正義で地球は救えない

  • 新潮社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104231058

作品紹介・あらすじ

あまりに無益な「CO2排出量削減」キャンペーン、ひどく不合理な「自然の生態系保護」政策…。「環境を守りましょう」という精神運動は、どこまで暴走していくのか!?「ほんとうの環境問題」とは何かを考えるための一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 10年前という昔に書かれた本と言う事を加味しても、駄本。

    本書中には、「地球温暖化が嘘なのは科学的に明らかだ」と述べられている。なお、「それを支持する科学者は少なからずいる」らしく、また「大半の科学者が気づいているけど声を上げてない現状」らしい。

    なお、今や97パーセントの論文が温暖化を肯定している。筆者にとってこの論文達の著者らは大半に含まれないらしい。この本で批判しているIPCCも、専門家や政府のレビューを3回経ており(普通の論文は1回)、信頼性も高い。

    この本では全てこうした事情を無視している。そして、温暖化に対して批判的な残り3パーセントの論文をあたかも一般的で真理であるように説いている。

    二酸化炭素が温暖化の原因かどうかは分からないが、少なくとも「人為活動」を要因とする「温暖化」が生じている事は認めるべき事実。

  • 「石油を使うことは、時間の圧縮」という説明にはっとさせられました。
    すごく、納得したのです。
    人類が石油を使う前と後では、スピード感が全然違う感じがしていたので。

    その他、二酸化炭素と地球温暖化の関係についても意見が述べられていて興味深かったです。
    二酸化炭素だけが原因なのか。とか。

    「生態系は変化するのが当たり前」という言葉も印象に残りました。
    そうですよね。
    変化=悪いこと、ではない。
    環境問題の話題になると、とかく変化は悪者扱いされるということに改めて気付かされました。
    世界は変わりゆくもの。
    そのことをふまえた上で、改めて環境問題について考え直していきたいと思いました。

  • 国や自治体が「分別せよ」と命じるとゴミの分別が新たな常識となる。唯々諾々(いいだくだく)と従う国民は指定された有料のゴミ袋を購入し、ペットボトルやプラスチック容器を洗浄する。つまり自治体はゴミ袋という新たな税金と余分な水道料金をまんまと手に入れることができたわけだ。
    https://sessendo.blogspot.com/2019/07/blog-post_28.html

  • 難しい記述がなく気楽に読める本。環境問題をはじめ、様々な社会現象を批判的にとらえ、口述的な文体で意見を述べている。原理主義が蔓延っていることに警鐘を鳴らし、いかなることもほどほどにすることが大切との意見は面白い。

  • 仕事で急遽、養老氏の地球温暖化問題への意見を確認する必要があり、購入しました。,概ね、池田氏と同じ方向性。,CO2削減への疑念、批判(個人レベルの取り組みを批判)をされています。,原発、CSSへも反対の立場。,「分散型(分散電源とはいっていない)」というワードは、好意的に使われています。,,北海道洞爺湖サミット後の書籍です。,秋葉原の事件が引き合いで、何回も出てきます。,,うーん、養老氏のご意見を再確認できたのですが、改めて今後の仕事での展開に頭が痛くなりました。詳しくは述べられませんが…。

  • 非常にクリティカルな(批判的な)視点で現代社会の風潮を滅多斬りにする本でした。
    ただ、論破の仕方が、こういう例外があるので全体がそうだと言うことはできない、という論調ばかりなので、それってブーメランにしかならないと思う(その一つだけで全体がダメと言うのもダメじゃない、という事)のと、証拠となるデータが提示されていないの事が多いので、言い分に対してはほとんど共感できなかった。
    ただ、視点を変えてみる事、鵜呑みにしない姿勢を持つ事に対しては、改めて意識する必要があるとは認識させてもらえたかな。

  • 「ほんとうの環境問題」に次ぐ2冊目の本。正義のために始められた戦争はやっかいだと言いますが、環境問題に対する取り組みも、だいたいの人は善意で始めたこと。それが後に科学的に根拠がないことであると分かっても、なかなか止めにくいものです。地球規模の問題となると、科学者にも分からないことはいっぱいあるのでしょう。地球は本当に熱くなっているのか。寒冷化が進むという科学者もいます。どちらが正しいのか。きっとどちらも正しいのでしょう。それぞれの立場で、それぞれの考え方を発表している。そこを誰かが、きっと「金儲け」のために、自分の都合の良い解釈をして、一般に喧伝しようとする。ノーベル平和賞を獲得してしまったアメリカの元副大統領もしかり、なのかも知れなません。我々は自分の頭でしっかり考える、あるいは誰が言っていることが正しそうかを嗅ぎ分ける嗅覚のようなものを身につける必要があるのでしょう。いずれにせよ、今抱えている問題は代替エネルギーのこと、そして何より人口問題(人が多過ぎる)ということなのだろうと思います。

  • ホンマでっか?でも、有名な池田清彦先生と養老先生の共著というだけあって、世間の視点から何歩も進んだ(?)興味深い話題が満載!地球温暖化脅威論に真っ向から意義を!生物多様性の保全と、言い出したのはアメリカであるけど、地球温暖化同様、言い出しっぺの割に条約には批准せず、自国の利害優先というスタンスをも批判。環境問題の駆除という考え方にも猛烈に異議を。正義を大上段に振り翳しある生物を駆除しようとすると、結果はかえって悪くなる。例えば松枯れ病に深い関係のある虫を駆除しようと空中から農薬散布も実態はたった一匹しか該当した虫は死んでいなかったとか。トンボの幼虫を食べてしまうとブラックバスを駆除すると、ブラックバスがヤゴよりも好んで食べていたアメリカザリガニが結果的に増えてアメリカザリガニにヤゴが食べられトンボはかえって激減!

  • 最後の方はおっさん二人の居酒屋対談になっている気がするんですが(笑)
    ただまぁ、深く考えない正義というのは、タイトル通り地球を救えないんだなと思う。この本の内容がすべて正しいとも思えないけど、自分の中に問題提起を投げかけてくれた。

  • 新聞やテレビで見るのとは違う視点がえられた。
    この本によると、憂うべきは温暖化よりも、増加する人口に対応する、エネルギー資源対策とのこと。石油は、枯渇する前に代替エネルギー開発のために使うべきと。限りあるものを使っているという意識は確かに希薄だ…。

    なんにせよ、極端はよくないということと、メディアを鵜呑みにしないことと、大声を挙げて何かを推進しようって動きには利権やお金がからんでるかもと疑う視点とかが大事なんだろなと思いました。

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著者プロフィール

池田清彦(いけだ・きよひこ) 1947年生まれ。生物学者。

「2020年 『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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