- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104270019
感想・レビュー・書評
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天才の孤独の物語。
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美しくて読みやすい文章。構成力。クライマックスの荘厳なほどの魅力。素晴らしい。
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過去に読んだ本。大学生の頃に読んだ。
この本を読んでいた時、ちょうど大学のマンドリンクラブの定期演奏会の直前で、関学まで予備のマンドリンを借りにいっていた。
関学の洋風の校舎と、この小説の雰囲気が見事にマッチしていて、非常に強い印象が残っている。 -
ブエノスアイレスで偶然見つけた、素晴らしいオルガニスト。しかし、その正体はなかなかつかめない。はたして彼の秘密とは?
正確には星2つ半というところ。
文章は「これがデビュー作?」というくらいうまかったし、音楽などの書き方や印象も、とても落ち着いていながら豊かで、細部まできちんと描かれている。
しかし、なんというか、勢い?みたいなものがないと感じてしまった。全体的に、理が勝ってしまっているかんじ。
ごつごつしたり、荒削りでいいから、感情の放流みたいなものをもっと前面に出してもよかったのではないかな・・・。
ところでこの小説、文庫と単行本では人称が違うと聞いたのだが、話の細部は同じなのだろうか?
ちなみに私は、単行本のほうが装丁が好きだったので、単行本で読んだ。単行本では三人称。で、文庫では1人称らしいのだが、この話をどう一人称で語るのだろう??
確かめてみたいけど、文庫でもう一回読もうとは思わないだろうな。 -
日本ファンタジーノベル大賞(1998/10回)
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南米の教会に現れた無名のオルガン奏者の演奏を聴いた主人公は、事故後で半身不随となり失踪した天才オルガン奏者の友人の影を見出す。はたして彼はかつての友人なのか、と、ミステリ仕立てでストーリーは展開していきます。
そして中盤以降は本当にミステリな展開になり、さらにラストはSF的に、、、
第10回日本ファンタジーノベルズ大賞受賞作だそうですが、音楽に取りつかれた結果、神または悪魔の領域に踏み込んでいく天才音楽家の業の深さはなかなかに興味深い。
また、オルガンに関する描写が素晴らしく、音楽小説としても一級ではないかと思います。 -
野々市図書館のブラウジングより。
忘れもしない、わたしが小学6年生の時初めて聴いた「青春アドベンチャー」で放送されていた作品である。あれからもう10年になるのか、と感慨深いが、23時の夜の静寂に漂う低く落ち着いた声の響きは、いまだに耳に残っている。
作品自体は、うつくしい。感情の揺れ動きや移り変わりを描く筆致も不自然さがなく、ゆっくりと動くスラーのようで、まさしくクラッシックのような流麗さを思わせる。が、最後は少々SFチックにすぎる展開で、作者自身が天上へ昇ろう昇ろうとするヨーゼフの思いに引きずられすぎているように感じた。 -
読んでから時間が経っているので詳細が思い出せないけれど、
オチがかなりすごかった。そこだけが想像の映像ではあるが、時折思い出すくらいインパクトのあるオチだった。