ほんとうの環境問題

  • 新潮社
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本棚登録 : 521
レビュー : 71
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104231041

作品紹介・あらすじ

「地球温暖化を防止しよう」だって?そんな瑣末なことは、どうでもいい。大事な「問題」は、別にある。環境問題の本質を突く、緊急提言。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の池田清彦氏が終盤に「環境問題は科学的のようでいて科学的ではなくて、完全に政治的な話になってしまっている」と述べていたが、この言葉こそが、この本の主題と言える。

     何度も京都議定書(COP3)について述べられており、二酸化炭素排出による地球温暖化防止という大義名分に踊らされ、日本にとって一方的に不利な不平等条約を結んでしまったという立場をとっている。

     つまり、締結時の日本は既に省エネ化が進んでいるので、そこから−6%というのは厳しすぎて、排出削減が満たせていない。その結果、毎年1兆円の税金を批准国に、排出権取引として支払い、EUでは排出権取引が大きな市場となっているという。

     倫理観やイデオロギーといったものよりも、モノからの視点で環境問題を捉えると、また環境問題の違った側面が見えてくるということを対談形式で示している。しかしながら、バックデータが少ないので、ところどころ「本当か?」と思わせるところがあった。どちらかと言えば、対談の内容を裏付けるようなバックデータに興味があったので、そこは残念。

     日本は食料の多くを海外に依存しながら、3割は廃棄している。それは、全世界の食糧援助料の3倍にあたるという。食料もエネルギーを投じて作るものだから、いくらエコカーの技術を持っていても、こんなに食べ物を粗末にしているのは話にならないと感じる。ただでさえ、フードマイレージも長くて効率が悪いのに。

     最終的にはやはり日本は技術にさらに磨きをかけて、大国から必要とされる存在になることが不可欠としてくくっている。

     知識人の対談集はバックデータが少ないという欠点はあるが、物の見方が面白く、メディアが報じる側面としての環境問題しか知らない人にとっては目からウロコの内容が多いと思う。

     あとがきで養老氏が環境問題に対しては、もうヤケクソ状態にあるのが伺えて、問題の混沌さを象徴している。

  • 結局、環境問題は科学的のようでいて科学的ではなくて、完全に政治的な話になってしまっている。

    (京都議定書について)
    ほんとうに化石燃料由来のCO2を減らすつもりがあるなら、排出量の枠決めなんて瑣末なことではなく、化石燃料そのものの採掘量制限をする以外にない。それをやらないのは、それでは排出権トレードで金儲けできないからだ。

    物事の本質に基づいて物事が進んでいかない現状。
    全編に漂うのは、日本の政治のアホさ加減。

    この本の内容が必ずしもすべて正しいとは限りませんが。。。

  • いま環境問題といえば「地球温暖化」であるが、果たしてそれってほんとうに正しいの?京都議定書は地球のためになる?
    日本は貧乏くじ引いていない?そもそも本当に有効なお金の使い方は?ということが大きなテーマ。

    一番大切な環境問題として地球温暖化を取り上げる風潮が日本のメディアにあるが、しかし視点を変えてみてみたときに、それはほんとうに、本当の事なのか、という疑問がでてくる。

    そして、日本のお金の使い方は、日本の国益に適しているのか、日本は戦略的に動けているのか、ということを考えさせられる一冊。

  • 環境問題について一言。

    「環境問題、何が真実?何が虚実?マジわからねぇぜ!! どうにかしてくれ、この野郎!!! 」

    自分の環境に対する認識が揺らぐ。
    いままで正しいと思ってやってきたことは本当に正しかったのかどうか...、と。

    環境を守るためには、何ができて、何をしなければならないのか、考えさせられる一冊でした。

  • 仕事の都合で読んだ。これ、養老さんの名前は広告用みたいなもんだよな。それはさておき、ペットボトルを分別するの、やめよかな。

  • 視点の参考として。
    論旨粗悪、論拠不明確ではある。

  • 池田清彦という人はちょっと過激だから(なにしろエイズか何かで人口は半減くらいしたほうがいいと平気でいい飛ばすのだから)、この人が書いていることを何もかも信用して行動していいのかどうか、ちょっと心配な面はあります。けれど、この本を読んでいると、せっせとゴミの分別収集をしたり、温暖化対策にと電気を消して回ったり、なるべくどこにでも自転車で行ったりしている自分がちょっとバカバカしくなったりもします。京都議定書は一体どうすれば良いのか。日本という国は今後どうして行けばよいのか。養老先生もずっと言っていますが、環境問題は最大の政治問題なのです。政治家にこそ、この本を読んでいろいろ見直してほしいものです。我々としては、とりあえず「もったいない」という意識くらいは持って日々の行動に当たっていけばよいのかもしれません。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:519||I
    資料ID:50800227

  • 論理的。

  • この本に書かれていることが事実であれば、少なくともたとえばCO2排出権取引にEUの利権が絡んでいることなどはもっと報じられていい。古館某のように「先進国は世界同時謝罪しろ」などとくだらないことをアナウンスする閑があれば、「氷が解けて白熊かわいそう」以外の、まともな議論を冷静にしてほしいし、そのためにはいくらでも時間をかければいい。2050年にCO2の半減を目指すことが正しいのかどうか、計るための物差しをまだ我々は手にしていないのではないか?

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著者プロフィール

1947年生。生物学者。早稲田大学国際教養学部教授。構造主義生物学の立場から科学論、社会評論等の執筆も行う。カミキリムシの収集家としても知られる。『ほんとうの環境白書』『不思議な生き物』『オスは生きてるムダなのか』『生物にとって時間とは何か』『初歩から学ぶ生物学』『やがて消えゆく我が身なら』など著書多数。

「2018年 『いい加減くらいが丁度いい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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