山妣 (新潮書下ろしエンターテインメント)

  • 新潮社 (1996年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (490ページ) / ISBN・EAN: 9784104147014

感想・レビュー・書評

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  • 図書室。作者の本にハマっていて。
    長かったけど没入はできた。暗かったな。でも最近山と熊と姥捨文化に呼ばれているのか、この関連をよく読んでいる。

  • 15年ぶりの再読。
    物語そのものが持つパワーに脱帽!

  • 前半は、方言が頭に入ってこなくて苦戦しましたが、後半になると、ここでこいつが出てきたか!とか、登場人物の正体というのか、色々なものが明らかになり、方言がとか言ってられなくなります。
    山に逃げた女性と、人里に帰ったり、行ってしまった人たちのお話です。

  • 坂東眞砂子でまず紹介したい3冊です。いずれも壮大なスケールと精緻な考証で読む者を坂東ワールドへ誘います。短編よりも長編にこの作家の真骨頂を見ます。ぜひ時間のあるときにどうそ!

  • 何度も丁寧に塗り重ねたみたいに密度の高い分厚い物語。読後感が格別。主要人物がみな狼吠山に集まるクライマックスの100ページは怒涛の緊張感。いい作家さんだなぁ。

  • 桃色浄土と並ぶくらい好きな一冊。
    この人のおどろおどろしい世界観に惹きつけられる。
    人間の醜い部分を描きながらも
    魅力ある人物がたくさん出てきて
    読み出したらとまらない。
    壮大なストーリー。
    里を捨てた山ハハだけど、やっぱり最後まで母親だった姿が
    せつなかった。

  • 豪雪の小さな村落に良性具有の役者が来てから、地主の鍵蔵、妻てる、盲の琴、それぞれがおかしくなっていく。迷信が伝えられる山に住むという山妣は言い伝えなのか本当に存在するのか。

    たくさんの死の中で山に住むものだけが心落ち着かせて生きられるのか。おもしろかった。最後もなんとなく明るく終わったし。信じていた男に2度も捨てられても己の生にしがみつき生きていく山妣すえ。すごいよ。

  • 坂東真砂子には勝手に日本の民話を絡めてホラーを書く作家という印象があって今まで読んだことがなかった。ちょっと年上の先輩がこれは面白いよと薦めてくれなかったらきっとずっと読まなかっただろう。これはホラーではない。民話の背景にある人々の悲しみを書いたなかなかの傑作。明治の終わり越後の山奥の雪に閉ざされた明夜村に二人の役者がやってきたことから物語は始まる。村の地主安倍家に招かれ奉納芝居を指導に来た座長の扇水と若い女形の涼太郎。安倍家の子守をする妙は涼太郎に普通ではないものを感じる。安倍家の嫁てるに感じる怖ろしさと同じ様なものを。明夜村の奥には昔鉱山で栄え今は廃墟となった狼吠山がある。そこには子を食らう山妣(やまんば)が出るという伝説がある。第一部で明かされる涼太郎の秘密,鍵蔵とてる夫婦の間のみぞ、病に伏せる妙の母の悲しみ、ゴゼである琴に芽生えたほのかな思い。貧しい小作人たち村人が雪深い冬に辛い毎日を忘れ楽しみにしている芝居の日に起きる事件。妙の母の悲しみ、それは多分あの時代のどんな農村にも共通してあった悲しみなのだろう。姥捨てや山姥伝説、でもそれさえも妙の母はうらやましく思っている。そんな母の悲しみを明かされながらもいつか近い将来自分も母と同じ様に小作人の女房となるだろうと運命を受け入れている妙。子を食らう女、そんな女はごまんといる。娘を遊郭に売る母や、子どもに乞食をさせて稼がせる母。自分を捨てた母も同じ。涼太郎が思うように今の時代にもそんな山姥はやはりいる。第二部、物語は鉱山が廃坑になる前に遡る。つかの間の繁栄を見せていた鉱山街に影が差し始めたころ、そんな山奥の女郎にまで落ちた女君香の物語。どんなにあがいても抜け出せない日々、日ごとに膨らむ借金。貧しさの中で何とか見つけたと思った優しい思い。そして逃亡。逃げ込んだ山でも裏切られそこで出会った流れ叉鬼とともに山で生きようとしそこでも男は去っていった。山の掟、廓の掟、山の神の掟、そんなものは人間が作ったもの。そんな掟から逃げたのに人がいる限りまた新しい掟に縛られてしまう。自然である山は恵を与えてくれるがそこに人がいれば掟ができる。二人の子を産んだ君香(いさ)の強さは何なのだろう。母の強さかそれとも生きるという以外に何も考えなかったのか。鉱山の女たちのように日々の生活に追われ働き続けるか、女郎たちのように借金に縛られ働き続けるか、それとも里の妙の母のように働き続けるか、どんな道を選んでも女たちは生き続ける。その厳しさは変わらない。山は厳しい反面恵みも与えてくれる。やはり同じなのだ。第三部、逃げ込んだ狼吠山を舞台に物語の主役たちが集まってくる。熊狩りに追いつめられた熊と対峙する鍵蔵、いさ、涼太郎、てる。次々と追いつめられていく鍵蔵が手負いの熊のように思える。てるの過去も喜助も思いもよらない展開だった。獅子狩りの猟師たちの信仰の様な猟と自然を知り尽くしたいさ。迫力ある展開だった。

  • 男性でも女性でもない涼之介から物語が始まる…かのように見えるが、その後どんどん
    話がつながっていき、「そういうことだったのか!」と納得がいくことになる。壮大だ。
    作者の本は初めて読んだけれど、ぐいぐい引き込まれた。

    男性でも女性でもないってどういう気分なんだろう。涼之介の哀しみがまた心に響く。

  • 「明治末期、東京からやって来た旅芸人が静かな越後の山村に嵐を巻き起こした。その男の肉体に隠された秘密、そして地主の若夫婦との間に芽生えた密やかな三角関係が、伝説の中から山妣の姿を浮かび上がらせる(帯より)」。
    第116回直木賞受賞。長い長い読み応えのある小説。いろいろな人物の目線から書かれているため、どの人物に感情移入するかは読み手に任されているが、私は映画を見るように情景を思い浮かべながら次にあの人物はどのような行動をするのだろう、何が起こるのだろうと、読んだ。ほとんど休むことなく一気に読んでしまった。ほどよい緊張感が全体にあって読後もすっきり。直木賞納得の作品。

  • 「そして世の中のたいがいのことは、忘れてもかまわないことだ」
    借金、身売り、裏切りと辛酸をなめきった山姥の言葉が重い。

  • 大分前に読み終わったが生身の人間の物語ゆえに生み出すことのできるおどろおどろしさはよく覚えている。

  • ウヒョー長い。

    上下二段の段割で488ページ。

    3部構成なんだけれど、第1部の物語が冗長で、なかなか読み進めなかった。

    2部は一人称で書かれ、1と3部は第三者の視点で書かれている。

    まあ、力作といっていいだろう。

    先日読んだばかりの【邂逅の森】と大変似通ったシチュエーション。

    田舎(前回は東北、今回は北陸)の山が舞台。

    「またぎ」も「鉱山掘りも」全く一緒。

    女郎についての記述がこちらは詳細な点を除いて、これほど似ている作品はないだろう。

    ただ、こちらの作者は女性である点、描写が女性っぽい。即ち、湿っぽい。

    読み進めなかったと書いたが、2部と3部は一気に読んだ。

    長い間種を蒔き、後半一気に刈り取ったという感じ。

    しかしこの作家、人を殺すの好きだねぇ~。

    自然死は除いて、自殺、殺人、動物に食い殺されるのをざっと数えただけで8人。

    主な登場人物の殆どが死ぬという具合だ。

    時代は明治末期なので、当時の世の中についてかなり「勉強」になった。

  • ホラー嫌いの僕を「死国」「狗神」ではまらせた坂東ワールドですけど、伝奇と片付けられない描写の丁寧さがあります。この「山姥」も明治時代の山村を描く作品なんですが・・意外性や人間関係をうまく組み合わせてます。ただし、ラスト近くは殺し過ぎ・・登場人物に感情移入してるとばっさりなんだから・・女性作家は冷酷?(笑)

  • 東北弁が多少読みづらかったけれども、物語には引き込まれた。

    登場人物が3部でつながっていく。
    なんて運命の引き合わせなのかなぁ。
    会いたい人は山妣の一生から消え去ってしまったのに。

    切なくなる女性の運命。

  • 壮絶だのんし

  • 長編ですがテンポが早く、スラスラ読めました。近親相姦という苦手なテーマもありましたが、大好きな男女同性があったので、それで相殺できました。

  • 読み終わった時、なんともせつな〜い気持ちになり感動していた。坂東氏の作品はどれも好きだけど、この「山妣」が1番!だと思う。越後の山里で一生懸命生きる人々。年に一回ある奉納芝居だけが楽しみに苦しくても生きている。その年、上方から1人のとても美しい男が来たことから、村の中が狂い出す。
    坂東氏は目に見えない恐怖、因果だとか怨念だとかを描かせると天下一品。そんな因習とかにがんじがらめにされながらも生きていかないといけない人間のせつなさ、哀しみが伝わってくる。私には文句無しの5つ★作品でした。

  •  
    ── 坂東 眞砂子《山妣(やまはは)1996‥‥ 新潮文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/410414701X
     
     
    (20231128)

  • 2段書き、450頁・・・正直言って読むのが辛い。重いし・・
    なぜか・・・方言のリズムがわからないので読みにくい。漢字が難しくて読めない。なんか・・昔の少女マンガの伝奇モノ(高〇〇子)を思い出した。マンガの原作を小説で読んでいる感があるのだが、筆力を感じるほどではないのだが、たらと情景の描写が長くてくどい。いつもなら先を期待しつつ文字使いを楽しみつつ読むのだが、そんなにくどくど書くなら読まなくてもいいか・・・と突き放したくなる。明治時代の美形両性具有者や山の民など被差別民を扱いつつ運命の奇妙な巡り合わせが小説の内容。
    この先最後まで読むかな・・・9割がた読んだけど、時間がもったいないかな・・・

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著者プロフィール

高知県生まれ。奈良女子大学卒業後、イタリアで建築と美術を学ぶ。ライター、童話作家を経て、1996年『桜雨』で島清恋愛文学賞、同年『山妣』で直木賞、2002年『曼荼羅道』で柴田連三郎賞を受賞。著書に『死国』『狗神』『蟲』『桃色浄土』『傀儡』『ブギウギ』など多数。

「2013年 『ブギウギ 敗戦後』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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