞬間にニンマリ♪重松清を好きになるきっかけとなった「きみの友だち」から。

    何やらかなりイイ味出てる“ツカちゃん”は、どの作品からなのだろう?
    重松清が好きと言いつつもそんなにたくさん読んでるわけではないので、今思い付かないということは、まだ未読なのだろう。

    “ツカちゃん”の元ネタが既読だったら、この物語も2倍楽しめるのだろうな。。。

    2016.04.11.書。


    【読了】
    なんとも切ない真相。絶句。
    でも……後味が悪くはない。

    一番大切なことは、「生きていること」。





    ・・・ウエダって子は、泣かないと思う。泣く代わりにひとを恨んだり憎んだりする

    ・・・泣いちゃうひとと泣かないひとの違いって、そこだよね。


    ……うん、納得。


    ★4つ、8ポイント。
    2016.04.13.図。


    ※重松キャラが続々と投入されたらしいこの作品……、自分が気づけたのは“エミさん”だけ。他は全て未読作からなのかな。

    気付けなかっただけで既読作からのも混じっていたのかしら?

    ネタバレサイトでも検索してみよう。

  • いじめによって「ゼツメツ」しそうな少年二人と少女一人が家出をして自分たちの事を「センセイ」に書いて欲しいという手紙を送ってきた。

    いじめの描写があまりに痛々しく、読み進めるのが苦しくなるほど。
    手を差し伸べる大人たちもいるが、親や先生の無力さが悲しい。

  • これまでの重松作品とはちょっと変わった作風で
    最初は少し戸惑いながら読み進めましたが
    やはり重松さん、要所要所でググッと胸にくるセリフがあり
    親として、色々考えさせられました。
     
    普通以上である事が当然と考えられる今の時代。
    ちょっと人と違う事をすれば
    「変わってる人」「変な人」と思われ
    個性ではなく、異質とみなされてしまう。
    そんな世の中で、窒息しそうになり、苦しみ
    淘汰されようとしている子どもたち。
     
    そんな子供たちを助けるのではなく、救う物語。
     
    想像力って素晴らしい!
     
    自分が本を読む理由が、少しわかったような気がしました。

  • 重松清が好きで何作も読んでますが
    珍しくなかなかに後味の悪い作品だった。
    元々、重松さんの知り合いの亡くなった方とその娘さんに捧げるための追悼作品だったようで、なるほどという感じ。
    ゼツメツの意味、よくわかります。

  • なんとも複雑なプロットである。小説の中にもう一つの小説があるような、気がつけばそれがすべてひとつにつながっていくような・・・
    そして話は軽い調子で小学生と中学生の夏休みを中心に進行していくが、その中心にあるのは「いじめ」という重い問題だ。ストーリーの表面をなぞっていくと、それだけでは重さ、暗さを感じさせない。しかし読み終わってみるとことの重大さに気づかされる。著者はテーマの重さを直接的に我々読者に伝えるのではなく、終盤にならないと登場人物たちの抱える問題の大きさ、重さを感じさせないようにしているのではないか。
    「エピローグ」は実際の重松清のことばなのか。軽い気持ちで読み始めたが、読み終わった時には胸の奥にずしりと重いものを残す小説だ。

  • いじめを題材にしたものを読むと、いつも心が張り裂けそうになる。
    もし、自分の子供がいじめにあったら…そんなこと考えたくないけど、思い詰めてしまった。
    何が悪いのか、誰が悪いのか、わからない。でも、みんながたのしく幸せに生きていくことかできるようになることを信じたい。

  • 重松清氏のお得意分野
    小、中学生たちを描いたお話
    主題は『いじめ』
    内容はシビアだが、人を煙に巻くような構成の作品

    登場する三人の子どもたち
    彼らは、小説家のセンセイへ手紙を送る
    ゼツメツしそうな僕らを助けて欲しいと
    センセイの小説の中へ逃げ込ませてほしいと
    そして、見事に小説の世界へ逃げ込むことに成功した彼ら
    小説の世界で出会う人々・・・・重松作品を彩ってきた懐かしい人物たちが登場する
    『もこもこ雲』を探しているあの人や『マユミのマーチ』を歌うお母さんなど・・・・・
    だけど、小説はいつかエピローグを迎える・・・・・

    現実に引き戻されるときにセンセイが重松氏ではないことに気づかされる

    この作品は、重松氏の今は亡き友人へ捧げた物語

    亡き友人は、子どもをいじめで亡くしていた

    普通でない子どもは、いじめの対象になる

    物語は、訴えます

    普通とは、なんであるのか

    普通などという人間は、存在するのか・・・いや、しないではないかと

    普通でないからいじめる・・・・・まったく理由にはならない

    学校でも、家庭でも居場所を失った【ゼツメツ少年】たち
    結末は・・・・・

    とても興味深い作品でありました
    過去の重松作品に思い入れのある方は特におすすめです
    小説という空想の世界を存分に感じることが出来る作品だと思いました

  • 悔しい…こんな選択をそんな年齢で決断しないといけないなんて…。親としても友達としてもどうしてあげられたのだろうかと考えてしまう。辛すぎる…。

    元気に生まれて来てくれた。だんだんいろんなことができるようになっていった。その姿を微笑ましく見守っていた頃、ただただ君の笑顔が見たいだけだった。どれほど勇気をもらったことだろう。君のためなら強くなれると思った。大きくなるにつれ、親離れ子離れしていくけど、その事だけは親としてきちんと伝え、感じさせてやらないといけないと思う。

    悲しい出来事がこれ以上起きませんように…。

  • 読んでいるうちに現実の話と作った話が混ぜこぜになり...最後の最後で、ハッとしました。
    読み終わった後は、静かに、でも温かい気持ちになりました。
    伝えたいことは、ちゃんと言葉に出してこそだと思います。言葉を大切にして生きていこう、と思いました。

  • いじめがテーマ。こんなに苦しんでいる子どもがいるのかと思うと胸が苦しくなった。逃げていい。がんばらなくていいと声をかけてあげたい
    ※生きていくために必要なのは夢でも希望でもない。ただただ生きること
    ※ツラいとき「なんでも話しなさい」じゃなく「いつでもいいからなんでも話しなさい」のほうが嬉しい

  • 悲しくて、あたたかい物語。
    リュウのお父さんが美由紀に「生きててほしかったんだ」と伝える場面。あの台詞ぜんぶ、親が私に言っている、思っていることそのままな気がして、胸に刺さった。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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