春になったら莓を摘みに

著者 :
  • 新潮社
3.62
  • (85)
  • (64)
  • (180)
  • (11)
  • (5)
本棚登録 : 649
レビュー : 93
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104299027

作品紹介・あらすじ

「理解はできないが受け容れる」著者が学生時代を過ごした英国の下宿の女主人ウェスト夫人と住人たちとの騒動だらけで素敵な日々。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 梨木さんのような本物の留学というわけにはいかないが、イギリスで2回、夏休みの一か月間を下宿して過ごした。だからいろんな国の人が来ては去りすること、彼らとコミュニケーションはできるけれど基本的に分かり合えないこと、ときどき通じ合えたような気がしてうれしかったことを思い出した。空港での緊張、窓の外に大きな木が見えたりとか、車で走るとすぐ羊に会ったりすることも。
    ただしその後の20年、自分はただ生きていただけなんだなあと、卑下するわけではなく思う。イギリスが好きだからわざわざアルバイトをしてお金を貯めて行ったのに、その後わたしのなかの「英国的なものを入れる箱」にものが増えることはなかった。むしろ拡散して散り散りになってしまった。生活で精いっぱいというわけでもなかったはずなのに、目先のことにとらわれて自分を育てることを怠けていたのだろう。自分の中がスカスカで心もとない。
    こんな風に人を自省的にする何かが梨木さんの文章にはある。温かいけれどウェットではない態度。とても大人だと感じる。

  • 書下ろしエッセイ。

    カバー撮影 / 星野 道夫
    写真提供 / 星野道夫事務所
    装幀 / 新潮社装幀室

  • これがエッセイであるという事を知らずに読んでいたので、創作の世界なのか何なのかの部分を悶々としながら読んだ。自分のおちゃらけ夏季留学体験とはだいぶ空気管が違っていたので。

  • 列車の良い席を予約したのに車掌に最下等の席を案内され、2度抗議しても受け入れられなかったという理不尽な目にあった主人公が、波だった気持ちを引きずりながらも本当はどう感じたのか?憤慨?屈辱?そんな表面的なものに惑わされずにいよう。本当に感じたのは…と車掌に話しかける場面。
    「あなたが私の言う事を信じて下さらなかったあの時。私は本当に悲しかった。」トーンを落としゆっくり話しかけた。

    怒りの感情や攻撃的な気持ちの昂りに任せて相手に皮肉や辛辣な言葉をかける事が多い日常の中、自分の気持ちを抑えるのではなく、見つめて濾過して選別し、1番重要な場所を伝える技術が素晴らしいと思った。

  • 世界にたくさんいる人たちのそれぞれの人生を考えさせられたというか,感想が表現しにくい。けど,外国に出るんだったら,その前に読んでおきたい本だと思う。

  • 私の思想の根幹をなすバイブル

  • 何だか話の内容が頭に入ってこなかった。

  • 著者の英国時代を書いたエッセイでした。異国での生活を通して少し悔しい事も書いてありましたが、全編を通して異国で暮らしたからこその感性のようなものを感じられて、最後はとても暖かい気持ちになりました。受け入れる、ということの難しさ。それは自国にいる方が気付きにくい事なのかもしれません。梨木さんの本は何作か読んで作風の違いに驚いたりもしましたが、それもなぜか納得できるような気もしました☆

  • チクリチクリと、いたる所でいろんな批判してて、読んでてイヤな気分になる。げんなりする。何様?

    ☆1.5

  • 旅行書ではわかりえない、薄い膜の向こうのイギリス。

全93件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

梨木 香歩(なしき かほ)
1959年、鹿児島県生まれの小説家、児童文学作家、絵本作家。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。映画化もされたこの受賞作が最も著名な代表作となる。
ほかに新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞、『渡りの足跡』で読売文学賞随筆・紀行部門をそれぞれ受賞。
受賞作以外の代表作として、『家守綺譚』、『沼地のある森を抜けて』、『ぐるりのこと』などがある。

梨木香歩の作品

春になったら莓を摘みにを本棚に登録しているひと

ツイートする