狂気の父を敬え

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 47
感想 : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104252015

感想・レビュー・書評

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  • 信長ものの歴史小説はごまんとあるが、この作品は次男・信雄から見た信長像を描いている点が特色。その視点が定まらないのが少し散漫な印象で、そして肝心の信雄がもう一つ魅力に欠けるのが残念。それでも、信長の残忍さと陰湿さ、秀吉の下品さ、光秀の苦悩、そして伊賀忍者たちの凄すぎる技と限界などか盛り込まれ、読み応えがあった。

  • 人の悪い面ばかりを集めている。
    気持ち悪い人物ばかり登場する。関わりたくない。そんな人物たちが、集団のトップで本当に組織が成り立つのかと、まったく納得できない。主人公の信雄だけでなく、伊賀者の百地も、北畠具教も、明智光秀も含め。

    行きつ戻りつするので、読むのが嫌になる。
    章はじめ、すぐに、その経緯はこうだった…と過去に戻るのでお話に入り込めない(=一緒に経験できない)。

    「父」という存在に信雄が求めているものがわからない。

    極めつけは、信雄が己の手で赤子を殺害する際、それしか手段がない、と読み手の私には受け入れることができなかったこと。

  • 明智光秀の謀反の理由としてこの本に書かれていることもあり得るのかなと思った。もちろん戦国武将の心理が昭和生まれの町人風情に推し測れるわけもないんだけど(笑)
    天皇家への礼に代表されるような「形式」が骨の髄に染み付いてる光秀を虐めることは、信長にとっては何より愉快なことだったのではないか。

  • 織田信長の二男である織田信雄が伊勢の北畠家の国主(北畠信雄)で、養父である北畠具教を殺害する直前から、本能寺の変の後までを描いています。

    この本では、「主は自分で選ぶもの、父は天が選ぶもの」という言葉がよく出てきます。要は主と仰ぐ武将は自分で選べるが、父は選ぶことができない、という意味です。これは全く考え方の違う織田信長が父であることの苦悩をあらわす言葉として使われています。

    ↓ ブログにも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_25de.html

  • 母性は本能。父性は学習。

  • 父親の愛情を知らずに育った信雄が、父性を知り、そしてそれを知ったが故の狂気に目覚めるまでの物語。

  •  織田信雄殿大好きな自分にとっては、主人公になれただけで物凄く嬉しかった為、中身を確かめもしないで衝動買いした。
     しかし、期待を裏切らない(どころか期待以上の)内容の面白さに、気付けば時を忘れ読み耽ってしまった。
     特に最後の数ページでは、泣けてきて仕方なかった。これ以降も彼が辿った人生を考えると、酷く切なくて、苦しくなった。
     しかし同時に、それでも当時七十二年と言う歳月を生き抜き、織田の家を後世にまで残した織田信雄と言う人物に、私は拍手を送りたい。

  • 天正四年から本能寺の変、安土炎上までを信雄を主役に据えて。燭台を相手に、今度の戦は?敵の出方は?身内って何?父って何?などなど、一人作戦会議を繰り返す信雄がいます。鬱屈してる信雄と、更に鬱屈している(ように見える?)信長の話。蒲生氏郷もちらっと出てきます。

    この作者の「死して残せよ虎の皮」も絶品です。

  • この世の良識と教養を嗤い、血をわけた子を子と思わぬ、わが父、織田信長―。かくも大きな父に認められかくも大きな存在を越えようと、次男、信雄はひとり煩悶し、ひそかに伊賀忍びに戦いを挑み、初めて心を許せる大人に出会った。その名は明智光秀―。父と子であることの狂気と病、血と血が斬り結ぶ、相剋のドラマ。

    彼は鬼畜、魔王。されど父なり。父・信長に認められ、父を越えようと、次男・信雄はひとり煩悶し、密かに伊賀忍びに戦いを挑み、初めて心許せる大人・光秀に出会った…。父と子の相剋を描く一大スペクタクル・ロマン。

    2009.3.1読了!

  • 信長の不肖の息子・織田信雄はロウソクだけがお友達。父親があんなんで、信雄は自分だけの父親を求めるのですが…。読了後はせつなくなりました。

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著者プロフィール

1960年岐阜県生まれ。94年『めんどうみてあげるね』で日本推理作家協会賞受賞。著書に『浅井長政正伝』『信長と信忠』『お市の方』『織田信雄』等多数。主宰する小説講座からは各文学賞受賞者を多数輩出。

「2020年 『新・時代小説が書きたい!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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