西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集

著者 :
  • 新潮社
4.41
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本棚登録 : 519
レビュー : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104299119

作品紹介・あらすじ

自分を生き抜く力を伝える、ロングベストセラー小説の愛蔵決定版。中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、夏のひと月をママのママ、西の魔女と呼ぶおばあちゃんと共に暮す。感受性が強く生きにくいと言われたまいは、その性質を抱えて生きるために魔女修行に取り組む――初刊から23年を経て、書下ろし短篇おばあちゃんのモノローグ「かまどに小枝を」等表題作に繫がる三作も収録。

感想・レビュー・書評

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  • ある理由から学校に行けなくなってしまった、中学一年生のまいが、
    イギリス人のおばあちゃんの家で暮らした、かけがえのない日々と約束の物語───。

    ずっと読みたかった本でした。
    憧れのターシャを彷彿とさせる 素敵なおばあちゃん。
    おばあちゃんが作ってくれたエプロンを付け「魔女修行」に励むまい。

    朝早く起き、庭に出て草木を眺め、その変化を楽しむ。それは新しい一日の始まり。
    庭のハーブを摘んで入れたお茶。
    ハムや炒り卵、レタスやキンレンカをはさんだサンドイッチ。
    たらいで足踏みをして洗った、ラベンダーの移り香のあるシーツ。
    庭で摘んだ野いちごを煮て作ったジャム。
    「毎日を大切に丁寧に暮す」憧れです。

    人生に一日とて同じ日はない。
    わかっているつもりでも、なんと無駄な時間をすごしていることか…

    「自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。」
    「サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かないのだから。」
    まいが子供だからといってあなどることなく、
    慎重にことばを選び、語りかけてくれるおばあちゃんの一言、一言がとても胸に響く。

    「こんなことで、自分がだめになることはない、決して。」
    すぐへこたれてしまう自分の心の”おまじない”にしたい。

    #ブラッキーの話
    ママが忘れることのできなかった後悔と、
    心配でずっと寄り添ってくれていた”影” …
    これはもう…泣けた。

    他にも、まいが去り、またひとりになったおばあちゃんの暮らしが書かれた#かまどに小枝を
    小学生のまいのお話#冬の午後
    そして、執筆から25年を経て、再びこの物語を送リ出す梨木さんの想いが書かれたあとがき。
    シンプルで上品な装丁。
    すべてが好きです。
    大切な一冊になりました。

    何が幸せかということは、その人によってちがう。
    私は私。
    そう胸を張れる生き方ができたらいいなぁ…。

    • 杜のうさこさん
      nejidonさん、こんばんは~♪
      コメントありがとうございます!

      中高生の頃に出会いたかった、それすごくわかります。
      もっと早く...
      nejidonさん、こんばんは~♪
      コメントありがとうございます!

      中高生の頃に出会いたかった、それすごくわかります。
      もっと早く読めばよかった。
      読んでみたいなぁと思いながら、タイトルだけで避けていたことが悔やまれます。
      怖いお話なのかと勘違いしていたんですよね~。

      たぶん、読む年頃で感じ方は違うと思うんですが、
      年齢だけは重ねていても、精神的に大人になりきれていない私は、どっぷりまいの心境にはまってしまいました。
      だから、自分がどう思われているかすごく気になって、そんな自分が嫌だと思っているまいに、
      「自分を正しく理解して欲しいだけなのでは?」と言ってくれたおばあちゃんの言葉に、ぐっときました。
      痛いです。本当に…。

      #あとがきに書かれていた梨木さんの言葉にも勇気づけられました。

      映画化されてるんですね。
      う~ん、見たいような見たくないような…
      好きな作品であればあるほど、映像化されて自分の中で思い描いている世界感が壊されてしまうのが嫌で…
      特に配役!(わがままなだけ?笑)

      出会えてよかったです。
      今さらですが、大切に何度も何度も読み返していきたいです!
      2017/12/18
    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      私はこの作品今読んだらもっと好きになれるように気がするんだよね。
      あの頃はなんでかそんなにはまれなくて…
      ...
      こんばんは(^-^)/

      私はこの作品今読んだらもっと好きになれるように気がするんだよね。
      あの頃はなんでかそんなにはまれなくて…

      私映画も見たけどゲンジさん役がちょっと怖かったような記憶が…
      でも、全体的に原作に忠実でよかったと思うよ(^o^)v
      2017/12/25
    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪

      今日はPCのごきげんがいいので、やっとブクログが開けました!
      けいちゃんも大変だったね。
      困るよね~ほ...
      けいちゃん、こんばんは~♪

      今日はPCのごきげんがいいので、やっとブクログが開けました!
      けいちゃんも大変だったね。
      困るよね~ほんと!
      私は色々調べてもらったら、PCではなくてルーターが原因かもしれないって。
      私のだけじゃなく、スマホも主人のPCも家で使うと動きがおかしいの。

      この本、けいちゃんはそうだったんだ…
      読む年頃や、その時の環境や気持ちの状態で違ってくるのかもしれないね。
      映画、原作に忠実ということは、あの素敵なお庭とかジャムとかイメージ通りなのかな?
      だったら見てみたい気がする。
      ゲンジさん…、あの場面は苦しくなるね。

      手のこと、またよけいな心配かけてしまった。
      書いてしまってから失敗した!と思ったんだけど…ごめんね<(_ _)>
      けいちゃんもまだ痛みがあるんだね。
      痛めた原因、特に思い当たらなくて、どうやら年齢的なものみたい…トホホだわ。

      うわぁ、クリスマスプレゼント、セーターにバッグ&時計、素敵だね~♪
      私は欲しいものがありすぎて、悩んだ末にずっと憧れてた色鉛筆にしてもらった♪
      主人へはネクタイだよ。(毎年変わり映えなし・笑)
      私も主人に申し訳ないわ~(#^^#)

      今年もあと一日だね。
      色々あったけど、来年も仲良くしてね!よろしくお願いします。

      良いお年を!
      2017/12/30
  • 「アイ・ノウ」
    おばあちゃんの優しい口癖。
    孫娘を見つめる温かな眼差し。
    おばあちゃんと過ごした日常からのエスケープの時間は、大人になって振り返っても、胸がキュっと締め付けられるくらい穏やかで貴い記憶。

    おばあちゃんと交わした約束が果たされた時、嬉しさと悲しさを同時に知った"まい"。
    けれど大丈夫。
    "まい"はあのおばあちゃんの孫なのだから。
    おばあちゃんがいつも祈ってくれているのだから。

    「どんなことが起こっても、こんなことは私の致命傷にはならない、って自分に言い聞かせるんです。そうすればそのときはそう思えなくても、心と体のどこかにむくむくと芽を出す、新しい生命力の種が生まれます」
    おばあちゃんが教えてくれたおまじないは、それからもずっと"まい"の力強い味方となる。
    そして読み手の私も。

    梨木香歩さんと言えば、やはりこの作品。
    初めて読んだのは随分前だったけれど、今回改めて読みこの作品の良さを再認識できた。
    何度読んでも、あの約束のシーンには泣ける。
    そして新たに付け加えられたエピソード3話はどれも素敵。
    新年の初読みにぴったりの作品集だった。
    この作品集を紹介してくれた心優しき"友"に感謝したい。

  • 深緑色の装丁がとても美しくてほれぼれ。
    標題紙に描かれたギンリュウソウにも胸が震えます。

    表題作と、まいやママ、おばあちゃんにまつわる3つの短いお話が収められた作品集。
    改めて『西の魔女が死んだ』で描かれた、生きる力·愛する力に勇気をもらいました。
    まいにとっての「アイ·ノウ」というあたたかな声を、いつか誰かにかけられるようなおばあちゃんになりたいと思います。
    今まではまいの視点で読んでいたのに、いつの間にかおばあちゃん側の視点に近づいていることに気付いた読書にもなりました。

    書き下ろしの、おばあちゃんのモノローグが収録されているのも本書のすてきなところ。
    『西の魔女が死んだ』の世界がぎゅぎゅっと凝縮された1冊、ぜひ本棚に並べておかねば。

  • ブクログのフォロワーさんのレビューでこの本の存在を知りました。文庫はすでに読んでいたので、短編のみ読了。

    とても温かい時間。まいちゃんにとっておばあちゃんとの時間は、きっと自分の存在を認めてくれる、そんな居場所だったんじゃないかなと思っていたけれど、「かまどに小枝を」を読んで、おばあちゃんにとっても、まいちゃんとの時間が、自分の存在を確認できる大切な時間だったのではないかと思えて、このお話を読めてよかったです。

    きっと、人は生きていくうえで自分でいる事を認めてもらえる場所が必要なんじゃないかなと思うので、そういう場所がまだない私には、このお話をよむことでそういう体験をさせてもらっていると感じます。自分にはない体験を文章を読むことで体験できる、読書っていいなと思える作品です。

    ブクログをやっていて、この作品に出会えてよかったです。みなさま、いつもありがとうございます。世代的に読書が趣味な人があまりいない世代なので、色々な方の意見や感想が読めるのはとても嬉しいです。

    • だいさん
      読者で疑似体験については私もそう思う

      自分でいる事を認めてもらえる場所
      に関してはあなたはすでにもっている
      気づくきっかけがまだ来...
      読者で疑似体験については私もそう思う

      自分でいる事を認めてもらえる場所
      に関してはあなたはすでにもっている
      気づくきっかけがまだ来ていないだけ
      2019/02/14
    • AYUMUさん
      だいさん。コメントありがとうございます!

      いつか目の前の幸せに気づけるようになるといいな〜と思います。どこかに自分探しにでるのもいいけど、...
      だいさん。コメントありがとうございます!

      いつか目の前の幸せに気づけるようになるといいな〜と思います。どこかに自分探しにでるのもいいけど、読書という疑似体験を重ねて、成長できたらいいなと思います。


      2019/02/16
  • 不登校になった女子中学生が、イギリス人でカントリーな暮らしをしているおばあちゃんの家で過ごすお話。もともと持って生まれた繊細な心や、思春期特有の潔癖さなどを自分自身でも持て余しているのだけど、おばちゃんが全て受け止めてくれて導いてくれる。血が繋がっているからこそ全てを理解してくれるのかもしれないけど、私には二人が親友のようにも見えました。大丈夫!きっとそのうち、そんな親友に出会えるよ!と主人公の女の子に言ってあげたい。

  • 「西の魔女が死んだ」 の本編に3作品が加えられている。まいが雄鶏に挑む話など、どれも本編と縁のあるはなしばかりでした。
    その中でも、本編後の、西の魔女ことおばあちゃんの話がとても印象的でした。まいに、魔女の修行といいながら、また、ママやまいには、ゆるぎなく自分の意志を貫いているようにみえていたおばあちゃんでしたが、おばあちゃん自身が、決めたことを毎日やり通すように心がけ、娘やまいたちが、傷ついても致命的にはならないと祈りながら過ごしている様子に、凛とした人のように見えるけれど皆が思っているより弱い人なのではないか、でも、弱いからといってもたくましい人なのではないかと感じました。
    こんなこと、私の致命傷にはならない。
    素敵な言葉だと思います。

    何度読んでも感銘を受けます。

  • 1つの本を何度も読むことをしない私がリピートした本。
    おばぁちゃんのアイノウという言葉、凄く好き

  • 小学生の時から何度か読んだことがあり、久しぶりに本棚から引っ張り出して読みました。昔読んだときはまだ若くてまいの立場についてあまり理解出来ていませんでしたが、時が経ち、就職活動を通して自分は何者なのかともがいていた時にとても支えになりました。物が溢れていてSNSが盛んな現代で私は人と比較してばかりで大切なことを忘れていたように思います。自分のことは自分で決めてやり通す力。早寝早起き。これらのことを意識して私も魔女修行に取り掛かろうと思います。
    この本を読んだ後、私は真っ先に西の魔女を自分のおばあちゃんの姿と重ね合わせました。おばあちゃんとの別れのシーンは、悲しくもあり温かさもありました。その時の自分の感情に支配されたとしても、必ず伝えたい思いを相手に伝えようと思いました。
    これからまた社会の荒波にのまれて疲れ果てることがあると思います。そんなときはまたこの本を呼んで私の人生の指針にしたいと思います。
    この本を今のタイミングで読めて本当に良かったです。

  • 「おばあちゃん大好き。」



    「アイ・ノウ」

  • 『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』読了。
    7年ぶりの再々読。この本を読んでいると祖母と一緒に過ごしていた頃を思い出した。
    祖母の家で猫と戯れたり花の手入れをしたり。
    すごく幸せだったあの頃を思い出した。
    それだけで幸せな気持ちになった。
    何度読んでも響くものがあるから名作なのよね。
    また、文庫本と違う短篇集が収録されていたんだけど。誰かの幸せを願うことがこんなにも優しいなんて。おばあちゃんがますます好きになった。
    世界から異質な存在としてはじかれそうになって生きづらさを感じても、誰かが自分の幸せを願ってるくれてるだけで生きれそうな気がする。
    忙しなく動き回ってると生活が乱れて心が病む時もあるけど。
    そんな時、ふと思い出す誰かにわたしはなりたいな。

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著者プロフィール

1959年生まれ。作家。『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を受賞。他の小説作品に『沼地のある森を抜けて』(紫式部文学賞)『裏庭』(児童文学ファンタジー大賞)『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『渡りの足跡』(読売文学賞随筆・紀行賞)『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』『風と双眼鏡、膝掛け毛布』など。児童文学作品に『岸辺のヤービ』などがある。

「2020年 『Station』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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