日蝕

著者 :
  • 新潮社
3.10
  • (19)
  • (40)
  • (115)
  • (28)
  • (14)
本棚登録 : 516
レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104260010

作品紹介・あらすじ

異端信仰の嵐が吹き荒れるルネッサンス前夜の南仏で、若き神学僧が体験した錬金術の驚異、荘厳な光の充溢、そして、めくるめく霊肉一致の瞬間…。本作の投稿で「新潮」巻頭一挙掲載という前代未聞のデビューを飾った現役大学生が聖文学を世紀末の虚空に解き放つ。

感想・レビュー・書評

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  • 地元県の高校が出身校とは知らなかったけどかつて最年少での芥川賞とか。興味深くて読んだけどちょっと読み辛くて「マチネの終わりに」が素敵なだけに別人かと思ったくらい。結構読むのに力が要る本でした。

  • ちょっと中身のないレビューを綴ります。


    わぁこの人とは友達になりたくはないな…でも遠目に観る分には申し分なく面白い人なのではないか…というにのが私の平野氏の印象。
    ナルシシズムに満ちた作品だなと云うのが最初の印象。

    発表当時はとてもじゃないけど読めなかった。

    今読んでみると、あれ、結構物語自体はシンプルなのね。
    ナルシシズムの下に隠れた普通の顔が浮き彫りになる感じがして、やっとこの物語の全容をつかめたなという感じです。

    これが処女作と思えば挑戦的なその姿勢に敬服するけれど、でも三島の再来というのはちょっと云いすぎだし、懐古的な表現の殻を破ればありふれたとまではいかなくても、読める物語です。

    ちょっとこんなテイストのものだって読めるのさ…と浸りたい時にはもってこい。

  • この平野さん「三島由紀夫の再来」って言われてるらしいけど、その呼び方はちょっとなー・・・。
    文体からすると三島由紀夫より森鴎外風だと思うんだけど・・・。絶対本人も森鴎外を意識してると思います!
    それに「三島由紀夫の再来」はモデルと結婚したりしたらダメです、イメージ的に。「三島由紀夫の再来」にはプライベートでもストイックであってほしいです。と、本人に関係なく勝手に呼ばれている称号に対してケチつけても仕方ないのですが(笑)。

    重厚な文章は読み応えがあって好きです。難しい漢字が多様されている上に文体が漢語調だというのに、ちゃんと中世ヨーロッパの雰囲気が出てるのはすごい。横文字が極めて少ないのにヨーロッパ。

    頭がいいのは認めます。しかもマジで京大生っぽい理知的さ。
    だけど、「計算」して書きました、みたいな感じが出すぎててちょっと興ざめ。
    村の様子なんか「計算」が見えすぎて完全にファンタジー小説かRPGみたい。
    書き込まれているようで書き込まれていない登場人物のキャラクターも何だか勿体ないし。
    成長とか救いの見えないエンディングもよく分からない(人は神=自然の法則を越えたいあるいはそれを壊したい欲求を捨てられないってこと?)。
    文章はいいし、テーマもおもしろいのに、欲求不満だ〜〜!!

    何よりおかしいと思うのは、中盤盛り上がり(と想定される)の森から洞窟のシーン。
    ピエェルはろうそく一本、隠れながらあとを追いかけピエェルを観察するこちらは灯りなしだというのに、あんなに克明にピエェルがどうしたこうした、ってわかんないでしょー、普通。
    いかにも明るいのが当たり前の生活してる現代人が書きました、って感じ。
    中世の森なんて漆黒の闇でしょ。その闇のなかで怪しげな儀式、暗くてどんなことやってんのか分かんなくて、妖しさが倍増、ドキドキ!っていうのが面白いのでは。
    作者には谷崎の「陰翳礼賛」か夢枕獏の「陰陽師」シリーズを読んでもらいたいところですね。

  • 若く荒々しく重い。

  • 平野先生、デビュー作はこんな作風だったんか・・・

  • 漢字の読みが難しく、ストーリーもあまり理解できず、読み辛かった。若い時は肩肘張っちゃうんですかね?最近の作品の方が良い。

  • 「作業する」ことを世界(あるいは神)との交信として捉えてみてはどうか、という主題があるように思います。それは"手応えのある世界"に対する優秀な神学生(≒京大生の作者)の憧れなのかもしれないなあと。
    日蝕を「太陽と月の(性的な)交わり」として描いていますが、日蝕という現象は実際は2つの天体のすれ違いです。「交わってるはずなのにすれ違ってる」というこのありようが、なんだか『マチネの終わりに』に似てる、といったら勘ぐりすぎでしょうか。

  • 錬金術を題材にした小説と銘打っていますが、内容は錬金術とは殆ど関係ありません。錬金術書に登場する象徴的な言葉を単なる装飾としてちりばめたファンタジー小説といった趣でした。

  • 3月2日 628年 日本最古の日蝕の記録日

  • 「マチネの終わりに」に啓発されて同著者の作品を初めからと思って読んでみたが、実験小説のような難解な文章で中世ヨーロッパの神学に纏わる話で始まり、錬金術に話は移行し挙句にホムンクルスから両性具有者が登場、おまけに魔女狩りで終わりひょっとしてキリストの復活じゃなかったのかと締めくくる、これではまるでラノベのテーマである。第1作目ということもあり、著者が力量を図るために自分の趣味を書いたような作品だ。これではベストセラー作家にはなれそうもなく以降の作品に期待せざるを得ない。

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著者プロフィール

平野 啓一郎(ひらの けいいちろう)
1975年、愛知県蒲郡市生まれ。生後すぐ父を亡くし、母の実家のた福岡県北九州市八幡西区で育つ。福岡県立東筑高等学校、京都大学法学部卒業。在学中の1998年、『日蝕』を『新潮』に投稿し、新人としては異例の一挙掲載のうえ「三島由紀夫の再来」と呼ばれる華々しいデビューを飾った。翌1999年、『日蝕』で第120回芥川賞を当時最年少の23歳で受賞。
2009年『決壊』で平成20年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、2009年『ドーン』で第19回Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2017年『マチネの終わりに』で第2回渡辺淳一文学賞、2019年『ある男』で第70回読売文学賞(小説部門)をそれぞれ受賞。2014年には芸術文化勲章シュヴァリエを受章した。『マチネの終わりに』は福山雅治と石田ゆり子主演で映画化が決まり、2019年秋に全国で公開予定となっている。

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