しゃべれども しゃべれども

著者 :
  • 新潮社
3.79
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本棚登録 : 392
レビュー : 88
  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104190010

作品紹介・あらすじ

しゃべりのプロだろ、教えてよ-あがり症が災いして仕事も覚束なくなった従弟の良や、気まぐれで口下手なために失恋ばかりしている美女の五月から頼られて、話し方教室を開くハメになった若い落語家の三つ葉。教室には苛めにあってる小学生や赤面症の野球解説者まで通ってきて…。嘘がつけない人たちの胸キュン恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • 落語が大好き、高評価のレビューに魅かれ、手にとってみた
    が、初めは、なかなか話に入り込めなかった
    落語のように、ポンポンと小気味よく、笑いがあってと、勝手に期待していたためかもしれない

    テニススクールで生徒を前に吃る良、カルチャー教室で言葉が出ない十河、教室でいじめを受けている10歳の村林、解説で自分の言葉が喋れない元プロ野球選手の湯河原を相手に落語教室をすることになった今昔亭三つ葉
    教材に選んだ演目は、『まんじゅうこわい』

    しかし、三つ葉自身が、師匠今昔亭小三文のマネから抜けきれず大のスランプの真っ只中

    落語教室の生徒たちがなぜ喋れないのか、各自が抱えている問題に向き合っていく
    次第に、6畳の古びた茶の間での落語教室は、自然な人の和と良い笑いが生まれ、4人にとって幸福の空間となっていく

    そんな中、三つ葉自身も自信がないなどと泣いていられない。ないものは作るしかない。作るには、とりあえず努力するしかないと、原点に立ち返り、落語の歴史や古典を紐解き始める
    落語の起源や江戸や明治の名だたる落語家の名前が続々と出てきて、興味深かった

    そして、一番の山場は、
    落語発表会『まんじゅうこわい、東西対決』
    十河五月が江戸落語で、村林優が桂枝雀ばりの上方落語の『まんじゅうこわい』

    子供の世界とも思えない、いや子供の世界だからこその情け容赦のない力関係
    ぶつかってはやられながらも、屈せず宮田の前で落語を披露する
    演じる村林と聞く宮田の顔を見守る三つ葉

    発表会が終わった後、対峙する村林と宮田
    明日からいじめはなくなるのか?
    何かが少し動いたようだった

    スロースターターの話だったが、後半は、なかなかの加速で盛り上がりをみせた
    三つ葉さんと十河さんのロマンスも・・・





  • 導入のテンポはいまひとつ悪かったが、大阪弁の少年、村林が出てくるあたりからぐっと楽しくなった。
    「明るい夜」もギャランドゥが出てくるまでは、若干入りにくいところはあったから、こんなものか。

    読み終わって思うのは、従兄弟のキャラが少し弱かったかもしれない。
    他の三人のインパクト(村林くん、代打のおっちゃん、十河さん)とくらべてどうにも影が薄い。
    片想いをよせていた郁子さんをわりと早々にあきらめてしまうあたりは、リアルで、小説としては目新しく感じた。十河さんとの恋模様も、派手なことがない分、かえってリアルだった。このあたりはとても上手だなと思う。

    一番大きな盛り上がりは、村林くんとそのいじめっこ宮田くんの対決だが、このあたりの人間関係の描き方も
    とても良かった。ただ「宮田は何にもない16歳になるだろう」というのはちょっと言い過ぎかなあと。
    いじめっこではあるけれど、その内面をこんなふうに否定しちゃうのもちょっと後味悪かった。

    とはいえ全体的には、とても楽しく読めた。

  • とある噺家の元にそれぞれの悩みを抱えた人々が集まり、落語を練習する事になりー。
    みんなそれぞれの立場や人生、想いがあって、それらにほんのちょっとずつでも向き合っていく姿が丁寧に描かれていました。何もかも全てまる!という訳じゃないのが、逆に真実味があってよかったです。最後の最後、ラストを読み終わった後、本を閉じたら温かいお茶の絵の背表紙が目に入り、気持ちが穏やかになりました。旨味のあるお話でした。

  • こういう話は好きです♪ 咄家二つ目になったマイペースな俺がひょんな事から、喋ることに何らかの悩みを抱える者達 テニス上手な従弟と黒猫みたいなOLと関西弁の小4男子 見かけ強盗みたいな元プロ野球代打男 の四人に落語を教えて行く羽目になる。語り口がとんと〜んと歯切れ良くて興味をそそられながら読み進む。オチがどうなるかって〜とハートウォームなちょっとホロリともさせてくれる温かいエンディングでした♪

  • 102:どーん、というカタルシスのない、けれどじわじわ温かい小説。黒猫かわいいなあ。

  • と、言う訳で。
    NHKプロフェッショナル一万円選書】OAよりの二冊目読了。
    ちょっと感じが違った、と言うか、思ってたのとは違った。
    『あぁ女性の作家さんなのだな。』と読み終わって納得した(悪しき意味では無い)。

    国分君と香里奈さんで映画化されてるらしい。
    なるほど、その二人ならピッタリかも?

    落語が大好きなので、どう転がるかな?と読み進めました。
    ほっこりしました(=´∀`)人(´∀`=)

    ブクログ本棚登録させて頂きます!!!

  • 少し反則な感じがする。
    落語に阪神に小学生。
    面白いのは面白いですけどね,
    続編は無理かな。

  • こういう劇的な恋愛は3年経ったらしんどくなりそうで、三つ葉さんちょっとお気の毒。登場人物がみんな個性的で、それぞれに物語を持っていて楽しい作品でした。特にタイガースファンの大阪弁の少年には若い頃のワタシ自身を重ねながらの読書でした。決して涙が出てきたり、笑ってしまうようなそんな作品ではありません。少しずつの出来事の積み重ねが楽しい物語を紡いでいます。

  • 口下手な4人が落語を通して成長していくお話し♪主人公の短気はハラハラするところもあるのだけど、時折飛び出すタンカには胸がすっきりするものが多かったです。4人をそれぞれ応援しているうちに何だか恋愛も上手くいっちゃって、もう終わりは清々しさでいっぱいでした。

  • 落語を題材としつつ、他者との交流が苦手な人々の触れ合いと変化が軽妙に表現されていて面白い。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年に「サマータイム」で月刊MOE童話大賞を受賞してデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞。『一瞬の風になれ』で吉川英治文学新人賞、『聖夜』で小学館児童出版文化賞、『明るい夜に出かけて』で山本周五郎賞を受賞。そのほかの作品に『しゃべれども しゃべれども』『神様のくれた指』『黄色い目の魚』『第二音楽室』などがある。

「2018年 『シロガラス5 青い目のふたご 5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤多佳子の作品

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