一人っ子同盟

  • 新潮社 (2014年9月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784104075133

みんなの感想まとめ

子どもから大人へと成長する過程を描いた物語は、家庭の事情や社会の背景に悩む一人っ子たちの心の葛藤を深く掘り下げています。昭和四十年代の日本を舞台に、主人公と転校生のハム子が出会い、友情を育む様子が描か...

感想・レビュー・書評

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  • 2021/01/07読了
    #重松清作品

    想像したより重い展開だった。
    どう足掻いてもひっくり返せない
    家庭の事情や境遇に反発する子どもたち。
    息苦しいストーリーだったが
    エンディングのシーンではグッときた。

  • 冒頭───
    ぼくとハム子は、小学一年生の秋に出会った。
    ハム子は転校生だった。お母さんと二人でぼくたちの団地に引っ越してきて、ぼくたちの小学校に転入して、ぼくと同じ一年一組になった。
    転校初日、担任の岩崎先生はハム子の名前を黒板に書いた。
    藤田公子。
    もともと、字のあまり上手ではない先生だった。
    ───

    昭和四十年代、高度経済成長真っただ中の日本。
    一人っ子が珍しい時代だった。
    だいたいが、兄弟二人の四人家族、或いは三人の五人家族。
    それが当たり前だった時代に、クラスで一人っ子だったのはぼくとハム子だけだった。

    そういえば、そうだったなあ、あの頃は。
    兄弟のいない一人っ子は、一緒に遊ぶ人間がいなかったので、ぼくらはよく、一人っ子の友だちの家に呼ばれて遊んでいたものだ。

    ハム子と思わず呟いてしまった僕の一言に、ハム子は何気ない素振りを見せたかと思ったのもつかの間、ぼくの机に跳び蹴りを食らわせてきた。
    その事件をきっかけに、ぼくとハム子は友だちになる。
    それから四年半、ぼくらは六年生になった。
    小学校の最上級生にもなると、いろいろ大人のような悩みも出てくる。
    下の階に引っ越して来たみなしごのオサム。
    母子家庭だったハム子は、母親が再婚して弟ができた。
    ぼくとハム子を取り巻く環境も変わり、ちょっとした事件も起こる。
    大人になりかけのぼくとハム子は問題に直面して、もがきながらも成長していく。
    重松清の小学生を描く作品も、ワンパターンすぎてマンネリ化してきたかな、と思って読み進めたが、それでも結末に向かって心を揺さぶる構成には、いつものようにほろりとさせられた。
    小学生は、こんな風に少しずつ大人の階段を登っていくのだなあ、とあらためて考えさせられた。
    自分もそうだったかな------。

  • さくさくと読み進められた。
    子どもから大人になる境目の日々や出来事を、ありのままに描かれているのが良かった。

  • 一人っ子なので気になって手に取った。
    小学生の、ゆっくりとした時間の進み方が、とても懐かしい感じがした。

  • 記録

  • 小学六年生って大人が思うより意外と大人で、大人がしきりに隠していたりする本当は知られたくないことを知ってたりするんですよね。
    家庭のどうにもならない事情を抱えながら生きる小学生達のお話、心に染みました。
    ノブが小さい頃に交通事故で亡くなった弟さんの存在が個人的には一番辛かった…。

  • クラスでたった2人の一人っ子。
    2人だけの一人っ子同盟。
    一人っ子だけど一人っ子じゃない。
    一人っ子じゃないけど一人っ子。
    少年少女の複雑な感情。
    オトナになると忘れてしまう、コドモにしか分からない。
    コドモのココロは、オトナには分からない。
    オトナのココロは、コドモには分からない。
    オトナになると思い出せないコドモのココロ。
    だから、重松清で思い出すのだ。
    奇跡を信じて重松清を読むのだ。

  • 一人っ子同盟、というネーミングに惹かれて手に取ってみた。
    理由は簡単。私もその一人だから。
    一人っ子の悩みだったり、あるあるだったり、一人っ子と言ってもいろんな家族のカタチがある。
    類は友を呼ぶというけど、私の周りも一人っ子が多かったなぁ。
    「どうにもならないこともある。」ハム子のこの言葉、深いなぁって思った。
    小学生なりの色んな出来事や、人間関係を自分の子供の頃と重ねて読み進めるのも面白かった。

  • 腹が立つ。腹が立つ。子供を大人に変えてしまう大人に腹が立つ。大人の事情で子供を子供でいさせない大人に腹が立つ。
    子ども扱いして肝心なことを面と向かって話さないくせに、面倒くさいことは、何も言わずに分かってよと言う大人に腹が立つ。
    腹が立って仕方ない。

  • 一人っ子が珍しかった、離婚再婚が珍しかった
    あの昭和の時代。私の中にも自然と普通の定義が出来上がってて、心ないことをしてしまってたかもしれないなぁ…。読後、小学校時代のことをぽつぽつと思い出したりした。

    去年、小学校の卒業以来久しぶりに会った恩師と話をしていると、やっぱり子どもの私には分からなかった事情をかかえた家庭の子がその頃いっぱいいたらしい…。

    大人の話に加えてもらえなくて歯がゆかったノブの気持ち、よく分かる。
    強がって、気持ちとは反対のことをしてしまう、本当は優しいハム子の気持ち、よく分かる。

    人の気持ちがじわぁと伝わって来る、いい作品です。

  • 何年ぶりかの重松さんの作品。

    昭和40年代に珍しかった一人っ子をテーマにしていた。
    一人っ子になってしまったもの。
    一時的に弟が出来たもの。
    事情があって転々として来て生きてきた転校生。
    三者三様の悩みがありありと表現されていた。

    子供なりに抱える悩みってこんな風だったんだと
    振り返ることが出来た。

    でも、重松さんの作品としてはちょっと物足りなさを感じてしまった。

  • 一人っ子が珍しかった昭和40年代。
    兄を事故で亡くして一人っ子となったノブ、
    母子家庭で一人っ子だったのに母親の再婚で弟ができたハム子、
    両親を亡くして親戚中をたらいまわしにされているオオカミ少年のオサム。

    そして私も昭和40年代のわけアリ母子家庭一人っ子。
    当時の小中高の名簿は住所電話だけじゃなく保護者の名前と続柄までかかれていて、母子家庭というのが丸わかり。
    それが本当に嫌で嫌で仕方がなかった。
    そのときの記憶がこの小説を読みながらブワっとよみがえってきた。
    ハム子の「どうにもならないことってある」。
    そう、自分が母子家庭で一人っ子だったのは自分ではどうにもならないこと。親が再婚したり離婚したりするのも子供の自分にはどうにもならないことだった…。だからこそ悲しくて、悔しくて。
    当時の私もよくそんなことを考えてた。
    どうでもいい嘘をついてみんなに嫌われるオサムのことも理解できる。一人でいても平気なふりをして心が壊れないように精一杯自分を守ってる。
    あまり期待していなかった1冊だったけれど読んでいくうちに自分の経験とシンクロされていつのまにか涙がでてた。たぶん、兄弟がいる人両親がそろっていてそれなりに裕福な生活をしてきた人にはわからない感情だと思う。

    そして自分も親になって、
    ノブのお父さんの「自分のこどもに、好きな場所や、好きなことや、好きなものがあるっていうのは、親としてはなによりもうれしいんだよ」「好きなものを訊かれて、ちゃんと答えられるうちは、人間、みんな、だいじょうぶだ」
    すごく共感。こどもの好きな物を知っている親になりたい。

  • 一人っ子ではないから一人っ子の気持ちはわからないけれど、こんなことを考えて生活しているんだなぁ。
    団地の風景はわからなくもないけれど。
    同級生が大勢いた時代は、確かにこんな感じで遊んだりしてたもんなぁ。
    大人の事情というか過程の事情を考慮するほど大人じゃなかったけど(笑)。

  • 昭和の時代。団地の子どもたち。そして一人っ子。
    私の子ども時代とは色々違いすぎて、ああ!分かる!分かる!というような共感はなかったけど、でも、いつの時代も子どもは無力だなぁと、少しやるせなくなった。全てを決めるのは大人で、都合に振り回されるのは子どもなんだよなぁ。
    ハム子の不器用な生き方はある意味子どもらしくて、でもそんなんじゃこの先生きにくいだろうなぁと、色々心配になった。オサムも幸せな生活を送れていなさそう…。そういった人の描き方が重松さんは本当にリアルだなぁ。

  • ん~?ちょっと重い・・・かな?

  • 昭和40年代の団地を舞台に兄を亡くした小学6年生のノブオが近所の同級生たちと過ごす1年間の物語。懐かしい感じが切なかった。

    ※お金で解決できない悩み事はメシと風呂と布団があれば意外となんとかなる
    ※好きなものを聞かれて答えられるうちは人間みんな大丈夫だ

  • 兄弟がいる人は抱かないであろう1人っ子の感情や悩みが少し分かった気がする。主人公のハム子に対する気持ちは恋というよりかは、友達とか同士、っていう言葉の方がしっくり来ると思った。自分にもそんな存在が小学生の頃いたかな、と振り返ってみたりもした。

  • 2022/12/05

  • 2022.0223

  • 子どもは何も分かっていないと思われているけれど、実はちゃんと分かっている。大人が内緒にしておこうと思っていることを、子どもはちゃんと知っている。大人の事情を察して知らんぷりしているだけだ。
    それでも、時には、大人たちの身勝手な矛盾だらけの言動に、立ち向かってみては、自分の無力さを思い知らせれている。
    自分もそうだったなぁと、思い出した。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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