- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104260010
作品紹介・あらすじ
異端信仰の嵐が吹き荒れるルネッサンス前夜の南仏で、若き神学僧が体験した錬金術の驚異、荘厳な光の充溢、そして、めくるめく霊肉一致の瞬間…。本作の投稿で「新潮」巻頭一挙掲載という前代未聞のデビューを飾った現役大学生が聖文学を世紀末の虚空に解き放つ。
感想・レビュー・書評
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恥ずかしながら理解できず
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地元県の高校が出身校とは知らなかったけどかつて最年少での芥川賞とか。興味深くて読んだけどちょっと読み辛くて「マチネの終わりに」が素敵なだけに別人かと思ったくらい。結構読むのに力が要る本でした。
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ちょっと中身のないレビューを綴ります。
わぁこの人とは友達になりたくはないな…でも遠目に観る分には申し分なく面白い人なのではないか…というにのが私の平野氏の印象。
ナルシシズムに満ちた作品だなと云うのが最初の印象。
発表当時はとてもじゃないけど読めなかった。
今読んでみると、あれ、結構物語自体はシンプルなのね。
ナルシシズムの下に隠れた普通の顔が浮き彫りになる感じがして、やっとこの物語の全容をつかめたなという感じです。
これが処女作と思えば挑戦的なその姿勢に敬服するけれど、でも三島の再来というのはちょっと云いすぎだし、懐古的な表現の殻を破ればありふれたとまではいかなくても、読める物語です。
ちょっとこんなテイストのものだって読めるのさ…と浸りたい時にはもってこい。 -
この平野さん「三島由紀夫の再来」って言われてるらしいけど、その呼び方はちょっとなー・・・。
文体からすると三島由紀夫より森鴎外風だと思うんだけど・・・。絶対本人も森鴎外を意識してると思います!
それに「三島由紀夫の再来」はモデルと結婚したりしたらダメです、イメージ的に。「三島由紀夫の再来」にはプライベートでもストイックであってほしいです。と、本人に関係なく勝手に呼ばれている称号に対してケチつけても仕方ないのですが(笑)。
重厚な文章は読み応えがあって好きです。難しい漢字が多様されている上に文体が漢語調だというのに、ちゃんと中世ヨーロッパの雰囲気が出てるのはすごい。横文字が極めて少ないのにヨーロッパ。
頭がいいのは認めます。しかもマジで京大生っぽい理知的さ。
だけど、「計算」して書きました、みたいな感じが出すぎててちょっと興ざめ。
村の様子なんか「計算」が見えすぎて完全にファンタジー小説かRPGみたい。
書き込まれているようで書き込まれていない登場人物のキャラクターも何だか勿体ないし。
成長とか救いの見えないエンディングもよく分からない(人は神=自然の法則を越えたいあるいはそれを壊したい欲求を捨てられないってこと?)。
文章はいいし、テーマもおもしろいのに、欲求不満だ〜〜!!
何よりおかしいと思うのは、中盤盛り上がり(と想定される)の森から洞窟のシーン。
ピエェルはろうそく一本、隠れながらあとを追いかけピエェルを観察するこちらは灯りなしだというのに、あんなに克明にピエェルがどうしたこうした、ってわかんないでしょー、普通。
いかにも明るいのが当たり前の生活してる現代人が書きました、って感じ。
中世の森なんて漆黒の闇でしょ。その闇のなかで怪しげな儀式、暗くてどんなことやってんのか分かんなくて、妖しさが倍増、ドキドキ!っていうのが面白いのでは。
作者には谷崎の「陰翳礼賛」か夢枕獏の「陰陽師」シリーズを読んでもらいたいところですね。 -
京都大学在学中に、『日蝕』という小説でデビューを果たした平野さんは、その後、当時最年少で芥川賞を受賞しました。へえ、すごい人もいるもんだな、という気持ちで、その受賞作『日蝕』を何気なく手に取った当時大学1年生だったわたしは、まずはいきなり、これまでに見たこともないような難解な言葉の数々に喫驚しました。次いで、その美しい文体に魅了され、最後には、作家の想像力が生み出した世界の中に吸い込まれ、溶かされて、しばらく本の世界から抜け出すことができなくなってしまいました。
言葉が芸術であることを、わたしは平野さんの作品で初めて知りました。世界のすべてを、言葉で描き出す。平野啓一郎はそんな作家です。
『未来のきみを変える読書術』苫野一徳 p.81より -
▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/163885 -
語彙・文体含め、異様な世界観に恍惚とさせられる。印象的な作品だった
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2021/8/23
慣れれば意外と面白く読めた。 -
えっ、古文か漢文のテスト?
今、流行りの漢字クイズ?
というくらい、難しくて、読めない
でも、これが平野さんが学生時代に書いた芥川賞受賞作
スローリーディングを余儀なくされ、難読漢字を味わいつつ、なんとか読了
物語のテーマに合った文体と言えなくもないが・・ -
若く荒々しく重い。