- Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104277032
作品紹介・あらすじ
ウチの親って、絶対になんか変! と思っているあなたに贈る究極の毒親物語。私にとって、人生最大の悩みは両親でした……何気ない一言に浴びせられた罵倒、身に覚えのない行為への叱責、愛情のかけらもない無視、意味不明の身体接触。少女の頃から家庭で受けつづけた謎の仕打ちの理由を、両親を亡くした今こそ知りたい。驚愕の体験談を投稿の形で問いかけ、毒親から解放される道を示唆する「相談小説」。
感想・レビュー・書評
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この主人公の相談、というか両親に対する
謎や暴露が作者の実体験ということに驚愕。
そして、この只者ではない両親においても
子供というのはなんと寛容なのか。
虐待されて育っていても
親を庇ってしまうくらい、
子供の健気さをよく見聞きするが
ここまで精神的に理不尽な対応をされても
なお親に対して憐みを感じてしまうって
なんとも複雑。
それだけ精神年齢を上げていかないと
生きていけないということなのか。
著者はよく生き延びて
冷静に自分の生い立ちを見つめ
素晴らしい作家になられて
本当に良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
悩み相談形式の小説と聞いたので、姫野さんの実体験と他の人の体験をもとに書かれた相談に、姫野さん扮する回答者が答える本かと思ったら、そうではなく、全て姫野さんの実体験をもとにした一人の相談者の悩みに、複数の誠意ある回答者が答える小説だった。
姫野さんの小説はある意味いつも同じで、おかしい親に育てられ、異常な価値観にがんじがらめにされている人のことを書いているので、新しさはないものの、姫野さんの親に対する姿勢は随分変わってきて、できるだけニュートラルにとらえ、できる限り好意的にとらえてあげたいというものになってきていると思う。
あんなヘンな親に育てられても、姫野さんのもって生まれたものは損なわれなかったことは、素晴らしい。
きっと今まで何度も、自分なんて生きている価値がないと思ったことだろう。
でも姫野さんが書いたものによって救われた気持ちになった人はたくさんいる。
結婚してはいけない人たちだったかもしれない。子どもを産んではいけない人たちだったかもしれない。子どももそのせいで非常に苦しんだ。でも、こういう本を読むと、それでも人生を肯定したい気持ちになる。 -
毒親の元に育つ子供の、これ以上ないサバイバル生活。健気で落ち着いていてできるだけ傷つかない心を育み、普通に見える形で逃げ出す事ができた。この筆者を本当にすごいと思った。
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毒親といってもかなり変種。
虐待等はなく、大学まで出してくれていることを思うと、
毒親と言えるのかどうかも曖昧。
だからこそ嫌っていいものかどうか、筆者はとても悩まれたのでしょうね。
うちの親とは違うパターンですが、やはり行動には類似点も多く、
(褒められると思ってしたことが怒りを買う等)
いろいろと感慨深く読みました。
筆者の、納得できないという気持ち悪さがよく解ります。 -
読むのがしんどい!
光世の気持ちは分かる部分も沢山あるが、実は分かってないのかもしれない。
ただ本当に、よくぞ大人になるまで生き延びた、それだけで偉い、頑張った、と言ってあげたい。死んでしまってた可能性だって充分ある、肉体的にも精神的にも…。
親から(親以外の大人でも)愛されてると感じられる体験。無条件に受け入れてくれると思える他人。
大人になれば真の意味で他人を頼れないのは常識になるけど、子供時代にこんな存在が皆無だったなら、やっぱりどこかバランスがおかしくなると思う。子供の恩恵を徹底的に受けてないんだもん。 -
実体験をベースに人生相談形式で描いたお話。幼少の頃から抱いてきた両親からの謎の仕打ちに無力な子供。相談者のなるほどの返事が面白い。そんな主人公が計画的な行動で自立していく様が逞しく思える。人生は理不尽だかいい事もあると教えてくれる一冊。
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毒親というタイトルからすると、意外なほど希望が持てる終わり方になっていて、実際に毒親を持つ人にもぜひ読んで欲しい。